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◎モテキ 2011年度104本目◎

「物語はちと不安定。」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-モテキ

日本2011年日本制作日本
予告編

ドキドキあらすじドキドキ
藤本幸世(森山未來)、31歳。1年前にやってきた“モテキ”の後も幸世は金もなく、夢もなく、恋することも忘れた孤独な日々を送っていた。派遣社員を卒業するべく、一念発起して話題のニュースサイト・ナタリーの面接を受けた幸世は自身は、そこで以前お世話になった墨田(リリー・フランキー)と再会、散々罵倒されたのだが、何故か墨田の愛人に殺されてしまった幸世。
死ぬ寸前、幸世は思った「まだ人を愛せてないのに死んでたまるか!!」
死の淵から生き返った幸世は、ナタリーの新人ライターとして働き始めるのだった。
ツィッターで愚痴をこぼす中、同業者の方に興味を持たれた幸世は、その人とお酒を飲むことになるのだが、男だと思ったその人は、なんと美人な女性みゆき(長澤まさみ)だった。意気投合する二人だったが、彼女には恋人がいるとか。しかし彼女に惚れた幸世は、本当の恋愛をする為に頑張るのだが…。
2011年11月21日鑑賞
ドキドキ感想ドキドキ
テレビ東京の『ドラマ24』枠内で放送された『モテキ』の映画化。
もともと原作漫画『モテキ』というのが、存在しており映像化作品にしては原作自体も全4巻と短めであるが、連載当初から傑作と名付けられており、またドラマ化に際しても『ドラマ24』の20作目として記念的作品になった。
そもそも『ドラマ24』って言うのは、金曜の深夜にやっていたマイナーなドラマであり、お色気要素が強かったり、ぶっ飛んだ作品が多かった印象がある。
その『モテキ』の演出は『大根仁』という方で、『20世紀少年』やテレビドラマ『池袋ウェストゲートパーク』『TRICK』『ケイゾク』などで一世を風靡した名クリエイターが取締役を務める会社の同じく取締役であり、自分はそこまで詳しくないが気鋭のクリエイターの一人であり深夜ドラマ番長という肩書きがあるらしい。
また自分は、『モテキ』に関してはテレビドラマは未視聴であり、原作本を全巻パラ読みした程度のものである。
あと公開前に1度途中から見たのだが、もう一度見直したわけです。
セカチューコンビが7年ぶりに帰ってきた。
森山未來と長澤まさみが、2度目の共演。それもまたも恋愛映画。『世界の中心で、愛を叫ぶ』を高校の時見た、筆者は、今やクソなフリーターです。その二人がここまで成長したか。と思うと嬉しくなるような、ならないような。
2回目の方があんまり楽しめなかった。
ネタを知っているからか2回目はそこまで楽しめなかった。前回は長澤まさみを泊めた翌朝から鑑賞したわけだが、「なんだこの日本映画!!すげぇーじゃねえか!!」って感動したのだが、その部分までは案外面白くないのね…。
センスが良いと思う。
監督の映像センスはテレビ局映画にしては、かなりハイセンスだったと思う。
特に前回までのモテキを説明する描写で、何気ない幸世の帰り道風景に、テレビドラマ版のハイライトを合成させるのは、色々と凝っていて面白い。今までの日本映画は何故それをしなかったんだ?
ふとしたシーンの美術の凝り具合も逸脱。確かに露骨なマイナーな部分で評価されているものの乱立はあるだろうが、それでも非常に優れたセンスだったと思うよ。
幸世がふて寝した隣には「まだオレは本気を出していない」の単行本が見切れてたりとか、そういう暗喩が上手い具合に出来ていて、それを日本映画で味わえるのは嬉しいよ。
音楽の面も良いと思う。冒頭のさりげなくコンビ二で流れているhalf-lifeの「JPOP」だとか、そういった物事の大事にするセンス。
劇中で流れる歌も暗喩が出来てると思うし、そしてそれが良い意味でTVの延長線上だったと思うんだよ。そういう意味では非常に優れていたと思うのです。
『モテキ』?
自分は一つの恋愛映画として、本作はそれなりに良作だったと思うのです。
しかしこの映画のタイトルが『モテキ』なわけです。確かに宣伝上には美人な女優さん。それに今が勢いがある方達が4人も出演されていて、『モテキ』というタイトルです。
そうなったら幸世がこの4人と同時に恋愛をして真実の愛を見つけるというハーレムな映画を想定するのは至極当然なはずです。しかし本作は「長澤まさみ」一択という構成になっており、仲里依紗に関しては、不必要だったとも思える謎の存在になっているし、真木ようこも完全に恋愛対象になってなかったわけで、どちらかと言えば、普通の恋愛映画になっていたような…。
それを見る側がどう捉えるかですな。自分は恋愛映画好きだし、幸世の葛藤が良く出来ていたと思うのですが、期待していた映画ではなかったと思う人は当然いると思う。
幸世はありか?
