TVアニメエピソードをTHE ORIGIN版としてアニメ映画化
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2022年日本映画
至高:色褪せぬ古谷徹のアムロ・レイ
監督
安彦良和
・クラッシャージョウ
・アリオン
・ヴイナス戦記
・機動戦士ガンダム THE ORIGIN
ネタバレ あらすじ
2022年6月4日劇場鑑賞
2022年26本目
2018年に完結したアニメ版THE ORIGINが復活
2001年に
連載された『機動戦士ガンダム』の
新訳された漫画版とも言える
『機動戦士ガンダム THEORIGIN』
2011年にオリジナル展開も
ありつつ完結し。
2014年には作者が監督として参加し
OVA化。
THE ORIGINのオリジナル展開である
機動戦士ガンダムのプロローグとして
シャアの幼少期
ジオン・ズム・ダイクンの暗殺から
物語は始まり。
ジオン軍が国力の高い
地球連邦軍を追い詰めることに成功した
汎用人型兵器ザクⅡの開発秘話が
映像化されました。
この部分については
元祖『機動戦士ガンダム』の
前日譚として違和感なく
描かれているため
パラレルワールドと扱わなくても
問題ない作りになっていた。
そして2022年。
まさかの
劇場版とTHE ORIGINでは
カットされたTVアニメでのエピソード
『ククルス・ドアンの島』が
映画化作品として
THE ORIGIN版として劇場公開。
監督は同様に安彦さんが務め
元々20分程度しかなかった
アニメエピソードを
100分という5倍のボリュームへ。
時系列を確認
また時系列も
THE ORIGINは
ランバラル戦の後に
ジャブローへ直行
その後プロローグたる
シャアの幼少期と
ガンダム大地に立つまでの
エピソードになり。
その完結後に
オデッサ作戦となるのだが
そのオデッサ作戦直前の
南米ジャブローから
北ヨーロッパへの移動過程の
エピソードとして
本作が描かれることに。
ちなみに
劇場版だと
オデッサは一部エピソードのみあり
テレビ版だと
ラルと戦った直後に複数回跨いであり。
黒い三連星との戦いなども
跨いで描かれるが
ククルス・ドアンの島は
ガルマを倒した後の複数の単発回にて
描かれた単発回。
ドアンを扱うなら今だ!!
前提には
やはりテレビゲームでのドアンの扱いが
功を奏したのかなと。
やはり最初は
Gジェネレーションアドバンスでの
衝撃のハイパー化。
機動武闘伝Gガンダムの明鏡止水
もしくはシャイニングガンダムの
スーパー化を量産機体たるザクⅡで
披露した。
そして近年ではガンダムの格ゲー
ガンダムVSガンダムシリーズに登場し
大技の鉄拳で低コストながら
大活躍の可能性を出せる
石投げ含めてネタ機体として
存在感を高めている彼が
まさかの主要キャラとして
映画一本を背負ってしまうのだから
面白い。
また面白いことに
時系列的にも
コミックの改装後は
オデッサ作戦の序章として
シャアザクⅡとの決戦が
描かれたので
その前哨戦のエピソードとしても
2018年に完結したアニメの
ポジションとしても
いい塩梅になっているので面白い。
戦争序盤と中盤の戦士覚醒直前のアムロ
アムロはランバ・ラルを退け
ジャブローでもしんどい体験を
した直後のため
人間としても少年から
兵士として主力たる存在という
絶妙な精神状態の中で
ククルス・ドアンという強敵で
ありながらも兵士を辞めて
人間に戻ろうろとする
アムロとは逆を行く
歳の離れた大人との
全く違った対峙が描かれ
ドラマ性の高い作品になっている
今作後に
あのシャアとの激戦が描かれるので
その助走として見ても
面白い時系列だなぁと。
20年の時を超えて再び少年アムロが蘇る
ゲームで頻繁に再録されているとは言え
少年アムロを再び長時間演じるのは
2000年の特別版のDVDでの
再収録以来なのではないか??
あの少年アムロが再び
古谷徹さんの声で蘇る。
驚いたことに全く変わらない
少年アムロが再び目の前にいる
なんだかんだ
カイさんや回想で登場するシャアなど
随分としゃがれて老いを感じてしまった。
そして他のキャストも
ほとんどがリニューアルをしてしまい
2代目キャストがTHE ORIGINから
続投している状況の中の主役たる
アムロ・レイを演じる古谷徹さんの
圧倒的な上手さにとても感動してしまった。
むしろなんでまだあのトーンを
綺麗に出せるのだろうか??
アムロとしての矜持を
見せつけられてしまった。
これを68歳という
年金受給者がやっていると思うと
むしろ矛盾さえしているのではないか?と
疑ってしまうほどすごい。
また作品としても
アムロに対する人間の描きが増えている。
同世代の普通の少年との対立により
途中垣間見られる軍人たる覚悟による
恐怖のなさや
終盤のガンダムに乗ってからの
殺戮の姿など
アムロ・レイという
戦争により兵器と化してしまった
少年の悲惨さが際立っている。
子供と兵器とのバランス
テレビ版での
ロボットアニメと
新機軸のセンシティブな人間ドラマの
バランス。
映画版のダイジェスト的な役割により
どうしてもアムロの内面の変化について
わかりやすく描くことを避けていた
印象があったが
今作ではそこを十二分に
フォローしているなぁと思いました。
子供多すぎ
と安彦監督の希望なので仕方ないが
大幅に増加したククルス・ドアンの
無人島孤児院。
キャラ数が増えるのは
映画としては尺の関係上悪手と
自分は思っているので
正直半分くらいで良かったと思う。
その分地味な人間ドラマや
古臭いアニメ演出が多くなってしまって
退屈といえば退屈だし
古典作品を現代に甦らすというような
側面としても楽しめなくもないが
正直子供よりMSが見たいんです。
まぁ安彦監督の第一要望だったし。
いやいやドアンさんそんなに子供を
どっからこの島に連れてきたんよ?
