やりたいこととやらせられてることの乖離
製作
2021年アメリカ映画
夏休みにノスタルジーをそもそも感じない勢
ネタバレ あらすじ
2021年6月26日自宅Disney+鑑賞
2021年34本目
魚人要素活きてねぇ
ピクサーの新作が
Disney+で配信されたので
鑑賞しました。
最後以外は面白くなかったです。
1950年代の北イタリアの港町を舞台に
シー・モンスターの少年の人間世界への
初めての冒険を一夏の期間を描いた作品。
都会の少年が初めて田舎に来て
ダイナミックな野生の世界に大興奮。
というのを
異人が人間の世界で大興奮。
に置き換えたというべきか。

とこっちは魚人アニメを見ようと思ったら
田舎で過ごした幼少期のゆったりとした昼のひと時を延々と見せられて
ノスタルジーを強制的に押し付けられる

まぁ最終的にはしっかり盛り上がって
面白かったしホロリと泣いたんだけども
それでも15分ぐらい短くしてくれてよかった。
虚無な時間が長かった。
少年時代の夏休みのノスタルジーをやりたかったけど、
上層部が子供向け要素盛り込まないとやらせてくれないっていったからやったけど
シーモンスター要素がいまいちだったという
根本的な作り手のやる気のなさを感じた。
『君の名前で僕を呼んで』の素晴らしさよ。
ラセターが居なくなってから物語でのキャラクター造形が弱くなった?
主人公の大きな変化というものが
うまーく映画内で描かれなくなってきた。
どこまでも自分の目的を終盤まで
追求して最後にそれをやめて
変化するパターンが多くなった。
これまでは中盤にそのターニングポイントが
あって、その後もう一段階を超えたりする
印象が強かった。
そしてもっとしんどいのが
全体的に意地悪な奴が増えた。
今作ではルカの父と母が酷い。
2人はルカを探す為に
罪のない子供達に強引に水をかける。
それがなかなかの卑劣漢。
コメディ要素なのだが、
笑って良いことでもないような。
50年代のイタリアが舞台だからセーフで
全て笑って済ませられるだろうと思うが、
その意地悪さがしんどい。
そしてその面でも
ノスタルジー推しを行い続けて、
改心さえも行わず、
エンタメ映画として終わらせていた点は
全くもって許せないし、
今後のピクサー作品に期待が
持てなくなってしまった。
でも
『ニュー・シネマ・パラダイス』とか
好きな人は絶対的に楽しめるのかな?
って思いました。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 4/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 4/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 4/10
52点
『2分の1の魔法』の時もそうだったけども
描きたいことと売れるために
やらざるおえないことのバランスがとれて
いなくて、中途半端な作品が増えている。
単純にピクサーの層が薄いんだろうなぁ。

モンスターというアイコンがアニメ作品として必要か??