「どたばた喜劇のとんでも映画!!もれなくラストは奇跡付き!!」
2009年フランス制作
出演
メラニー・ロラン
(イングロリアス・バスターズ)
予告
STORY
ロシアのボリショイという楽団のホールで、清掃員の男はまるで自分が指揮をしているような物言いで、音楽を聴いていた。だがそれがばれてしまい、指揮者に閉め出されてしまった。
彼の名前はアンドレイ。彼は昔、このボリショイの楽団の指揮者だったのだが、政府の共産主義政府の中でユダヤ人排斥運動に巻き込まれて、指揮を振る事が出来なくなってしまったのだ。
だがオフィスの清掃中にアンドレイはあるFAXが来るのを見つける。
それは、フランスのパリの劇場からのオファーだった。
それを見つけたアンドレイは、自身の音楽家としての衝動に動かされ、そのFAXを持ち逃げし、メールの履歴も消去してしまった。そしてかつて一緒に楽団に参加していた親友に、この件を話、自分たちが、パリで公演してしまおうと画策する。
その為にアンドレイは、自身を地獄の生活に送った以前のマネージャー兼共産主義者のもとに行き、マネージャーになってくれないかを依頼する。
そして彼も乗り出し、ついにパリでの公演が決定したアンドレイたち。かつての仲間を集め、またフランスへ行く為に色々な物を偽造して、いざパリへ…。
だがこの計画にはもう一つの計画を兼ねていたのだった。それは美人バイオリニストとの謎の共演に隠されていた…。
2011年3月18日鑑賞
レンタル
itunesリンク オーケストラ!字幕版レンタル500円。
感想
特に著名な監督も俳優も出てないながら、内容の大胆さで、フランスの敬意ある映画賞にノミネートされた作品。日本ではこの作品の公開時にのだめカンタービレの映画がヒットしていた為、良い時期に便乗して公開している。
内容的にはそののだめカンタービレに似ている。
そういえば、フランスでは大ヒットした作品らしい。フランス映画なので、そこまで情報が多くないのは申し訳ないと思う。
本作は、異色な映画だった。
そもそもの舞台がロシアというのが、とりあえず見てみた自分としてはまずは驚きで、そこから、元指揮者が勝手にフランスで仲間を集めて公演をするという驚きの展開。
まぁージャンルはコメディ映画なので、そこの辺りの内容の緩さは、ご愛嬌とお国柄とでも言えるだろうか?
本作は個人的には、3部構成だと思えた。
1部目は、物語の発端。主人公たちが仲間を集めて、フランスに行くまで。
コメディ色が強く、挙げ句に謎の銃撃戦まで混ざっている。正直これもお国柄のご愛嬌かもしれないが、とても誉められる展開では無い。
2部目は、フランスについてからの物語。なんと楽団員たちは、勝手に亡命してしまう怒濤の展開。
バラバラになった楽団員のドタバタと指揮者の人と共演するバイオリニストとのお話。
映画内では中盤にあたるのに、急に映画は違う要素が描かれ始める。
それは、何故そのバイオリニストを呼んだか?ということ。
そこに物語の焦点は合わせられ、実は彼女はこの楽団に少なからず関係していたのだったという展開。
初見ならそこは楽しめるのだが、2回目以降だと、そこが映画自体のバランスの悪さを象徴している。
そもそもドタバタ喜劇だったのに、いきなり人間ドラマになるのだから、そうなると全体に焦点を合わせるべきシナリオも選ぶ必要があったと思うが、全部ねじ込まれている感が強い。
はてさてその秘密が解き明かされるのが
3部目。
いわゆる本作の一番のハイライトである終盤のコンサートになる。
正直このシーンが個人的にやっぱり一番面白く、その謎解きの答えがある為、音楽を聞くだけのシーンなのに、違った意味合いが生まれて、ある種の奇跡を実感出来る仕様になっている。
挙げ句に、まさかのコンサート内でフラッシュフォワードが発動し、物語のエピローグまで描かれている。その点も含めて、驚愕の奇跡のラストだ。
正直見事だと思うが、やっぱりそれなりにおかしなところもある。
楽団は練習もせずに、また使った事の無い他人の楽器を利用し、素晴らしい演奏を披露するのだが、これがただ単にありえないしご都合主義。
確かに面白いしコメディ要素もあるが、亡命までしようとしたのにあれって。ちょっとアホ過ぎる感もあるし、努力とは無縁ささえある。まぁーあの時の演奏が蘇ったため、最高の楽団が帰ってきたという描写というのはあるけど、安直過ぎるだろ。そういう意味でも日本のテレビ映画ののだめカンタービレにも似ているけど、あっちは努力した結果であって、本作は本当にご都合主義の象徴のようになってしまっている。
また結局、1曲しか演奏していない。
これが一番おかしな点でもある。その一曲だけで世界ツアーが大成功するという、脚本のプロットのみでしか描かれない、骨組みに映画が連れてかれたような、説得力が無く設定で物語が完成するというのが、古き良き昔の映画ぽくて良いかもしれないが、そこは技術面の緩さを多いに酷評したい。
面白ければ良い。に左右されている感が強いが、フランス映画の娯楽性の高い方は、こういう側面の強い映画が多い気がする。
前半見ている最中は思い描いていたのと違いかなり退屈であったし、お気楽でちょっとありえない感もあったし、不道徳感もあったり、共産主義とかいまいち馴染みの無い感じの背景も強く、そこまで楽しめなかったものの、終盤は音楽という感覚的で楽しめるシーンに驚愕の展開があったので良かった。
得点
7点
あんまりオススメではないけど、良いかもね。
レンタルと通販紹介。
レンタルしてくれると12円ぐらい儲かります。
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ここから購入するとおれに130円ぐらい利益が出るのです!!(笑)
通販。オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]3290円
意外と日本でもヒットしたらしい。内容の緩さや音楽とフランス映画という感じが女性に人気の映画なのかもしれない。
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