「今の私は自分のことを器と捉えている。」
2010年日本作品OVA
★この記事をまとめるとこんな感じ★
あらすじ
小説版ガンダムUCの第3巻と4巻の序盤をアニメ化。
OVAの前話で、ユニコーンガンダムに乗った少年バナージは、自身の住むコロニーを襲ったクシャトリヤを退けることに成功した。
疲弊し気絶した彼を収容したのは、コロニーを襲撃した張本人である地球連邦軍であった。
その船には、事件を共に過ごしたジオン軍のオードリーとバナージの友人が数名救助されていた。
そんな中、ユニコーンガンダムを狙うネオジオン軍残党は、バナージ達の乗る船を強襲する。
だがその強襲はたった一機のロボットのみの行いで、そのマシーンは赤く、歴史的に有名な赤い彗星に酷似していた。
各々の意思が倒錯する中、バナージは再びガンダムに乗るのだった!!
2010年11月2日劇場鑑賞(2010年度96本目)
2011年1月30日Blu-ray再鑑賞(2010年度135本目)
2011年12月12日Blu-ray再鑑賞(2011年度117本目)
2013年1月30日Blu-ray再鑑賞
2018年8月19日Blu-ray再鑑賞83本目
感想
自分は「ガンダム」が好きなので、今作も映画館で鑑賞しました。
先に劇場の様子をレポートすると、とりあえず完売はしてました。多分。あとグッズについてなんですが、今回はブルーレイの先行販売が以前と違い、限定版を販売することになってて、前作と今作の脚本がついてたのですが、行ったらもう売り切れてました。
そりゃそうだろうな。と思ったけど、なんと限定プラモも売り切れていて、それは驚きました。
その背後には転売師の存在があったらしく、非常に残念です。映画見ないでチケット3枚買って、プラモだけ買って帰るとかあったらしい。映画見たい人可哀想。初日の舞台挨拶もそういうのがあったらしい。わかんないけど、腐っているよね。世界。
まっ。BANDAIもBANDAIだし。しーらね。
失礼しました映画というか本編の感想に行きます。
本作は小説の第3巻(ちなみに第1巻と2巻は『ユニコーンの日』前編と後編を映像化)の赤い彗星を映像化した作品。
前作以上に描かれた本の内容が薄い為、大部濃密な内容を想定してわくわくしていたのですが、見ていて肝心なことに気づいた。
本作は、物語の最初と最後を繋ぐ、壮大なつなぎの部分の一部でしかないということ。
しかも本作は、前作が1.2巻を全て描いたわけでなく、2巻の最後の一部手前で強制的に終わった感じになり、2巻の巻末から始まるというわけだ。
そのまま3巻の内容になるのだが、実際本作は戦いの小休止な内容で、そこまで動きのある部分は無く。
主人公の状況が一変したことを受け入れる話と、このユニコーンガンダムという物語の主要な登場人物
が本作でそろうというわけで、本当の物語の序盤というか、起承転結の「起」になっていて、本作で初めて喋るキャラクターが山ほどいる。
自分はこの時点では、原作未読の状態で、(一部ネタバレは知っている。)何が起こるかは不明のまま見ている。
愚痴
本作を見る際一番驚いたのは、前作のあらすじが、上映時間一時間半にして10分もあったこと。これがすごく見る側のテンポを悪くしてくれていて、わざわざ見に来たファンなんだから事前に復習をしているのに、その配慮は苛立ちを感じさせる。ブルーレイで見てたら確実に飛ばしているよ。
以上。
そこから本編が始まる。
そういう感じで、ついに赤い彗星が現れて、たった一機で、戦艦一機を窮地に落とすのだが、まぁーそこは「ほー。こういう感じなんだ。」と思いましたね。
でー登場人物たちが迷走しだして、原作の(多分)見所である政治的考え方を吐露している大人とオードリーの姿を見て、またも空気を読まずに暴走する。
その大人の常識を何も知らない子供が感情で打破するのが、本作の見所。
見てる側の立ち位置に似ていてすっごくぐっと来る。
主人公が出てくるまでは、ものすっごくオトナな立ち位置で物語を押し進め、また観客をどこか蚊帳の外に置いているような感覚で、どこか退いた目線で物語を見てるんだけど、その主人公の勝手な発言、個人的には中2病的な臭さが、観てる側の代弁者というか、すっごく胸が熱くなって、やっぱり主人公のバナージが愛しく思える。
