○【72点】グリーンマイル【解説 考察:トム・ハンクスで良かったのか?】

製作

1999年アメリカ映画

監督

フランク・ダラボン
ショーシャンクの空に
・マジェスティック
・ミスト

キャスト

トム・ハンクス
・キャスト・アウェイ
プライベート・ライアン
フォレスト・ガンプ/一期一会
・ビッグ

デヴィッド・モース
・ハート・ロッカー
・コンタクト

マイケル・クラーク・ダンカン
・アルマゲドン
・シン・シティ
・デアデビル

バリー・ペッパー
プライベート・ライアン
トゥルー・グリット
・バトルフィールド・アース

ジェームズ・クロムウェル
・ジュラシック・ワールド/炎の王国
L.A.コンフィデンシャル
・ベイブ

サム・ロックウェル
・スリー・ビルボード
セブン・サイコパス
・月に囚われた男
・コンフェッション

ハリー・ディーン・スタントン
・ラッキー
エイリアン
・レポマン

あらすじ

1999年アメリカの南部のルイジアナ州の老人ホーム。
そこに入居する老人のポールは、散歩を日課にしている。
同じ入居者の女性エレインと親しい関係にある。
そんなある日、
テレビの再放送で1935年に公開された白黒映画『トップ・ハット』を鑑賞して、
記憶をフラッシュバックして、泣き出してしまった。
エレインはポールを気にかけ、何故泣き出したのかを伺う。
そしてポールは語り始める。

1935年。ポール(トム・ハンクス)は刑務所の看守主任だった。
彼の管理する棟には、死刑が決まっている囚人が収監され
、ポールと同僚たちは彼らを死刑にする仕事をしている。
そしてポールたちの棟の床が緑なのにちなんでこの場所をグリーンマイルと呼ばれていた。

死を待つ囚人たちは、それぞれが穏やかで、とても過去に悪事を働いたようには思えない。
そしてポールの元に体格の大きい知恵遅れを患っているように
思える黒人のコーフィー(マイケル・クラーク・ダンカン)が収監される。
しかしコーフィーは、少女2人を惨殺した殺人鬼だ。

そんなある日、またもグリーンマイルに人が収監される。
通称ワイルド・ビル(サム・ロックウェル)は、危険な犯罪者で、
収監早々に大暴れをし、ポールの同僚たちは叩きのめされてしまう。
収監したが、ワイルド・ビルに股間を殴打され失神するほどの
痛みに悶絶するポールをコーフィーは呼ぶ。
ポールは尿道に疾患を患っていた。
そんな彼の股間を鷲掴みしたコーフィーは、不思議な現象を起こし口から大量の蝿を吐き出す。
するとポールの痛みは消え去り、ポールは痛みを感じないで排尿することができるようになった。
帰宅したポールは妻と久しぶりに夜の営みを行い、幸福感に満たされる。

その件からポールはコーフィーが少女を惨殺したのではないと疑い始める。

2019年1月9日自宅Blu-ray鑑賞 2019年4本目



フランク・ダラボン監督作品

最近めっきり名前を聞かないフランク・ダラボン監督。
監督作品の中では北米の映画評価サイトIMDbで
高評価ランクで不動の1位の『ショーシャンクの空に』を監督している。
それ以外には本作とジム・キャリー主演の
映画館復活と赤紙の映画製作者の映画『マジェスティック』、
そして絶望が絶望を呼ぶ『ミスト』を監督しているが、2007年以降は劇場映画は鑑賞しておらず、
2010年に海外ドラマのゾンビものを描いた『ウォーキング・デッド』の第一話を監督したきり。
それ以降は、製作側に回っているようで、今は『ウォーキング・デッド』で財を成している模様。
ちなみに本作はIMDbのトップ評価250内で『レオン』につづく31位。

ホラーと和やかなヒューマンの要素の振り幅が高い映画

ジャンルとしてはなんだかんだSFだと思う本作。
老人の日常から、30年代の南部の刑務所でのほのぼのとした日常。
そして癒す力を持つ死刑囚との交流。
その役を演じるのはコメディアン出身のトム・ハンクス。
『フォレスト・ガンプ』でアカデミー賞も受賞しているわけですが、
看守主任という役回りが全然似合ってない、優男。
でも尿道の痛みに悶絶したり、
ションベン漏らすシーンは圧巻の切なさ

