「壮大な兄弟喧嘩!」
2011年アメリカ映画作品
出演
トム・ハーディ
(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』インセプション』『ダークナイト ライジング』『レヴェナント: 蘇えりし者』)
ジョエル・エドガートン
(『ザ・ギフト』『ブラック・スキャンダル』『エクソダス:神と王』)
フランク・グリロ
(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『ディス/コネクト』)
ケヴィン・ダン
(『トランスフォーマー』)
日本未公開男泣き映画
監督は無名だが、主演にトム・ハーディ、助演にジョエル・エガートンを迎えた。
総合格闘技の映画。
全米で2011年に公開し、批評家からの評価も高く、個人的に注目していた一本だが、全く日本で公開もDVD化もしないという異例の事態だったが、全米公開から4年後の2015年に限定公開。
その後Blu-ray化。
まさか4年もかかるとは思わなかった。
当時はトム・ハーディの主演映画『マッド・マックス』が劇場公開されたので、それでようやく日の目を見たのだろう。
限定公開が平日の夜だったりしたので、見に行けなかったのが非常に歯痒かったのを覚えている。
1回目は、ブルーレイをレンタルして見たのだが、あまりにも王道なストーリーと王道なドラマと王道な格闘技で、普通に面白く、普通に泣いてしまった。
この劇場を意識した終盤の大盛り上がりは絶対劇場で普通に公開してくれれば、普通にヒットするに違いない内容なのに、公開にもDVD化にも手ぐすね引いた配給は阿保。
というわけで、遅咲きの俳優ジョエル・エガートンの監督作品『ザ・ギフト』を鑑賞して、まともなジョエル・エガートンを見たいと思い、廉価版も出ているしせっかくだし『ウォーリアー』のBlu-rayを購入。この作品以外のジョエル・エガートンがだいたい悪いやつで芋っぽいんだよね。
今作は、街に戻ってきた弟のトム・ハーディと子供が病気になって治療費が払えないので、格闘技をすることになったジョエル・エガートン。
共に格闘技を父に教えてもらっていた二人だが、ある日を境に別々の道を生きてきたのだが、二人は格闘技を本格的に再開することで、再会への道程が紡がれていく。
そんな訳あり家族に、訳ありの弟と地味な兄の再生と格闘技の物語。
訳ありの弟を演じるのはトム・ハーディ。
本当に訳ありでかなり寡黙。さらに戦い方も一発で対戦相手をKOしてしまう狂犬ぶり。
まるで自身の中の怒りと悲しみを全て拳に込めるような戦い方。
対する兄は年老いて体も動かず、じっくりチャンスを狙ってここぞという時に寝技を決めて敵に降参させるスタイル。
格闘家として二流の二人なのだが、総合格闘技のチャンピオンシップに運良く出場するわけです。
話はかなりベタ。王道を極限まで突き進み、演出もやや過剰。
テレビ番組のハイライトを流用する演出で、映画の時間を感じさせない疾走感ある作品にもなっているとも言える。
とりあえずすごいのがトム・ハーディの肉体と野犬のような戦い方、さらには悲しみを内包したような表情と彼の壮絶な過去。
何も知らずに娘の治療費のために奮闘するジョエル・エガートン。
このジョエル・エガートンもまた教師として教え子や家族が応援する華やかさ。
極限の高揚感と全く違う二人の立ち位置。
しかし崩壊した家族として、ボロボロになった父という微かなつながりと因縁。
その二人の心の再生は、もちろん映画のラストである総合格闘技の決勝戦で描かれる。
このトム・ハーディの姿がめっちゃ泣ける。
高揚感も凄まじいが、トム・ハーディとジョエル・エガートンの兄弟の再生が本当に泣ける。
絶対的な悪はいない作品で、葛藤も弱いが、感動的でエキサイティングで、熱い。
トム・ハーディの演技が非常に印象的で、筋肉の内包する底知れない怒りと悲しみは、素晴らしいの一言に尽きる。
最後の最後で兄であるジョエル・エガートンの底なしの愛情もまた涙腺を崩壊させる。
崩壊した家族の再生を見守ることしかできない父の姿がまた泣ける。
本当にいい映画なのでオススメです。
得点
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 8.5/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8.5/10
78点
Blu-ray買った数日後にNetflixに追加されたけど、面白い映画だからいいや。
おすすめです。
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