2013年146本目 12月10日劇場2D鑑賞
「幻想的なほどボヤボヤした映画。」
あらすじはこちらのページで紹介しました。
ちょっと野暮用があったので、劇場付近まで行って、時間がピッタンコだったんで、キアヌ・リーブスは『マトリックス』や『スピード』などでお世話になったので、せっかくだから鑑賞した。
監督は本作で長編デビューした人。
脚本家が『ワイルド・スピード4-7』の人。
プロデューサーが近年では『テッド』で大当たりした人。
なんだか脚本と制作を見るとちょっとだけ面白そうだが、感想としては謎な映画でした。
致命的な欠点を言えば、主役が誰かわからない。
一見、宣伝の仕方を考えると主役はキアヌ・リーブスのように見えるのだが、このキアヌ・リーブスのキャラがぼやけている。
そうなると多分、大石蔵之介を演じた真田広之が主役に当てはまるのだと思うのだけども、それにしてはキアヌ・リーブス演じるカイの色恋が強い。
多分この映画真田広之とキアヌのダブル主役だと思われるのだが…。
それって、よくあるバディー映画でさ、相棒として活躍するがだいたいの典型的であり王道であると思う。
だがこれは違う…。
二人は、根本的に相棒関係ではない。むしろ敵対関係に近い。飼い主と奴隷のような関係が一番だ。
それが序盤が終えて、ようやく対等になるが、二人の絆がどうこうとか、そんなことは一切無い。
二人は互いの目的の為にお互いを利用する程度でしかない。
つまりこの物語は二つの物語が同時並行で進むということだ。
それが螺旋状に絡むような、面白さは存在しない。
二人の物語は調和することなく、見ている側に混乱を招く。
更に、序盤の浅野家が死ぬまでの件があまりにも長く、それでいて、物語に絡む要素が少ない。
カイは外人とのハーフだから差別を受ける。それぐらいしか描かれない。
ファイナルファンタジーから出演したような怪物が出てくるも出て来たのはそこだけ。
また冒頭からダラダラし映画のルールである15分たったら物語が進むも破られていて、飽き飽きしてきた所に魔女が登場!!
その魔女を演じるのは、菊池凛子。
もうビックリするぐらい変な奴だった。髪の毛は蜘蛛みたいだし、目の色が違うし、挙げ句に、なぜ吉良の為に奮戦しているのかが描かれていない。
冒頭の獣のシーンや浅野当主が死ぬまでの試合とかを少なくして、それを描けば、もう少し物語に没頭できたし、まだキャラクターへ肩入れができた。
このものすごくぼやぼやした映画で、結局は聞いたことがある元禄赤穂事件をなぞって、作品はファンタジーという免罪符を映画にかして、自由に描かれる。
そこから出島というパイレーツオブカリビアンのワンシーンだったり天狗というベトナム系のお坊さんの下で剣を手に入れたりやで、大仏が山に埋まっていたりと、もう日本というかアジアンなてきとうなファンタジーを楽しむ。
最早『ファイナルファンタジー』でプレイヤーキャラのジョブをほとんどサムライにして、一人だけ魔法戦士入れたようなメンツで旅しているような映画。
どんな映画だ?って思うけどその程度のなんか偏ったことしたような偏った世界で偏ったパーティーで戦うわけです。
脚本の出来も適当…。全体的に浅はか。
ただ討ち入りでの吉良の城にステルス潜入していく様は非常に見事。こういうの絶対撮るの難しいと思うけど、綺麗になってた。
あとはキアヌと凛子が凛子がドラゴンになって、戦うんだけども結局、キアヌが最初から天狗の技の高速移動しとけば、良いじゃんという致命的な欠陥がある。
というどの映画にも見られる、最初から本気出せよ状態に陥って盛り上がりもなく、また真田は吉良の首をぶらんぶらんしていて、あれ忠臣蔵ってこんなんだったけ?と首をかしげてみる。
とりあえず何事もやはり最初から全力で行くのがマナーで、キアヌが最初から高速移動した方が、映像的にもバトルが盛り上がったと思った。
吉良の討ち入りで、一人でそれをやりまくって欲しかった。
さらに言うと討ち入りで味方が誰も死なないというか殺陣がほとんどない。挙げ句に、シルバーサムライが終盤の殺陣で戦う前に爆死
という完全に『ウルヴァリン:SAMURAI』の方が面白いと断言できる形になった。
正直に言いますが、始まって10分で早く終わらないかなー?って思ってました。
早く終われー。見なきゃ良かったー。そんな気分です。
まぁーそりゃこっちは日本人ですし、柴崎コウの着物が、斬新を通り越して、これ異文化過ぎじゃね?日本じゃないよって思ったり。
菊池凛子って本当になんなの?
吉良さんもなんなの?
て感じで、面白い面白くないの前にこの映画一体なんなの?理解できないというものだ。
まぁーさ。海外で評価が高ければ、別になんでも良いと思う。日本向けの映画では決してないと思うし。
あと将軍がなんか天皇っぽくて変な気分だった。鎌倉時代とかの方がおれは納得できそう。
その根拠はうまく言えないのだが…。
とりま穴蔵に落としてなんで出されたの大石?普通そのまま殺されねえ?謎多すぎるわ。
あとカイとミカの恋愛の話。これをもっと主軸にしてくれると助かるというか、カイの要素はファンタジーと異国さと恋愛。むしろ無くても楽しめる…。
というかハイブリッドに失敗しているとしか思えん。もっとおもしろくなるだろ…。
カイとミカの関係は「生まれ変わっても君を探す」の件、せめてフューチャーできなかっただろうか?最初から最後まで表面で着飾った中身のない映画に見えた…。
得点
物語 3/10…致命的にダブル主人公が微妙。復讐劇としてぼちぼち。
キャラクターの魅力 4/10 真田広之の演技は良かったが、全体的にぼやぼやしている。
監督の映像や俳優への演出やビジョン 5/10 スタイリッシュなファンタジージャパンは良い。
音楽 6/10 途中ドラマ性よりも音楽が目立っていた。血判のシーンは良い。
俺の趣味 2/10 帰りたくなったが、タランティーノの言葉を思い出した。
(「どんな映画にもワンシーンだけ絶対面白いシーンは存在する。そのシーンがおれは見たいんだ。」)
監督がデビュー作と考えてもなー。もっと面白く出来たと思う。キアヌ・リーブスも出演作品が全然なくて気がつけば『イルマーレ』以来の劇場で見た映画になったというか、あれ以来見かけていない。また『マトリックス』のような映画に出てくれないものか…。実際かなり仕事がないようだ…。
34点
見ないでも後悔しない映画。DVDで見たらもう少し楽しかったかも。
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