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◯【Netflix映画:76点】ROMA/ローマ【映像全てが美しい写真のよう】◯

製作

2018年メキシコアメリカ映画

監督

アルフォンソ・キュアロン
ゼロ・グラビティ
・天国の口、終りの楽園。
トゥモロー・ワールド
・ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

あらすじ

1970年初頭のメキシコのメキシコ・シティのおそらくノルテ・ローマ地区。
ここに住む中流階級の家族の物語。
この家には妻の大学で生物学教授をするソフィアと夫の医者のアントニオ、ソフィアの母親のテレサ、
そして息子の3人と娘1人の大家族。(末っ子が多分キュアロン)
その家政婦をしている有色人種のクレオとアデラ。

クレオはこの家で家政婦として、子供達の世話や料理、洗濯などをアデラと協力して行っている。
休日はアデラとともに出かけ、そこでアデラの彼氏のいとこのフェルミンと出会い、恋に落ちる。

しかし家ではソフィアとアントニオの関係に変化が訪れる。
アントニオの長期出張のおり、ソフィアは彼に抱きつく。
数週間後にアントニオは帰ってくるというが、彼はもう帰ってこなかった。

またクレオにも変化が訪れるフェルミンとの子供を授かったのだ。
しかしフェルミンはその知らせを聞くといずこかへ消えてしまうのだった。
取り残されたフェルミンをソフィアは受け入れ、家族とクレオは支えを失いながらもたくましく、
子供達と向き合って行く。

2018年11月2日劇場鑑賞111本目




第31回東京国際映画祭行ってきた!

毎年お馴染みの六本木ヒルズ限定上映の劇場公開保証なしの限定公開の海外映画。
今年は、根気よくローディングしてたら誰かが買うの失敗したチケットをゲットォ。

買ってから知ったけど、配給権利をNetflixが購入したから劇場公開予定なくて12月に配信スタート予定。
ということで、プレミアム上映過ぎる上映に参加してきた。

まぁでもネットでは上映予定があるとかないとか色々あるようですが、
サミュエル・L・ジャクソンとライアン・レイノルズ共演の『ヒットマンズ・ボディーガード』は
劇場スルーで配信されただけで、Blu-ray化の話も聞きません。(まぁ当初から劇場スルーされた可能性はあるけど)
Netflixオリジナルドラマのデア・デビルなどのディフェンダーズシリーズは、Blu-ray化まで1年以上あったと思うし、同様に『ストレンジャー・シングス』も同じ。

Netflixは今後の展開が気になる。

しかし本作『Roma/ローマ』は劇場鑑賞すべき映画だったのかもしれないなぁと思うのです。

あと字幕が日本語は右端、英語が正面という日本の映画祭なのに日本語が優先じゃないクソ仕様。
まぁ日本語は縦でも読めるからいいけど、非英語映画だからって。。。
あれが仕様なのかな。。。。

感想

プレミアム上映見れてラッキー

全く前情報なしで、アルフォンソ・キュアロンの新作ということで、見たいなぁと思い、
運良くチケットをゲットしたので、夜の六本木で鑑賞してきました。
小型のスクリーンだけど、始まってびっくりするぐらい映像が綺麗でくっきりしてて、本当にびっくり。
しかも冒頭から微かな環境音が劇場に響き、セリフはなく、日常の一部を切り取ったような生々しい環境音が響く。
その音へのこだわりが滅茶滅茶冒頭からすごくてね。
これ家で見たら、わかんないんじゃないかな?という情報があって、すっごい情報量の多い映画で、
まぁそれがこの映画の全てではないんだけどもね。

劇場じゃないとダメなのかも?

映像が、近年稀に見る綺麗さで、終始パンフォーカス状態。
CGのようなダイナミックさはなく、あくまでも映画の基礎的な撮影テクニックで、
手持ちよりも定点。
それでいてその定点でものを言う、映像の構図や奥行き、もう圧倒的な奥行き!
それをシンプルな家族の日常を描き、得意の長回しで映画を構成する滅茶滅茶野心的な作品。
しかも無名俳優を揃え、主人公を家政婦の馴染みのないメキシコ人に据え置き、言語をスペイン語。