おそらくアフリカでの侵略作戦にて
家族を殺してしまった子供たちを
拾ってきたのだと思うが
ここに20人どうやって引き連れて
きたんだよ?
ジオン軍の潜水艦のユーコーンで
連れてきた?
いやそれこそどうやって??
そこのハードな背景が描かれれば
なお戦争の悲惨さが際立つが
今作は牧歌要素も無駄にあって
ちょっと微妙でした。
しかもこの人数だと
生活に限界あるでしょうよ。
まぁあと半年もすれば戦争が
終わるからそしたら
ヨーロッパにでも移住するのかな??
孤児院部分はロジック気になりました
またドアンさんの真の目的も
実際にはあって
この地のクラスター兵器を
無効化することが目的だったようで
それを見越しつつ子供たちを
連れてきたのか?とマジで謎。
強すぎドアンザク
どんなチューンしたら
あんな動きできるのだ!というやつ。
武器はトマホークのみだが
ランバラルよりも強いかと思われ
同様の戦法をアムロが使ったが
躱されるという。
グフとは違うのだよグフとは
ドアンザクすごい。
しかも終盤では一閃で
より高性能な機体を一撃で
葬りまくる主役補正。
白黒侍映画を彷彿させる一騎打ち的一閃目白押し
女性部下さんが速攻惨殺されるの
流石に酷かった。
脱出しろよお前と思いました。
ここでドアンさんの身勝手さが
際立ってしまい。
脱走兵というクソっぷりが際立つ。
挙句より年下の女を母親役として
仕立て上げてるし
ドアンさんの評価は
むしろ下がった印象。
おおのじゅんじさんのコミックの方がドアンさんまともでは?
ちなみにおおのじゅんじさんの
ククルス・ドアンとは無関係っぽい。
挙句にそれを読んだ安彦監督が
TVシリーズのこのエピソードを
映画化させろってサンライズに
言ったとか言うなかなかの鬼畜っぷり。
おおのじゅんじさんとは何者なのか?
【コミック】機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 (1)【感想】
ククルス・ドアンの描写が少ない??
ドアンさんの目的に対しての
行動はしっかり描かれてますが
彼の思想については
あまり描かれず
終盤の目的含めて
ミステリアス過ぎる男
として描かれてしまった。
もしかしたらドアンザクの強さ含めて
椿三十郎とか
クロサワ映画の浪人のような
存在に落とし込んだのかもしれない。
戦争に嫌気がさした熟練の隊長は
自分の贖罪の為に子供を保護しているのか?
彼が嫌気を感じるシーンとしては
子供の家族を奪ってしまった
部分しか劇中では描かれない。
戦争の惨たらしさを
もっと印象的に描いて欲しかったし
彼がかつての仲間にも
何も語らず
ただただ露払いの如く
元部下を殺していく様は
戦闘においてドラマを感じられず。
彼の真の目的が
生き抜きたいのか?
それとも償いたいのか?
パンフレットには
未完成な存在として描いたというが
最後の最後まで憶測に任せる
存在となってしまい
スカッとしない存在すぎる。
THE ORIGINは他の一年戦争ものと相性いい?
と今作では
オリジナルカラーや
カスタマイズされた機体が登場。
スレッガー専用ジム以外にも
地上型高機動ザクとして
脚部にドムのホバーの試作型脚部が
採用されている機体が登場するが
ドアンに葬られる。
その他08小隊で初出で
ゲームの序盤に出てくる
陸戦型ジムカラーのジムの登場や
ジムキャノンをスタイリッシュにした
ショルダーキャノン装備ジムとか
登場するわけだが
この発展型って
普通にサンダーボルトのジムに
なるのではないか???と
思うのでした。
安彦さんの書くMSは丸みと
マーキングでデコられている印象が
フルCGでモデリングされて
ちょっと角が立つと
その派生でサンダーボルトの
盾二丁のジムとか
フルアーマーガンダムとか
違和感ないなぁと。
今後のGジェネレーションとか
声優も刷新されて
今作のキャストで登場すれば
他の1年戦争外伝系と
すんなり結びつけられそう。
総評
またアムロ・レイに会えて嬉しかったが
MSの活躍が最初と最後しかない為
中盤だれました。
丁寧すぎるなぁと言う印象。
しかしコミック再読の時の
合間に本作を見て
モチベーション高まると思う。
もしここから
副監督のイムガヒさんが引き継いで
オデッサ編へ続いていけば
それはそれで
リメイク作品としての道程は
完璧なので
今作の意義はあったんだと思う。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7.8/10
・音楽 7.6/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
69点
ドアンザクさん石投げてましたが
巨石は投げませんでしたね。
派手にホワイトベース隊の
ジムやらコアブースターやら
ガンキャノンやら壊れてましたが
整合性は問題ないのか?
この物語を経て
シャアと激闘すると思うと
やはり胸熱です。
今回は作画崩壊はありませんでした
謎のギャグシーンはあったと思われ