このトム・ハンクスがもたらすゆるさと相反するホラー要素。やばい。

牢獄内で親の威光を使って嫌がらせの極みをするパーシー。
こいつの悪事の数々では、特に心優しそうなドラクロアの死刑シーンでのむごたらしさは、
軽い気持ちでは見れない恐ろしさ。
全身に電気がかけられているが、心臓に電気が行かなかった影響で、
心臓が止まらず、体を焼かれ続けても生きているので、
電気を流すのを止められないという地獄絵図。
ここで死刑の惨たらしさ、
心優しい人間になった死刑囚を死刑にかけることを喜ぶ人を皮肉るようなシークエンス。

このシーンのホラー性が本当に異常。

サム・ロックウェルの怪演

現在49歳でアカデミー賞を受賞したサム・ロックウェルですが、30歳の時点でも怪演。
結構いい役所の多いサム・ロックウェルですが、悪役が多いせいか過小評価かなと。
今作でも観客を不快にさせる役所を熱演。
しかし同様に七光りのパーシーもいて、半減か。

しかしこの2人の顛末は正直微妙だった気もする。

ネタバレ:弱いものに生まれ変わった天の使いが人間界を見離すことを決断する映画なのでは?

30年代南部だと人種差別の色濃い時代。
そんな中、特殊な力を授かりながらも冤罪で死刑囚になってしまったコーフィー。
彼は善人であるポールや
その周りの人々を救いながらも悪人であるビルとパーシーに裁きを下す。
まるで天の使い、もしくは神様のような存在であるコーフィーは、差別により冤罪に陥り、
死刑を見に来る人々の憎しみや悪人たちに心を痛ませ、
最後の最後でポールからの脱走の手引きの依頼を断り、この世を離れることを選ぶわけです。

via GIPHY

そんな彼ですが、善き人であるポールに力を分け与え、長寿をポールは得るのですが、
ポールはそれを呪いと感じ、また親しき人の死を見守り心を病んでいく。
コーフィーの死を看取ったことへの贖罪だと本人は語り、
刑務所から出て更生施設で若者を導くことに転職したにもかかわらず、
彼のグリーンマイルでの職務は現在でも永遠と続いているという皮肉的な終わり。

コーフィの選択はこのどうしようもない人間たちの行いに
嫌気が差した神の選択だったように思え、
またポールもそれを感じ、1人贖罪の日々に納得し続けるという、
なんとも重たい映画だなと。

もしそうなら、トム・ハンクスの人選や映画のトーン失敗だったのでは?

どうしてもトム・ハンクスが主人公だと
軟派な作風になってしまうのではないかと思うのです。
近年のいい年の取り方をしたトム・ハンクスなら本作はぴったりかなと思うのですが、
まだ若いトム・ハンクスとなるとラブコメやコメディ、ヒューマン路線も強く、
本作の主張はそのトム・ハンクスの持ち味で影に隠れてしまったのかなと。
またそれをフランク・ダラボンがうまく描かず、
序盤の意味不明な老いたポールのシーンを冗長に描き、
また全体の3時間という尺を平凡に使い、
ポールの日常に寄りすぎて軟派な見やすい映画にしてしまって、
急にラスト大どんでん返しのようにしてしまった感はあると思う。
ネズミがすごい映画ではあるが、違うような気もする。

via GIPHY

全体的な映像は牧歌的というか田舎の風景というか、緑豊かというか、天井からのショット。

via GIPHY

そして苦痛に歪むトム・ハンクスとなんとも言えなさすぎる。

via GIPHY

ただCGを用いたジョン・コーフィの特殊能力のシーンは意外と見応えあったし、
死刑シーンの生々しさなど。

そもそもフランク・ダラボンが監督としての作数が少なくて、
どの演出が個性なのか?というのが全然伝わってこなくて、
普通にトム・ハンクスの映画という印象が前面に出てたなぁと。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
72点

10年以上ぶりの再鑑賞。
ブログ運営した後に鑑賞してなかったなぁと思う。
あと出演陣も00年代後半ぐらいまではよく見た人がいて、なんだか懐かしかった。

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