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◯【67点】サマー・オブ・84【解説 考察 :皆家に帰れば知らない人】◯

サマー・オブ・84

製作

2018年カナダ映画

隠れた良作
レンタルで見つけると嬉しいタイプの映画

あらすじ

1984年夏のアメリカ北西部のオレゴン州の
ケープ・メイでは
子供の行方不明事件が多発していた。

この街に暮らす15歳の少年デイヴィーは
父が地方の新聞記者だ。
彼は夏休みの期間を利用して新聞配達している。

夜は並びの住宅地に住む同級生のオタク仲間の
ウッディとイーツとカーティスの4人でいつもつるみ、
夜は近隣の同級生たちとグループ鬼ごっこをしていた。
その最中、デイヴィーは
隣人の人気者の警察官のマッキーの家に
見ず知らずの子供がいるのを目撃。

デイヴィーは以前から
彼が最近起きてる連続殺人事件の
犯人ではないかと疑っていた。

仲間たちにそのことを話し
当初疑っていたが、
不審な点もあるため、
4人は協力して彼を監視して
彼が犯人である証拠を見つけようとする。

2019年8月13日劇場鑑賞 2019年64本目



カナダからも80年代ティーン映画やってきた

2018年8月に全米公開した本作が
2019年8月にも日本で公開。

この手の映画っていつもDVDスルーで
たまたまレンタルして鑑賞したら
結構面白かったぁってなる記憶すっごくあって、
そういう映画を劇場で見るのって変な気分。

監督はRKSというトリオで
2015年『ターボキッド』を監督した人たち。
自分は見てないのでなんとも言えない。

とりあえず思ったのが、
カナダでも近年の80年代リバイバルブームに
乗って映画製作するんだなと。

根底にあるのってやっぱり
『ストレンジャー・シングス』だと思うが、
さらなる元ネタは『グーニーズ』とかも
あるかもしれない。

そんな84年という時代をギミックとして、
デジタルにはないアナログな
小道具を多数揃え物語を彩る。

隣人は外ではいい顔でも家に入ってしまえばどんな人かわからない。

連続殺人鬼も誰かの隣人だ。
というキーワードも見事だけど、
劇中で語られるこれも納得してしまうこと。
本作は内と外のペルソナをもとに、
アメリカ郊外の新興住宅地を舞台にし、
その密集した地域の独自性と
サスペンスを巧みに織り交ぜた点は
面白いなと思った。

徒歩3分圏内で一緒に育った
彼らの一夏の大冒険。
15歳という思春期の中、
それぞれが友人として
最高な時間を送ろうとする中、
それぞれが彼らの前では仮面をつけ、
家に帰ればまた違う現実に打ちひしがれたりする。
その中での外では人気者の警察官が、
家の中ではシリアルキラーかもしれない。

主人公暴走捜査ものとしては
手堅いが類似映画は『ディスタービア』か。

しかしそれよりも不安定な内情を隠し、
青春を謳歌しようとする少年たちの
バランスがえぐい。

その近年のティーン映画の
甘酸っぱさ押しキャラ魅力よりも、
サイコロジカルサスペンスとしての
バランス感覚が映画として秀逸か。

結局のところ主人公の想定通り
警察官は犯人だったわけだが、
そこからは本作の独自の
バッドエンドが繰り広げられる。

後味の悪さは『セブン』に近く、
少年たちの一夏の冒険は、
まさかのパンドラの箱の開封だった。

ずっと続くとか、
過去の栄光とかで成長後の
思い出なんて安いカタルシスは与えられない。

絶対的なパワーバランスとは何か?
シリアルキラーとは何なのか?
子供探偵団VSシリアルキラーの顛末は、
隠れた良作を味わったような面白さ。
こっそり見てない人に
「この映画面白いからオススメ」と
言いたくなるような。
そんな良作サスペンスだった。

のだが。

作り物の1984年がきつい

映画としては、丁寧すぎるというか、
最後の現実だったら冒険譚のように
綺麗に終わることは許さないよ。
という大人の論を描いて面白いが、
それ以外は既視感が強い。

例えば『ディスタービア』、
ちょっとマッドだが
『アンダー・ザ・シルバーレイク』とか、
主人公暴走捜査ものは
ちょっとマンネリ化している。
挙句に別に面白ショットがあるわけでもなく、
地味に低予算でまとまっている。

特に改めて思うのが、
84年の偶像感がずば抜けて高い。
プロダクションデザインが
そこまで優れてなかったのか?

地味すぎる。
この後見た『存在のない子供たち』の
ロケーションのパワフルさに比べると、
物足りなさすぎる。
84年という舞台のセットでしかなく
リアルがなく感じた。

使っている小道具などに
そういった要素は盛り込まれているが、
それもなんだか飽きてきた。

もっと突き詰められなかったのか?
カナダ映画だからなのか?
結局のところ近年のブームに巧みに乗って、
シナリオにひねりを加えた亜流映画という所感。

でもあのオチ、
アメリカの倫理違反とかに
ならないのか心配になる。
主人公のその後の人生を描いたような
『IT』の大人編にそのまま繋がりそう。笑

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.3/10
・映像のアプローチ 6/10
・映画の美術面 6/10
・キャラクターの魅力 7.4/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 6.5/10

67点

レンタル

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his0809
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