★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2002年フランスドイツポーランドイギリス映画
ユダヤ人視点での
ナチスからの迫害を追体験できる映画。
監督
ロマン・ポランスキー
・チャイナタウン
・ゴーストライター
・テナント/恐怖を借りた男
・おとなのけんか
出演
エイドリアン・ブロディ
・グランド・ブダペスト・ホテル
・ミッドナイト・イン・パリ
・デタッチメント 優しい無関心
・キング・コング
あらすじ
1939年9月ヨーロッパの中央にあるポーランドの首都ワルシャワ。
ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)はワルシャワのラジオ局で専属のピアニストとして働いている。
ワルシャワはナチスドイツによって侵攻を受けていた。
ラジオ局は爆撃され封鎖。
帰宅したシュピルマンはドイツに対して宣戦布告するイギリスとフランスの同盟軍の知らせを聞き、戦争は早期終結を予期させた。
しかし数ヶ月後、ワルシャワはドイツにより占領される。
ユダヤ人はナチスドイツにより迫害の対象になり、ユダヤ人家族のシュピルマン一家は、ダビデ星の腕章をつけ、時に警察官やドイツ軍から嫌がらせを受けるようになる。
1940年11月、シュピルマン一家はついにナチスから家を奪われ、ワルシャワゲットーで隔離されて他のユダヤ人家族とともに生活を送るようになる。
どうにか生き延びてきたシュピルマン一家だったが、その迫害はより強くなり、財産を失い、食料もなく、餓死する人々もいる。
ある日シュピルマン一家は強制収容施設に移設さられることになるが、シュピルマンの知り合いの特殊警官に救われ、シュピルマンは1人生き延びた。
しかし行くあてのない彼はまたもゲットーの強制労働施設で働くのだった。
2019年5月24日自宅Blu-ray鑑賞 2019年47本目
感想
2019年6月9日時点では、IMDbTOP250の中で38位で8.5/10と非常に高い評価を得ている本作。
見るのはDVDを新作レンタルして以来だと思うからおよそ16年ぶりと自分が中学生ぐらいに1度鑑賞した映画。
ブログ運営に際しての企画としてのIMDb250を全部見て感想書いてやろう!シリーズにおいて、Blu-rayソフトを購入しての再鑑賞。
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感想当時は酷かった。ぐらいしか記憶になかった。
2002年のカンヌ国際映画祭でパルムドール受賞作品で2002年のアカデミー賞の監督賞、主演男優賞受賞作品。
実在するポーランドのピアニストのシュピルマンの第二次世界大戦当時の体験記を原作として映画化した本作。
あまりにも不条理な悲劇の連続にナチスドイツへの恐怖と悪を痛感する。
しかしこのシュピルマンを最終的に救ったのが、ドイツの将校という皮肉もあるため、
一概にナチスドイツ全てが悪とも言い切れない。
戦争の渦中にある価値観の影響下に置かれた人間の理性を失った行動の悪というか、不条理を行う人間の悪というものを垣間見る。
あまりにも壮絶なシーンの連続すぎて、むしろ現実味がないが、
実際にポーランドではこういった悪夢が終始続いていたのだろう。
映画的には、やや面白みに欠けると思いきや、
後半でうっかりポーランドのゲットーの反乱軍とナチスドイツの反乱時に巻き込まれて屋根裏あたりから脱出を図るシーンの
ゲームのワンシーンのような恐ろしい脱出劇の連続、
そして火炎放射器などの重火器や、荒廃した住み慣れた地域をさまよう姿に、ただただ絶望してしまうほど、
ロマン・ポランスキー監督の虚無感への巧みに誘う、映像感が見事。
基本的には繰り返される迫害の数々のドラマ映画、時に救いの手もあれば、さらにひどいことも連続する。
その合間に広がる戦火。
大規模な戦いはなく、ちょっとしたギャングの抗争のような銃撃戦を描き、無理はしないスタイルが見事。
しかしそのやりとりはなくしても、
映像感的な広角での戦火の結果の廃墟の町並みや、
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無数の死体の構図など「ハッ」とさせるショットを巧みに織り交ぜており、
物語としてよりも監督の手腕を感じさせる作品。
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16年間の歳月が経ち色々な映画が生み出されてきた結果、少し陰りのある映画ではあると思うが、
屋根裏からの脱出劇と足を挫きボロボロになりながら廃墟をさまよい、ドイツ将校に出会いピアノを弾く一連の流れの
緊迫感とピアノ演奏の雄大さと命のやりとりの緊張感が非常に見事だったなぁと思う。
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どうしても同様のテイストの映画とすると自分は『シンドラーのリスト』の方が見やすいなと思うが、
こっちは静かで枯れ果ててもっと惨たらしく絶望的でありながらも映画的なパワーのある一本だなと再確認。
しかしBlu-rayを購入したが、もう一度見ることはあるのか?
エンドロールにも工夫がされていて面白い。
見えてこない歴史
この映画のもつ違和感って、歴史を描いた映画でありながらあくまでもシュピルマンの視点での地獄の戦時下を描いた作品で、
当時の歴史的な何かが全く見えてこない。
実はあの時には、こういう歴史的な何かがあって、とかそういうのは一切なくて、
そこに立ち会ってはいるが、それを英雄的な何かとしてではなく、1人の市民として恐怖するのみという、
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英雄譚もクソもない戦争に巻き込まれた人間の弱さだけを忠実に描く本作。
映画としては胸熱の展開など一切ない、
ガンダムの次回予告を思い出す。
君は生き延びることができるか
違和感のある言語
ポーランドは公用語がポーランド語であるにも関わらず劇中は英語を公用語として進み、
ドイツ人にはドイツ語を話しかける作品となっていて、ちょっと違和感。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6.5/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 7.5/10
・上映時間と個人的趣味 6.5/10
72点
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