Multiplex広告:記事は下部から

△エージェント・マロリー 2012年度78本目△「ジャズと女子格闘家とスパイとソダーバーグ」

「ソダーバーグ流娯楽スパイ映画?」

$『A Little his REDEMPTION.』映画オタクの映画批評~season Ⅶ~-エージェント・マロリー
アメリカ2012年アメリカ制作アメリカ

監督
スティーブン・ソダバーグ
(『オーシャンズ11』『コンテイジョン』『チェ』『セックスと嘘とビデオテープ』『インフォーマント!』)
出演
ユアン・マクレガー
(『ゴーストライター』『トレインスポッティング』『ムーラン・ルージュ』『ビッグフィッシュ』『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 』『ヤギと男と男と壁と』)
チャイニング・テイタム
(『21jump street』『君への誓い』『親愛なるきみへ』『ステップ・アップ』)
マイケル・ファスベンダー
(『プロメテウス』『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』『SHAME -シェイム-』)
アントニオ・バンデラス
(『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』『デスペラード』『スパイキッズ』『マスク・オブ・ゾロ』)
マイケル・ダグラス
(『ウォール街』『ワンダー・ボーイズ』)
あらすじ
肉食系女工作員映画
現代のアメリカ、ニューヨーク北部のダイナー。
マロリー・ケインというスウェット姿の女性が誰かを待っている。
そこに現れたアーロン(チャイニング・テイタム)は二日酔いで少し横暴。車に乗れとマロリーに催促するアーロン。二人はすぐさま殴り合いを始める。割って入った青年スコットのおかげでマロリーはアーロンを撃退し、スコットを誘拐し、車を走らせる。
車内でマロリーはスコットに語りかける。
マロリーはケネス(ユアン・マクレガー)が運営する民間軍事会社の社員でありケネスの元カノだ。
ケネスの元に一つの依頼が舞い込み、それは政府絡みの仕事だ。バルセロナで拘束されているジャーナリストのジャンを救出する任務だ。それに抜擢されたマロリー。そしてアーロン他2名。
彼らは協力して任務を行い、ジャンを救出する。
そして任務を終え帰宅したマロリーのもとにケネスが現れる。ケネスはマロリーに楽な仕事としてイギリスの諜報機関MI6の補佐の任務を依頼する。それを承諾し、相棒となるポール(マイケル・ファスベンダー)と合流したマロリー、二人は夫婦を装い、仕事をこなすのだが、パーティーに潜入中にマロリーはポールの後を追うとジャンの死体と自分の付けていた装飾品がジャンに握らされていることを知る。
マロリーは罠にはめられている。ホテルに戻るとポールから襲撃され、返り討ちにしたマロリー。
ポールに殺しを依頼したのは、なんとケネスだった。
絶体絶命のマロリーは逃げ延びることは出来るのだろうか?そしてこの罠の裏には一体何があるのだろうか?
2012年10月2日鑑賞
感想
前置き
久しぶりに映画を見ようと思い、何を見ようか考え、意外にも本作『エージェント・マロリー』を鑑賞することにした。
入場者プレゼントで春雨系食物のマロニーを配っていた謎の作品で、筆者は、予告編も内容もよく知らずに鑑賞することにした。
とりあえず前情報としては、監督がスティーブン・ソダーバーグで出演にユアン・マクレガーとマイケル・ファスベンダーがいることを知っていた。
また評価がimdb内で低いこともチェック済みだが、評論家の評価は高い。
とりあえず『オーシャンズ13』が大好きな筆者としては、『ボーン・レガシー』より気になった。
見た感想
蓋を開けてみると、これはなかなかマニアックな映画だった。決して娯楽映画として面白い作品ではない。むしろアート系とも言える、ソダーバーグらしい作品だった。
音楽が『オーシャンズ13』の人と同様であることは、結構重要で、作品の演出もなんと『オーシャンズ13』に近い所もあった。
『オーシャンズ13』での軽快なジャズで、スリの手口やら強盗をインサートショットで見せて鮮やかにスタイリッシュに描く手法が、今作では工作員の鮮やかな準備段階で披露される。
これはなかなかマニアックだ。
むしろ場違いとも言える異色な演出。いや実験映画とも言える大胆さだ。
またこれは後から知ったが主人公のマロリーがアメリカで活躍したかなり強い格闘家なのだ。