それもそのはず、本作はキュアロンの幼少期の時代と家族の姿を描く自伝的な映画。
宇宙飛行士になりたいキュアロンが末っ子として登場。

パーソナルで野心的で興行とは全く無縁に、キュアロンの撮りたいものを撮りたいように撮った
純度100%の私小説自己満足映画。

映画音楽もなければ、シンプルな家族のいざこざ。
日常に垣間見られる奥ゆかしい面白さや、
ちょっと違和感のある日常に潜むおかしな事態。

オフビートとも言える、間延びした作品。
静か過ぎる日々。

むしろむしろ映画館でだから最後まで観れた、耐えて鑑賞できた。
些細な音に耳をすまして心洗われた。

じゃあこれを家で鑑賞したら、どうなんだろうか?
自分は本当に最後まで観れたのだろうか?
結構不安になる。
高いお金を払って映画館という場所で集中して鑑賞したからちゃんと観れたのかもしれない。

そう思う節は結構あるんですよ。

キュアロンの撮りたいものを撮りたいように撮った映画

前述の通り、メキシコのメキシコシティを舞台にし70年初頭を描いたわけで、
多分映画のタイトルはこのメキシコシティの地区の名前ローマからきていると思われる。
それか主人公のクレオ、そして妻のソフィアを中心に描いているのでラテン語のローマ、女性を形容する言葉からきているのではないか?と勝手に想像している。配信限定だとその辺りが全く謎だな。

監督の作品は、無意識に『ハリポタ』は観てて、映画ファンとして覚醒してから『トゥモロー・ワールド』で心奪われ、『ゼロ・グラビティ』では唖然。
そんな監督の最新作が本当に私小説というか、地味な人間ドラマで、もう何も知らなくて見て退屈でびっくりしたわけですがね。結構シュールな展開が多くて、謎の侍武術や犬のうんこネタなどなど、
シュールなところや地味な人間ドラマという部分ではウェス・アンダーソンちっくだったなって思う。

映像が全部著名な写真家の写真かよ!?ってぐらい素晴らしい

ちょっとした日常を構成する映画なのに、それをもう映画監督としての才能、フィルターを通してみると、
こんなにも見応えたっぷりになるのかと思う。
全体的には日常なんだけど、ショット一つ一つが面白く。

でも合間には広角を生かした独特なロケーションやシュールなシーンがあって、
監督の思う映画として追い求める描写が本当に際立ってて、まじですごかった。
解像度も滅茶滅茶高くて、白黒だけどそんなに気にならず、退屈で間延びしているシーンも
くっきり鮮明な物を細かに見ることで夢中になってしまう。

大掛かりな展開ももちろんあり!

地味かと思うけど中盤から後半にかけてもかなり凝った映画的展開はある、
序盤の街並みの喧騒の車での移動ショットもすごい豊かだけど、(ここはドリーのようです。超長いドリー)
中盤での親戚の家での大晦日パーティーでの獣の着ぐるみや山火事、そこからの畑も美しい。
そして運動場でのシーンと後半の学生運動の政府との対立など民衆がわっと出てくるとこもあるし、
その後の病院のシーンでの息する暇もない一連のショットは見応えたっぷり。
そして終盤でのポスターにも出ている海のシーン。
これがめちゃめちゃすごくてやっぱりドリーっぽい感じなんだけど、全然カメラが水飛沫を受けないのに、
海まで一連で撮っていく。
これも本当にすごくて、もうすごいんです。どうやらクレーンだったみたい。
話は全然ぴんと来なかったけど、まるで偉大な料理人はどんな材料でも美味しいものが作れるんだよ。
みたいなそういう圧倒的な力を見たような気がします。

あと宇宙飛行士のシーンもあって『ゼロ・グラビティ』を彷彿。しょぼいけど。
映画館のシーンとかすごかったなぁ。

邦画でも結構こういうのあるなと思った。

こういう地味な人間ドラマと攻めた映像は、特に日本の映像作家でインディー映画では多かった気がする。
でもここまで攻めた映像が積み重なっているものはそうそうないかもしれない。

情熱的な映像と情熱的な70年代の再現。それは音も含めて。
そういった愛情が全開の映画だが、
そういった作家性が強くて、『2001年宇宙の旅』『ダンケルク』などに似ていたなと思った。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 5/10
・映像のアプローチ 10/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 9/10

76点

時代の節目になる映画なのかもしれない。

どうなんだろ。撮影と演技は賞レース絡んできてもおかしくないクオリティだと思うんだが。
全く無名の女優がどう賞レースに絡んでくるか気になるけど。
ただ言語が英語じゃない分、アカデミー賞とかはどう扱うのか、はたまた映画館で上映予定が未定なのも含めて、
映画としての節目としてこの映画の扱いが、新たな節目なのかもしれない。

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