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◎はじまりのうた 77点「軽快でポップだけど皮肉たっぷり。」◎

「マルーン5が昔好きだったのに、今はどうでもいい理由がわかった。」

はじまりのうた
アメリカ2013年アメリカ映画アメリカ

2006年に『ONCE ダブリンの街角で』という凄まじく観客と評論家の評価の高い映画の監督の2013年の作品。
『ONCE ダブリンの街角で』と本作『はじまりのうた』は同様に音楽を扱った映画だ。
前者はミュージシャンが主要キャストを演じたのに対して、今作では俳優がミュージシャンを演じる。
その主演を演じたのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのヒロインのキーラ・ナイトレイだ。
ただ脇を固める俳優として、主人公の元彼で、ミュージシャンとしてマルーン5のフロントマンのアダムが参加。
また映画の製作の舞台をアイルランドからアメリカのニューヨークに移した。
・あらすじ
映画のあらすじは、アメリカの映画音楽を担当し、大手レコード会社と契約してデビューが確定した彼氏と一緒にアメリカにやってきた主人公のグレッタ(キーラ・ナイトレイ)。
グレッタもまた、音楽を作る、しかも天才的感性を備えており、前から彼氏の音楽を共同で製作していた。
だが、アメリカに来て、彼氏は浮気したため、別離。
故郷に帰る前に、ニューヨークのバーで一曲歌ったことで、昔最高の栄誉を手にれた音楽プロデューサー、現在は、才能のあるミュージシャンに出会えず、ニート状態のダンに才能を発掘される。
二人はレコード会社に契約を迫るが、デモ音源がなく、それはできない。
天才プロデューサーのダンはスタジオ録音する金もないので、路上で録音して、いっそアルバムを作ってしまうことを決める!!
ダンとグレッタはNYの至るところで、録音を始める。
というのがあらすじ。
・ショウビジネスで生きるとはこういうことだ。
アメリカというショウビジネスの大産地にやってきたグレッタとマルーン5のボーカル。
しかしショウビジネスの悪魔に心を掴まれたマルーン5のボーカルとグレッタは仲違い。
でも才能のあるグレッタをほっておくことはしなかった。
拝金主義とは真逆のとことん無料でアルバムをしかもアメリカのショウビジネス界の一つNYで生み出す。
物語は、振られた女の再起をかけた物語に思えるが、それ以外にも垣間見られる。資本主義社会で生きることとはこういうことで、それは全然よくないことだと投げかけている。
それを体現するのが、マルーン5のボーカルのアダムさん。
最初は同じ夢を見てたグレッタとアダムさん。
でもアメリカに来てからアダムさんは付き合って頃から違う存在へと変わってしまう。
だが、そんなアダムさんに地面を足につけられるのは、グレッタさんだけだったというわけだが、グレッタさんは私たちの音楽を取り戻してというわけだが・・・。
主題とは違うように思えるが、ラストにこの展開を持ってくるので、本作の主題はここなんだろう。
アメリカにきて、映画を撮って思ったことはまさにこれなんだろうな。
ショウビジネスで生きるつらさは?
映画は、ショウビジネスを否定的に捉えていたが、そこで戦って戦って何かを失いつつもアイコンとして生きる。
そんな人間を狂っていると皮肉るように思えるのだが、むしろそれは一方的過ぎるように思えた。
そこにも寄り添ってほしい。
POPスターはつらいよぐらいの気持ちが共存してくれたらよかったのに。
また本作の一番強く印象に残ったのが、マルーン5のボーカルがそれを体現すること。
デビューアルバムを聴いたときは、すごい好きだったのに、今のマルーン5はどうでもいい。
最初はロン毛でがりがりだったのに、今はショートカットでくねくねしてて、ポップスター化してしまってる。
まさに役柄を体現してはまっている。それを自ら演じるんだから、面白い。これこそ贖罪か。
フラッシュバック方式って必要?
映画の構成として、時間軸が3回ぐらい過去に戻る。いわゆる回想形式。
それって必要?
僕は映画は基本、話が進む形式が好き。話が気になっちゃうから。
そんな過去の話はだいたい想像できるんだよ!!ってなっちゃう。
もっと効果的にモノローグ形式で戻るとかならわかるが、ドラマ映画で前置きなしに唐突に回想始まるのはあんまり好きじゃない。
キーラ・ナイトレイの才能が異常じゃない?
凄まじい才能の持ち主としてでてくるグレッタだが、その信憑性を感じない。
軽快なテンポとテンションで描かれる人間ドラマ
とここまでここがおかしいよこの映画と、辛く当たっていたが、映画のノリはかなり軽妙で、人間ドラマとして、ダンの崩壊した家庭がアルバム作成を通して再生していくあたり、メインタイトルのbegin againに連なる。
また心に傷を負ったグレッタの立ち直りもアルバム作成を通して描かれるので、ぴったりだ。
そんな心の温まるドラマ映画でもある。
絶妙な距離感がいい。
映画ではまるで、ダンとグレッタが恋に落ちるように思える。
のだが、それが絶妙に違う。
映画はダンの家族の再生が描かれているので、グレッタはそれも相まって踏み込んでいない。
さらにグレッタとダンがお気に入りの音楽を聴くシーンなど、このデートが終われば結ばれるのが自然だというのに、二人は距離感を維持するのがいい。
このアダルトな人間描写がすこぶる良かった。
絶妙でしたよ。
メモ得点メモ
物語の面白さと上映時間 7.5/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 8/10
キャラクターの魅力 7.7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 8/10
音楽 9/10
俺の趣味 7.3/10

映画見たら原宿のカップケーキ屋の引換券貰ったんで、帰りに買って食べました。
クリームが液状というより個体でボリューム満点だったけど、そこまで甘過ぎず美味しかったですぅ。
77
キーラナイトレイの絶妙な顎の出かたがきになる。

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