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☆大人は判ってくれない 2011年度116本目☆

トリュフォーの誕生日なのでアクセス数狙って、再アップ。(苦笑)
「反抗期オペラ」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-大人は判ってくれない

フランス1959年フランス制作フランス
監督
フランソワ・トリュフォー
(華氏451)
予告編

牛乳あらすじ牛乳
1950年代の初頭、フランスのパリにアントワーヌ・ドワネルという12歳の少年がいた。
彼の学校での出来事。
アントワーヌは、教室の隅で懲罰を受けていた。愚痴をこぼしながら落書きをしていると鬼のような先生に見つかり、更に課題を強いられるのだった。
家に帰ったアントワーヌが待っていたのは、母親の指示による家事だった。
それもこなし、父親の帰宅を楽しく過ごし、父と母の口論に嫌気を感じながら床に就くのだった。
そして翌朝寝坊をしたアントワーヌは、宿題をしていなかったことを思い出し学校に行きたくなかった。
急いで登校していると親友のレンスに出会い、彼の提案で今日は学校をさぼることにした。
レンスと普段行く事できない娯楽施設の数々や、タバコを吸ったりとするアントワーヌ。
だが、途中で母親の浮気現場を見てしまうのだった…。
そしてアントワーヌの生活は少しずつ荒み出してしまい、しまいには家族からも見放され始め…。
2011年12月12日鑑賞
牛乳感想牛乳
ヌーヴェルヴァーグを象徴する映画監督フランソワ・トリュフォーの初の長編映画作品にしてカンヌ国際映画祭に出品して監督賞を受賞した偉業の作品。
本作はフランソワ・トリュフォーの自伝的作品であり、「アントワーヌの冒険」という5部作における1作目である。(いずれも俳優はジャン=ピエール・レオ)
正直このことについては、今さっき知ったわけで、見た時は何も知らなかったわけです。
フランソワ・トリュフォーについては、この映画は知っていたものの他には『華氏451』しか知らなかったわけで、正直言えば、『ヌーヴェルヴァーグ』の意味もこの時まで忘れていたりする。
元々映画雑誌を発行する程の映画好きで読書好きのトリュフォーは、かなりのブラックな批評をしていたようだが、短編の映画を製作し好評され、そのまま長編を作った結果。傑作になったらしい。
映画は本来映画会社に入り、そこで助監督してこき使われまくって、出世して映画監督になるのが、これまでの映画の監督への道だったようだが、トリュフォーはライターというか評論家から転向してそのままルールに縛られることなく映画製作を行った。
このようにして映画を監督しだした動きをヌーヴェルヴァーグというようだ。
またこのヌーヴェルヴァーグには、『勝手にしやがれ』で有名なゴダールも入る。
どちらかと言えば、アート傾向に傾倒しているとも思えるが、この『大人は判ってくれない』は、そこまでアート傾向でもなく、トリュフォー自身の回顧録とも思える程、トリュフォーが抱えていた幼少期の悲しみや怒りや不満などを爆発させたような内容になっている。
しかしそれが普通に誰しも当てはまる普遍的な悲しみを描いたノスタルジーに満ちた内容であるわけです。
反抗期オペラ
舞台は、50年代のパリ。この時点で2011年を生きている自分には、なかなかの斬新さがあるわけで、また映画もアメリカ映画ばっかり見ている自分にはかなり新鮮な展開。
その小学校で不良少年としているのがトリュフォーの生き写してあるアントワーヌ。
不良ではあるものの文章に対して情熱があるのは確かだが、『大人』という価値観によりその個性を引き出されぬまま、不良というレッテルを貼られ阻害されていくアントワーヌ。
辛い日常をどうにか生きようと子供じみた発想で頑張って行きていくアントワーヌ。
持ち前の負けん気もあってか逆境を強くたくましく生きて行くのだが、その事象自体は結局犯罪に手を染めることになっていた。
犯罪の善悪もつかぬまま、『必死』に生きたアントワーヌを待っていたのは、『大人の価値観』という眼鏡から見た厳しい答えだった。
アントワーヌは、必死に生きたがその気持ちを判ってもらうことなどなく、悲しみに暮れる。
それを象徴したシーンが留置場で、マフラーに顔を埋めるシーンだ。
その姿は日本では包茎の象徴のように見えるが、弱者の残されたの最後の抵抗という素晴らしいシーンになっている。
全てに見放されたアントワーヌの拠り所はどこにも無く、彼は孤独のままどこかへ海に逃げるのだった。
素晴らしいノスタルジー。
ジャン=ピエール・レオの演技も最高だが、彼が置かれる状況の数々も妙にえぐく、普通に生きたいだけなのに、大人に理解されない苦しみを抱えながら精一杯生きる姿が、感傷を感じさせながら、彼に同情をしてしまう。
またトリュフォー自身の伝記と聞くと簡単に「単純な内容」と酷評する事も出来ず、妙に生々しいとこも良い。
白黒というのも味があるし、やはりラストシーンの海のシーンは、胸に刺さる。
走っても走っても安らげる場所は無く荒涼とした風景だけが続き、そこは誰もいない。
そんなひとりぼっちさが更なる哀愁を感じさせてくれる。
トリュフォー自身の苦しみが全体的に投影された素晴らしい映画。
しかし典型的過ぎるという難点もあるわけで、このジャンルがありか無しかで評価が別れるのかもしれない。
映画オタクとしてオマージュなどもあるのは印象的だ。
メモ得点メモ
9
あまり上手く感想は書けなかったが。
深夜に見るには格別のノスタルジーを感じられる映画。として超オススメです。哀愁に浸りたいなら是非。
また日本でソフト化されてるかは知りませんが、この映画の続編が4本程あるようで、全て主人公が一緒のようです。知りたくなかったというのもあるけど、興味があったら見てみてください。
60年前のパリの少年時代を切り取った優れた作品でもありますね。時代が進むごとに価値が上がる一作かもね。
これ以外にトリュフォーはどういう映画を作ったり、どう評価されたのか気になる所であります。
この映画が一番多くの映画ファンに愛されてるのは凄く良く出来た「反抗期オペラ」だからかな?
残念ながら通販は中古が基本のようです。それかBOXセット。Blu-ray化を待ちましょう。
あこがれの感想
本作のDVDには、短編映画『あこがれ』(17分)も含まれています。
牛乳感想牛乳
トリフォー自身の実験的な試作品のような内容。
子供達が年上の女性にあこがれを抱き、必要以上に追い回したり、そのヒロインと彼氏の恋愛を邪魔したり、最終的にあこがれが苛立に変わり、嫌がらせをしたりするわけですが、それも幼少期独特の感情。
ヒロインとその彼氏は悲劇的な結末へと向かおうが、子供心にそれはわからず、また違う遊びに熱を上げる。
ここでも『大人は判ってくれない』同様に子供心をピックアップして、その独特な思考や感情を上手く脚本に織り込まれている。かなり実験的で突拍子もなかったりするけど、それが短編映画の醍醐味だったりします。
トリュフォー自身の映画へのあこがれを感じさせながら、次の長編への布石を感じさせるそういう映画です。
それではまた。
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