それは本作だけでは無く、前作でもやっぱりオードリーとカーディアスが大人な話をしてて、そこにも「自分」というイノセンスをバナージがぶつけて、物語というものを彩ってて、かなり魅力的だったし、ドキドキした。
だからもしかしたら、そういう一面を監督は本作で推していこうとしているのかもしれない。
小説だとその辺りは曖昧で、色んなキャラクターの視点を移動させながら物語を進行していて、どのキャラが愛しいとかは感じられないが、あくまでも本作をバナージの物語として捉えているのかもしれないな。
そんないびつな感じで、ガンダムと赤いやつの戦いが描かれますが、そこが見所とは正直言えない。
それも演出だと思うけど、本作のガンダムは動きがぎこちない。
それはバナージの正規の初陣という立ち位置で戦いを描き、またそこからユニコーンガンダムがどれだけ異常な機体であるかを描いているように思える。
丁寧で良いと思うが、ロボットバトルとしては技巧的過ぎて、いまいち面白みが足りないとも思う。
そして意外な展開になりジブリ映画のワンシーンみたいな食卓で飯を食うシーンがある。
『赤い彗星』って結構大胆な話なんだなと思いながら、小惑星パラオが描かれ一気にドキドキが高まる。
また
「この映画後4時間は行ける。いやでもそろそろ時間的には終わりだな。」
と思った矢先、バナージが複雑な立ち位置になり。(敵だと思った人にも生活があり、そこを連邦軍が壊してしまう。)
「次はここが戦場になるのか。」
で空にパンしてエンディング!!
そして次回予告と、まさかの次回の公開日が発表。これはすっごく驚いた。でも公開日が決まっているというのは、内容に目処が立っているということで、ちょっと残念だった。
でも次巻は、オール戦闘でガンダム大活躍を予感させるので大部楽しみ。
ただ気になったことが一つあって、次巻のタイトルが、ラプラスの亡霊だったこと。
これは小説で言う所の、第5巻であって4巻、つまりパラオ攻防戦は、カットされているということ。
あれーーー。んで、よく考えると本作は4巻の序盤をあっさり描いていたわけで、3巻を後に購入しチェックすると、ガンダムと赤いやつの戦いが終結して本が終わりに対し、本作は終結後、フルフロンタルとバナージの謁見が描かれ、そのままパラオのシーンなどが描かれる。
結局、本作は赤い彗星一冊を濃密に描いたわけでは無く、ちゃんと赤い彗星内のお話を一部省略し、パラオも描いたわけで、前作のユニコーンの日とやっていることは対して変わっていなかった。(笑)
それが悪いかは判断できないが、本作が質の高いロボットアニメで、期待通りの出来であったことは変わりはない。
★ここから2回目の感想★
つうわけで、ブルーレイを買って二度目のガチ見です。まぁーでも先に一巻を見ていたので体力的には限界だったので、やや流し見ではあったのですが。(笑)
ちなみに今回が小説版の方を読んでからの鑑賞になります。
正直小説版と全く違う描き方になってるんだね。小説の方は、正直最高の出来だったと思う。
特に連邦軍の奇襲されている艦内の描きが逸脱で、戦場のリアルさを実感できて、とても興奮した。
普段見ているガンダムの裏側ではあんなドラマチックな状況なのか。と裏方の描写に感動した。
でも本作ではそこはほとんど描かれず、というものそこが文章のみと映像の違いというか、またも1シーンに詰め込みたいだけ詰め込んだという感じかな。
逆に第2巻になったことにより、前の巻ではセリフのなかった連邦軍の主要キャスト陣がめちゃめちゃ喋るので、尺は前作と一緒なので、キャラクターの描きの分量が薄くなっている。
それでも面白さは一定をキープしている。
★ここから3回目の感想★
なんだかここまで来るとしつこいですな。
第4巻が発売されたので、再鑑賞。
一応3巻の内容も知ってて、見ると出来自体は良いけど、かなり説明的な内容になってる。
このアニメ全体の登場人物が一同にお披露目になり、新キャラがいっぱい出てくる。
その所為で主役だったバナージの描きが少し薄味にはなっているものの、無茶をしてくれるので面白い展開になってくれる。
