2013年127本目 11月6日劇場鑑賞
「ちょっとこの映画臭いんだよな。」
あらすじはこちらから。
近代メジャーリーグで初の黒人選手であるジャッキー・ロビンソンのメジャーリーグ入りを描いた差別映画。
タイラー・ペリーの映画かよ!!
って思うほど、なんとも言えない人種差別を描いた生真面目なお涙頂戴映画。
最早過剰と思えるほどの嫌がらせの数々と、それに対して紳士的に我慢するジャッキーの姿に泣かない人の方が少ない。
むしろ泣かない人はこの映画に対して不満しかないと思う。
いやもうこの映画はそういう立ち位置でさ「アメリカって国は酷いことしてたんだよ」と反省するような映画なので、もうそこ不満言っちゃうとなんだかね。
まぁー野球映画見に来たら人種差別映画だった。みたいなのはあるよね。
『メジャーリーグ』みたいな映画見たかったのに、なんだかかわいそうな人の映画だった。
みたいな感想を持っていてもおかしくないと思う。
おれも正直ラストが気に入らない。
黒人選手が入ってプレーオフでも勝利してアメリカで一番になって大団円になるのかな?と思ったら、その直前で終了。最早、真剣に差別と戦った程度の映画に陥ってスポーツ映画としての勝利のカタルシスは味あわせてくれない…。
なんだろうかそこはもしや『マネーボール』を意識したのかもしれないが、『マネーボール』はもっと野球のシステムを革新的に変えて、野球の概念を変えた、異色の野球映画としての立ち位置が全面的にあった。
でもこれは野球が変わったというよりも人の意識が変わったが描かれすぎていて、それで感動的なのだが、肝心のスポーツ映画としての感動が薄い…。
でも映画のキャラクターは必至に野球していたけどもね。それがドラマのおまけに見えてしまうんだよな。
監督はこれまで脚本を中心にやっていた人で、2本監督はしたが、微妙な評価だし、オレも知らない…。ただ脚本の腕はかなり高く、『ミスティック・リバー』や『L.A.コンフィデンシャル』なども手がけている。ちょっと社会派よりの映画が好きみたい。
制作費は4000万ドルと『マネーボール』よりも1000万ドル少ないが、俳優陣が無名などの人も多い。
また映像が綺麗で、ちょっとテレビドラマっぽいのも印象的だが、映画の舞台の40年代のアメリカが小綺麗に再現されていて、なんだか不思議な気分。
『マッドメン』とかでちょと実感していた世界よりも綺麗で、変な気分。
ジャッキーを演じた俳優は知らない人だけども愛らしくて素敵だった。妻ともイチャイチャしててよかったけども、なんか異様に黒が映えているんだよな。意図的かな?
過剰とも言える演出の数々だけども確かにアメリカはそういう社会だったんだよな。
どうしてそうなったんだろうか?なんかそこまで攻め込んでくれたりさ、戦争では一緒に戦ったりしなかったのかな?なんかもう少し戦争とかの話題でてくれるとおれの涙腺には来たかな?
熱い映画じゃないんだよなー。
ハリソン・フォードは最初の方は、うまく喋れてなかったんだけども、大事な感動的なシーンはすごい頑張っていて、かっこ良かった。
でもこの人の本心は商売だったのか償いだったのか?それとも未来を変えたかったのか?なんかよくわかんないのもちょっとな。
総評としてもやはり差別に実直に向き合って、徐々に心が変わって行くチームメイトの姿とか見て「よかったなー」と老婆心で涙ながしていた。
この差別っていうのがアメリカ的で、日本ではちょっと遠い世界の話。
一方的に黒人がかわいそうというスタンス、確かにそうだが、黒人が暴走していたりとかはこの時代なかったのかな?そういう背景とかも映画内で教えてくれたりしたら、なんかもっと違和感なく見れたと思うんだけどな。ちょっと映画全体が偽善に彩られて臭いんだよなー。
一番臭いのは音楽の使い方。これは酷いと言っても良いかも。
なんか我慢する度に彼を英雄のように讃える音楽が流れる。
逆に臭過ぎて笑えてくる。
最終的に映画は、差別意識を変えたと言うか、ジャッキーはよく頑張った程度で終わる。
もっと大盛り上がりの差別を越えた感動を与えた選手レベルにまで仕立ててもよかったと思うんだけどな…。まぁー人種差別は現在でも続いているようですしね。南部のアメリカ怖いな…。
差別って日本で言えば、いじめとかにつながるのかね…あいつが不細工だからとかあいつが気持ち悪いとか。その解決策として、英雄的行動をとるとかすれば良いのかね。
いやこのジャッキーのスペックWikipedia見たけどすごいぜ。もともと陸上の選手だったりとか、サッカー選手だったりとか、お兄さんもオリンピックでメダルもらっているし、凄いんだぜ!
そもそもそういう奴絶対いじめられないしな。やっぱこの映画は、アメリカの差別に訴えかけた伝説の伝記の映画化なんだよな。
現実に流用できるようなものは無い物の、親子で見るべき映画ではあると思う。学校の勉強会とかで見るにはちょうど良い生真面目な映画。
まぁー面白かったけどね。
得点
物語 6/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像や俳優への演出やビジョン 6/10
音楽 5/10
俺の趣味 5/10
58点
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