人生が決められなければ
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2023年アメリカ映画
家父長制に破滅するスポ根家族
アイアンクローの主要キャストは誰?
キャスト
ネタバレ あらすじ
2024年4月6日劇場鑑賞
2024年20本目
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概要:人生を決められた人への呪い
アイアンクローは実話を基にして作られたの?
1970年代〜1986年ぐらいに
アメリカの南部の中央の
テキサス州にて活躍したプロレス一家
フォン・エリック家の悲劇が描かれた映画
『アイアンクロー』を鑑賞しました。
監督はイギリス出身で
2011年に
『マーサ、あるいはマーシー・メイ』にて
若手映画監督の登竜門の一つ
サンダンス映画祭で監督賞を受賞した
ショーン・ダーキン。
製作は
アメリカの低予算ながら
上質な作品を製作・配給を連発し
アカデミー賞作品賞も複数受賞している
気鋭の会社A24と
イギリスのテレビ局のグループの
BBCフィルムズ。
元AWA世界ヘビー級王者の父フリッツの
野望のために
プロレスラーになる道を強制されてしまった
息子たちの悲劇の数々が描かれる
恐ろしい映画だ!
実話:本当はもっと恐ろしい
見ていてかわいそう過ぎて
途中で退出したくなったし
鬱映画でした
しかし帰宅して感想をまとめようと
ちらちらと英文wikiやらを
漁っていたらもっと過酷なことを
記載してあった。
エリック家は本当は6兄弟
そしてプロレスによって4人失ってる
どうやら映画の尺の関係で
マイクの要素に
6男のクリスの体が細く
喘息に苦しんでいたという
要素がミックスされていた。
そしてクリスもケリー同様に
銃による自殺をしてしまい
要素的にも被っているので
そのあったりは映画的に
端折ることにしてしまったようだ。
いやいやこれは呪われ過ぎというか
父よ。。。
映画内では最終的にお母さんが
精神を病むような兆候で終わっているが
現実だと離婚したようです。
また最初に亡くなってしまう
ジャックについては
描写の言及はないですが
英文wikiを確認すると
トレーラーハウスの配線に
感電して失神して近くにあった
水溜りに顔からダイブして
溺死という
一番ホラー
ディレクターズカット版に
それ追加されていたら
カルト映画として
語り継がれそうですが。。。
ここが凄い:原型のないザック・エフロンの役作り
自分の印象だと
ザック・エフロンは
『17アゲイン』の無敵なイケメン感と
『ネイバーズ』シリーズの
子供のまま大人になって
人生苦労するというキャラが
めちゃめちゃ印象的で
それ以降も俳優として動きのキレはあるが
当たり役に出会えてない印象。
今作でも彼の存在感はひとしおでして
細い印象のあった彼が
田舎者のずんぐりむっくりなおっさんに変貌。
髪型ももさくてクソだるい。
心優しい優男感が素晴らしく
そんな彼が映画の序盤に伝える
一番の願いが
家族で一緒に仲良く過ごすこと
しかしその願いは厳格な父によって
結果的に奪われ続ける。
体を酷使する格闘技の試合を
毎日のように強制され
体と心を病み、ケアも行き届かずに
1人ずつ家族を失っていく。
根本的に空っぽの田舎者として
描かれてしまっている
ザック・エフロン演じるケビンは
それについて悲しく思っているが
尊敬する父のため、
愛する妻との生活を維持するために
プロレスラーとして戦い抜くという。
そんな彼が最終的に
家族を全て失ってしまい
事切れて遊んでいた子供達の前で
号泣していた時に
正直に自分の心情を吐露したとき
子供達に励まされた時
父が築いた家父長制の家族から脱却し
共存という次の時代の家族の在り方と
ケビンが求めていたた
支え合い共に生きつづけるという
手にれられなかったものを
ようやく手に入れられるというラストを
見事にザック・エフロンは体全体から
醸し出してくれて
めちゃめちゃ泣かされた
今後の映画人生のために
ロバートデニーロとも仕事してたのが
ようやく実を結んだのかしら??
だがしかし
『一流シェフのファミリーレストラン』にてエミー賞を受賞したジェレミー・アレン・ホワイトに
喰われているのよ
ここが注目:脂の乗ったジェレミー・アレン・ホワイト
2022年の海外ドラマ
『一流シェフのファミリーレストラン』が
めちゃめちゃ高い評価を
受けていたわけで
主演のジェレミー・アレン・ホワイトも
同様に高い評価を得ていて
俳優としては10代からキャリアを
スタートしているようで
20年以上活躍しているが
主にテレビドラマにて活動していた彼が
2022年でようやく大出世した模様。
そんな脂の乗った彼が
同時期に出演したのが今作の
『アイアンクロー』なのですが
凄まじい肉体作りもすごく
『一流シェフのファミリーレストラン』の
役作りに支障をきたすのではないか?
と思ってしまうほどのゴリゴリマッチョ。
映画では初登場シーンも
彼単独で描かれていたりと
主役のザック・エフロンとは
全く異なる扱い方をされている。
交通事故にて片足を失っても
義足をつけたリハビリなどの
印象的なシーンや
映画の最後を彩る鬱展開も担当し
完全にザック・エフロンを喰っている
存在感あり過ぎでした。
まとめ
80年代のプロレスということで
華やかさはなく
天井と照明と
パイプ椅子の会場という
日本の後楽園のような
ホールで延々と試合が
続けられれていて地味ながらも
俳優陣のプロレスアクションの
冴えを実感させられて
俳優と監督の技術力の高さが
全面に出た作品ですが
あまりにも悲しすぎる
ホラー映画なので
見る人を選ぶかなと?
家父長制の問題についても
ケビンの妻がケビンに
訴えるだけで
ただ最後の最後で
父がケビンに息子だからという
理由で給料をまともに
払っていなかったのが明かされて
支配されていたことをようやく
気づいて彼と決別するわけですが
焦点としては
ホラーヒューマンドラマに
絞られていたかなと。
ケリーが死んだ直後に
死んでしまった家族が再会して
ようやく現世のしがらみを
兄弟が解放されたと描くわけで
そして終盤の息子への
弱音の吐露から
映画館を出るまで涙が本当に
止まらなくて
思い出してこの記事書いてる今も
涙が滲んできます。
かわいそうでした
ちなみにプロレスの呪いから
ケビンは解放された?と思ったら
映画では農家になって
孫いっぱいいて幸せ!となってましたが
ケビンの息子たちも普通に
プロレスラーになってんの
なんだそれ!って思いました。
アイアンクローの描写と頻度もっと頑張って欲しかったが
父の置かれている
プロレス界の状況や
彼が起こした団体や
現在のWWEとの関係などは
混み入って深すぎるので
考えないでおこうと思う。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.7/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 8.3/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 7.8/10
77点