ハイライトである戦闘シーンはフル・フロンタルという初代ガンダムのライバルキャラであるシャアの再来という、シャアなんだか、シャアじゃないのかよくわからない存在が、大活躍する。(3巻でも大活躍)、そもそもフル・フロンタルが出てくるのも本作からで、前作はかなりのプロローグだったのが理解出来る。
また本作の悪役とは、ライバルとは?誰なのか?よくわからない状況ですが、シャア節をフル・フロンタルが見せてくれるという相変わらずの古来からのガンダムファンへのご褒美のような楽しさがあるわけで、それはそれで面白い。
しかも主人公であるバナージを食う事しない紳士っぷりを発揮しているところが流石。(笑)
しかし新キャラのアンジェロさんが凄まじくいい味を出していて、その声優さんが『天元突破グレンラガン』の主人公のシモン役なわけで、色々と楽しさはあった。
そういえば、本作は珍しく主人公がジオンに行ったり連邦に行ったりとするお話。
ジオン側の内情とか結構珍しいかもしれないし、需要もある内容だと思います。
最終的には、次巻がスムーズにハイライトから始まるような少し間延びした終わり方になってしまい、本巻自体はやはりそこまで楽しい内容ではなかったと思われますね
。
え?4回目の感想も書くの?
うーん。書こうと思うよ。
前話『白いユニコーン』に引き続き新作に備えて流し見。
前話で全く出てこなかったキャラがうごくうごく。シャアの再来フル・フロンタルも調子に乗っている。
メインがフル・フロンタルとバナージの初陣かな?と思いきや、それが終わっても世界背景を説明するような物語は続く。
それを久しぶりに見ると好感。
次回作で大激戦を思わせて物語は終わる憎い演出は、上手いよね。うむうむ。
動くフル・フロンタルが本作の醍醐味だが、シナンジュのコックピット内の宇宙感も逸脱。
うっかりクシャトリヤも出てきたり、リゼルがボコボコにされたりと普通に面白い。
回目鑑賞
全話出揃ってからの鑑賞は初めて。
前作で謎の白い機体が変身し、ガンダムだったことが発覚し、エース機のクシャトリヤを圧倒。
でも気を失って、連邦の艦へ。
ガンダムという伝説の象徴と遭遇する登場人物たち。
一気に声ありのキャラクターが増えるが、その分キャラクターの紹介要素も強い。
そしてあの「あなたはシャア・アズナブルなんですか??」な人も登場し、
シャア以上の活躍で、ありえない動きをMSでやってのける!
さすが本作のサブタイトルになっているだけある。
英語表記だとシャアの再来ってタイトルなんだよな。
さすがに公開時よりも歳を重ねたせいか、大人の都合全てをぶっ壊し感情で物事をどうにかしようとする
バナージに苛立つようになってしまった。
こんな極端にドラマ要素のない急展開な作風だったけ??
ただ舞台が連邦からジオンに移送され、さらにはシャアの再来ことフル・フロンタルと面会など、
古くからのガンダムファンを終始鷲掴みにする要素があり過ぎるのが本当に商売上手。
シナンジュかっこよ過ぎる。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
70点
小説の方が艦隊戦やシャアの策など分かりやすく面白い。
全体的にこの時点では、アニメとしての攻め方が少ないが、次ぐらいから一気にサンライズとバンダイの本気出してくるから
恐ろしい。
ガンダムUCシリーズ感想リンク一覧
・◯機動戦士ガンダムUC/episode 1 ユニコーンの日 ◯ 66点
・◯機動戦士ガンダムUC/episode 2 赤い彗星◯70点
・◎機動戦士ガンダムUC/episode 3 ラプラスの亡霊◎85点
・◎機動戦士ガンダムUC/episode 4 重力の井戸の底で◎88点
・◎機動戦士ガンダムUC/episode 5 黒いユニコーン◎84点
・◎機動戦士ガンダムUC/episode 6 宇宙と地球と◎78点
・◎【81点】機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に 【MX4Dで見た!】◎
・◎【80点】機動戦士ガンダムNT【映画感想】
・ 【コミック】機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男【感想】
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