「見づらい映画だが、中身はある問題作。」
出演
サンドラ・ブロック
(『しあわせの隠れ場所』『スピード』『あなたは私の婿になる』)
予告編
あらすじ
2001年9月11日アメリカの北東部の経済の中心地ニューヨーク。ワールド・トレードセンターに飛行機が体当たりしたことにより、そのビルは崩壊してしまい、その犠牲者の1人にオスカー・シェルの父親トーマス(トム・ハンクス)がいた。
父が亡くなってしまい残されたオスカーは、父からの事件の最中の電話に怖くて出ることが出来なかったことを後悔し、父が死んだことにより家族の心に大きな傷があるのを実感し、また自分自身も感情の行き場に押しつぶされそうになっていた。
1年後。
オスカーは父親のクローゼットにツボを見つけそれを破壊してしまうのだが、そこから鍵と「ブラック」と書かれたメモを発見する。
それは父と生前に行っていたニューヨーク探検ゲームのヒントのように思えた。
父が途中で死んでしまいゲームは途中で終わってしまっていた。
このヒントをもとにオスカーは一人ニューヨーク中を駆け巡り、この鍵にあう鍵穴と「ブラック」にあてはまる人を探す冒険を始める。
そして向かう人向かう人は皆、911で心に傷を抱いていた…。
2012年7月5日鑑賞
感想
メジャー作品として大々的に公開されたが、おれからいわしていただければ、超問題作。
まぁアメリカで絶賛された小説の映像化なんだけど。
舞台は911から一年がたったNY。
主人公は、911で父親を失った少年で、アスペルガー症候群の疑いがあるわけ。
そんな彼のモノローグで描かれた物語で、あまりにも早口で喋りまくるし字幕追うと映像全く見れないので吹き替え版にして見た。
主人公が人の気持ちを考えられない天才なわけで、そこから父親とのゲームを再開させ、自分で、父親のヒントを模索して、作り出した道筋の中で、NYの911の犠牲により傷ついた人々の気持ちを紡いでしまうという物語。
しかし主人公のあまりにも自己中心的な行動に、少し苛立ったり、冒頭の時間軸がめちゃめちゃだったり、結局サンドラブロック映画の感動的な部分を全て持っていったり、映画の出来はそんなによくない。
特に911の描写が少なかったり。
また911について考えさせられたり、そもそも映画は何を描きたかったのかがいまいち明確になっていなくて、むしろそこが良いのかもしれないが、原作の小説だから許せることと映画だから許せないそんなギリギリのラインが失敗していて、問題作でしかなかった。
カンヌとか出せばグランプリじゃね?
本だったら大傑作だな。ちと長かった。
ちとここから違う日に書いた文章。
↓
911の怒りの矛先で戦争が起きたという史実が、この映画内では全く描かれていない。
社会背景を全て取り除き、ニューヨークに住む人の心の痛みを中心に描いている。
それを一人のイカレタ少年が紡いでしまうというかなりエキセントリックでありながら素晴らしい物語がやはりどこか心を撃つ。
またその過程で、オスカーの家族の再構成がさりげなく行われたり、また母の愛は偉大的な展開にもなるわけで、それでも序盤や終盤ではオスカー自身が父の死をないがしろに扱ってしまい、それがトラウマになっていたりしているわけだが、それを本で読むなら確実に感慨深いものだと思う。
だが映像化すると少しどっちらかってしまい、脚本にまとまりがなくなっている。
しかも何故『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』というタイトルになっているかが、映画を見るとわかるし、納得もできる。
それはまさしく本であるということに価値があると思う。
読んだことは無いが原作は、確実に傑作だと思う。
また911を描くにしては、11年が経った今でもまだどこか距離感がある。本当の911の痛みがこの映画ではちと浅いような?
まぁー映画が911に向き合っていたかは怪しいものだ。
それでもタブーに突撃したという意味では価値がある。映画的には、感動とうも出来なかったかなり挑戦的だと感じた。アメリカとしてメジャーでありながら文芸映画のような醍醐味があると思うが、映画自体にまとまりが物足りないので、評価は低めが納得できる。
得点
6点
本だから許せるもの。例えばオスカーの特異的な性格、いや完全にアスペルガー症候群。文脈の面白さも映像にすればなんか違うというか好感を持つのも難しくなるように感じられる。
もっと映画の焦点を絞り込めていれば、もっと上の感動が体験出来るような作品なのだと思う。
全てが中途半端で、もったいないの一言がピッタリの映画かな?
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原作本。Blu-rayと値段変わらない。(笑)
何より私小説でなく、小説という作り話なのがなかなかやばいと思う。
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