その彼女が繰り出すアクションの数々。特に一対一での攻防は、とても迫力があり現実味の強さを捉えている。それもなかなかマニアックだ。
またその格闘家が繰り広げる脱出劇もまた現実味が強く、彼女の肉体的な極限の表現が感じ取れる。似ている映画としては『ボーン・アルティメイタム』の人間の肉体的限界の披露がここでフューチャーされている。
そういう意味で、ソダーバーグが撮ろうとしたビジョンがとても明確になっており、非常にマニアックでありながら、見応えたっぷりだ。
ソダーバーグが描きたかった、工作員を主人公にした映画とは、これなのだと、ドドン!!と公言されたような、妥協のない凝りに凝った映像や配役、そして無名の経験の無い人間を主役に持ってきてしまうその大胆さ、これはなかなか凄い映画なのだ。
配役も凄い豪華なのも言及しなければ、全てが注目すべきだ。
悪役にユアン・マクレガーというのは、なかなか大胆だ。小悪党ぶりが小気味良い。
ファスベンダーがMI6というのが、やばい。確かに彼ジェームズ・ボンドがはまりそう。
監督自身、本作を初期の『007』を意識しているのだから、監督の理想的なボンドは、細身の無骨なダニエル・クレイグなどでは無く、チンコのでかく、気品のあふれる紳士ドイツマグニートのサイボーグファスベンダーだったんだろう。彼があっけなく殺されるのもガジェットしてたまらない。
チャイニング・テイタムの採用も良い。彼は今一番勢いのある若手で、今後も男性のストリップバーを描いたソダーバーグの作品で主演を務め、全米で大ヒットしているのだから、ソダーバーグの視点は冴え渡っている。その練習としての監督とのコラボ、やはりこの映画のポテンシャルは異常だ。
また大御所としてマイケル・ダグラス、そしてアントニオ・バンデラスというこれまた映画ファンには嬉しいチョイス。
そして妥協の許さない画作り。アクションシーンにも関わらず、映像として奥行きを大事にした本作の手法は、かなり異色だ。
ちょっとしたネタで、鹿が突っ込んだのは驚いた。
あと序盤で二丁拳銃を振り回すのは熱いな。
総評
しかし総評としては、この手のスパイアクションエンターテイメントとしては、異色過ぎるし、話しが薄過ぎる。裏切りのある物語としては引退したスパイが裏切り者を探す『裏切りのサーカス』が近年印象的で、それに及ぶスパイらしいドラマは本作にもなく、またテンポもそれにそぐうスタイリッシュさも足りない、逆にアクション映画としての『ボーン』シリーズや『007』シリーズと比べるにしてもコテコテさやスケール感が足りず、1凄腕の工作員が裏切りにあいそれを切り抜けるのを現実感が強くだした形で描かれているに過ぎなく、やはりエンターテイメント性が低い。
監督の趣味映画に過ぎないとも言えるか。
オチの件も『オーシャンズ12』に近いのも印象的だったりする。(笑)
またこう言っても物語の描写や人間の内面が描かれていなかったりもするのもあれ。
実際何がどうなったか把握できなかったりする。一体誰が一番悪い奴だったんだろうか?
同様に把握出来ていない人もいたようだし、アクションシーンを独自のスタイルで演出することに力を割き過ぎて、肝心の物語がちと難解になっていたとも思う。
メモ得点メモ
6
原題は『haywire』で計画が混乱する、めちゃくちゃになるという意味らしい。邦題の『エージェント・マロリー』より観賞後は納得出来るが、鑑賞中は邦題の方が良いかな。
またimdbでは観客の評価は2012年10月2日の時点では10点中5.9とかなり厳しい、しかし海外のローリング・ストーン誌では本作を88点と大変高評している。
正直納得だ。むしろ評論家の評価はこの映画はもっと高くして欲しいぐらいだ。
ソダーバーグらしいスパイ映画として、なかなか良い映画を鑑賞した。
オススメはしないが、興味本位で見ても良いと思う!!
ブログパーツ
人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
構成『オーシャンズ13』でアクション『ボーン』で話しは裏切り系のスパイやんわりスパイもの。(笑)
予告編後で見て、どっちも作品の内容とかけ離れていて、がっかりした。
『ボーン・レガシー』とどっちがスパイ映画として面白いか見比べるべく、後日『ボーン・レガシー』を鑑賞することにした!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA