「ダグ・リーマンの振り切れない上質なSF映画」
「オス!おらトム・クルーズ!!50代だけども、立ち上げた会社潰れちゃって、職探しで、軍隊の広報を担当してるんだ!!おれのおかげで軍隊が作った侵略者対抗のパワードスーツの好感度抜群!!おれのおかげで、皆世界が平和になるって信じてるんだ!!!え?何?明日戦場に取材に行け?長官、あんた本当にそんなこと言っているですか?ボク、戦争とか絶対無理、後方で安全だって言われても無理無理、ここだけの話、この話を無しにしてくれれば、長官の為に特別なことしますよーーーー。じゃまた今度…っておれ無実無実、おい離せ、離せよクソマッチョどもがぁ!!敵前逃亡なんてしてないよー。離せよクソが!!
あーーー体だりい。え?これ誤解だよ。おれが戦場?いやいや、おれ広報官だし、っておいてめぇ。はおれが逃走犯で強制的に翌日の戦場に出撃?良いか今すぐ軍に電話してくれって、は?何を言っても相手にするな、おれは敵前逃亡したからだって?おい!!てめぇ!!あーーーー。軍人ばかりでももうなんも言えねぇ。
おいなんだよ。訓練じゃねえのかよ?ってこのスーツの使い方どうすんだよ。おい。って出撃っておい!!ふざけんな!!は?安全な後方じゃねえのかよ?敵だらけじゃねえか?おい!!って一緒にいたやつ死んだよ!!ちくしょー。武器はないか武器は、このスーツの安全装置どうやって外すんだよ-!!ああああああ。おれの人生こんなはずじゃなかったのに、地雷?これでこの宇宙人をたお……。
あれ?このおっさん?いやおれは軍の広報官で、だから逃走犯じゃないって…。ってまた同じ戦場?
ぐは!!
あれれれれ?またこのおっさん!?まぁそんなことより明日の戦場は出撃しちゃだめ!!敵が待ち伏せしている?え?何を言われても信じないように言われてる、ちょっと待てふごふごふご、ふごー
ああああまたこのおっさん!!!」
という地獄のループに陥った50代のクソなトム・クルーズ!!
この地獄のループの原因とは?そして解決策は、近年稀にみるクソ・クルーズのアクションSF大作!!
つうわけで、公開初日とかに見ました。
・何はともあれダグ・リーマンの映画
まぁそこそこ面白かったけども『ボーン』シリーズは『ボーン・アルティタム』と『スプレマシー』が好きで、ダグ・リーマンの映画って正直そんなに好きじゃない。『ジャンパー』とか懐かしいな。笑
この人の映画って見やすさはあるけども、中身が詰まっているか?って聞かれたら返答に困る…。
設定は凝っていることがあるけどもそれに答える演技とか展開とかあったようななかったような?
でも今作は、ループものということで設定は完璧、そこにトム・クルーズというキャラクター俳優を起用し、しかもそのトム・クルーズがこれまでのギャグ化したかっこよさと真逆の最初はクズだけど徐々に男前な人間に成長していくという、新しい一面を演じてくれて、これまでトム・クルーズが演じたキャラの中でもキャラクターの内面の変化が一杯あって、見たことないトム・クルーズに出会える一本!!
またガジェットとしてぼろくて、弱そうな一過性のパワードスーツが登場し、その合間合間に日本語を登場させたり、日本原作としての日本のオマージュ。
またちょっと子供っぽい、オメガとかギタイとか頭悪そうな日本語も登場して、オタクな感じが、これまでのダグ・リーマン映画とは違いを感じさせるが、結局はダグ・リーマンの映画らしい、振り切れないボルテージで、クールで見やすくまとめている印象。
敵のギタイが完全CGキャラでガチャガチャしているあたりが、実にダグ・リーマンらしい手抜きさ。
もし、ザック・シュナイダーやらエドガー・ライトやらスピルバーグやらがマイケル・ベイやらが撮ったらこれまた違う、ギタイのデザインになったと思う。個人的には、ザック・シュナイダーあたりに撮ってほしいかも。でもあいつ原作改変するの大好きだからな…。
ヒロインのエミリー・ブラントのマッチョぷりと最後のワンシーンのちぐはぐさが最高。
個人的には、これ更なるループでバッドエンドかな?って思ったけども綺麗過ぎるハッピーエンドな感じが、振り切れないダグ・リーマンを感じさせて、これはこれで良いかなとほっこりしました。
・ループものとかオタク臭さとか。
ループものとしては個人的に『ミッション8ミニッツ』『恋はデジャヴュ』が好きなので、そこまでツボにはまらなかった。パワードスーツの2丁拳銃とかは好きでしたが、もう少し、『エリジウム』のようなオタク臭さがあるとなお良かった。
あとトム・クルーズはアサルトライフルの持ち方がいつも素敵です!!
終盤のこれでループおしまいからの佳境な感じも良かったと思う。
あとループものらしい容易く死ぬことをネタとしたコメディ感などもあって、今まで見たこと無いトム・クルーズに色々出会える。ループものらしい、辛い現実を変えて、皆を救いたい!!っていう心情もこれまでのトム映画では味わえなかった。
得点
物語 8/10
キャラクターの魅力 8/10
監督の映画に対するビジョン 7.5/10
音楽 6.5/10
俺の趣味 8/10
78点
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