31歳の恋愛というよりは20代の恋愛に見えたのは自分だけだろうか?そもそも幸世自体が31歳とは考えられない程、子供っぽい。『モテキ』のスタイルとして主人公のモノローグが大事なガジェットとしてあるわけで、それが笑えるというのもある。
しかし本当に31歳でこの思考なのか?まぁー設定的に「まだ童貞と同じ」というのもある。
しかしその設定を突き詰めた結果、やり過ぎて主人公の存在自体が不快と感じられる場合もあるだろう。
自分も麻生久美子を振るシーンは納得出来なかった。確かにそりが合わないとは思うが、「幸世が変えて行く」という選択肢は浮かばなかったのか?と思ったりもした。だがそのシーンは最高に笑えたね。
また幸世が暴走するシーンとか31歳なのに良いの?とか思ったりもしたし、長澤まさみとの駆け引きで「麻生久美子とやった。」と発言するシーンは主人公としてダメ過ぎる。
しかし職場の上司とモテキについて話した時「30代って言っても、お前が思っている程大人じゃないんだよ。」とおっしゃっていた。
ある意味では、リアルなんだろう。
大根は何をしても大根の意味。
ぶっちゃけ、長澤まさみが全然好きではないわけで。1回目の鑑賞の時は、それなりに素敵に思えた。
しかし2回目の前に『岳』を挟んでしまったのだ。あれでの大根ぶりに私は、彼女に絶望した。
その眼鏡を通してみる彼女は「やはり演技が下手なのだ。」監督の演出が見えてくる程、取ってつけたような演技だった。
だがしかし「にいにいー」と言っていた彼女が「幸世くんじゃ成長できない。」と言ってくれたときは、彼女の成長を嬉しく思えた。頑張れ長澤まさみ。
恋愛のえぐさ
正直言えば、中盤で大きく笑い、終盤では胃がとても痛くなった。
幸世が直面する恋愛は、かなりえぐい。好きになった人を本気で愛したい一心で、みゆきに挑む幸世だが、彼を待っていたのは、人間の格の問題だった…。
この恋愛体験に少なからず同情した自分は胃が痛かった。敗北した幸世の姿は凄かったな。BGMとして流れるくるりの『東京』が素晴らし過ぎた。つまり演出が素晴らしいのだ。
しかし「物語はちと不安定」この物語を待っていたのは、心と心のぶつかり合い。脳内の思考を越えた「恋と愛」に対する哲学を貫いた。「不安定」に賭けた正直さの大切さを説いた。
自分はありだと思ったし、やはりこの部分の野外ライブ撮影での映像が鮮やか過ぎて映画好きとして心を奪われたわけだ。いや本当に日本映画で「映像」での興奮を2011年に味わえるのは嬉し過ぎる。
挑戦的なTV局映画。
確かに問題の多い映画ではあると思うが、非常に色んな部分を頑張ったと思う。
冒頭の構成も面白かったけど、全体的にそういった挑戦を幾重にも渡って繰り返している。
自分はあんまり良いと思えなかったがPerfumeを起用した唐突なミュージカルシーン。勿論引用元は『(500)日のサマー』であるが、頑張ってはいるものの、やはり人が多ければ、ミスをする人が増えるもの、遠くの方の手拍子には熱が冷める。
唐突なロボットの利用にも頑張りを感じた。想像上の死にたいを違う自分で殺すとか面白いな。
「B’zもう聞かないから」はやはり良い。脚本自体も監督の大根仁さんのようで、しかも監督なのにカメラも回したかなりの異端児であるが、そういった気持ちこそ映画界には必要だと自分は思う。
映画製作は帝国のようだと本にあったが、結果的には独裁者がいかに優れていたかが焦点になることがしばしば、その独裁者が頑張ってるんだから、良いんじゃないだろうか?
そういった監督のセンスが前面に出て、監督のイメージが最高の質で具現化している稀な日本映画である。着ているTシャツ。部屋にある漫画、流れる音楽。映像の構図。頑張っている。
やはり後ろにいるだろう堤幸彦の力なのだろうか?
しかし同時に謎演出もあったりして、麻生久美子と仲里依紗の扱いには問題はあったし「モテキ」なのに「モテキ」が全く描かれていなかったり。しかし本作は映画監督1作目であることを考えるとこれからが非常に楽しみであることは確かだ!!
ソーシャル・ネットワークから始まる恋愛物語。
てかそれって新しくない?違和感は少なからずあるだろうが、そういう事を描いた映画って今まであまりなかったような。そういうアンテナが上手くはれてて、それを創作物に入れられる自体凄い。
まぁーそのアンテナからの受信された情報が数多く映画に具現化された。
そしてそれを優れた構図で映像に収めた。映画の内容以上に優れたものが見れたと筆者は思う。
メモ得点メモ
8
映画通は不評らしいが、自分は好評でした。2回目の方がつまらなかったけどね。特に序盤が、なんで死んだのに復活出来るのとか。そもそも死ぬなよ的なね!!
あと本作は頑張り過ぎて大赤字だったらしいが、結局は堤幸彦が『はやぶさ』を監督したことで黒字になったとか。笑
さすがです堤さん。今のこの人の映像作品はそんなに好きじゃないですが、『池袋ウェストゲートパーク』は自分の青春です。

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