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【Netflixオリジナル】全裸監督【解説 考察:Netflixマネーで世界観推しが強過ぎて間延び】

全裸監督

製作

2019年日本連続ドラマ Netflixオリジナルシリーズ

出演

山田孝之
十三人の刺客
凶悪
・電車男
ミロクローゼ
リリー・フランキー
・万引き家族
そして父になる
凶悪
・ぐるりのこと。
國村隼
・哭声/コクソン
・オーディション
アウトレイジ
地獄でなぜ悪い

あらすじ

1980年日本の北海道の札幌市。
この地で会社員として英語教本の訪問セールスマンをしている村西(山田孝之)は、
営業成績が非常に悪く、サボり癖もある。
その上、喫茶店のトイレでオナニーをするぐらい性欲が強い。
会社はそんな彼に厳しく当たり、来週までに売り上げを立てられなければ、
解雇することを告げる。
会社側も彼を育てるためにトップ営業マンの小野(板尾創路)に村西の指導を委ねる。
小野は村西に客を女性だと思い、女性を口説き落とすように営業行為を行うことを伝授。
村西は小野にはめられて暴力団の住んでいる家に訪問営業をさせ、
村西は、動揺しながらも会話の節々に英語を混ぜたりしながら、
英語を使って海外の女性を口説けるなどと言うことを伝え、絡まれながらも販売することに成功。
そこで自信のついた村西は、暴力団風の男以外にも多くの人を口説くように利点を伝えることに長け、会社のトップ営業マンへとなる。
村西の家族も彼を見る目を変える。
しかし村西は嫁との肉体関係がうまくいかず、悶々な日々を過ごすのだった。

そしてある日、会社に出勤した村西は、会社の金庫から売上が盗まれたことを知る。
そのまま倒産してしまう会社。犯人はどうやら小野のようだった。
途方にくれた彼を待っていたのは、家に帰宅して、郵便配達員と性的な関係を持つ嫁の姿だった。
そして村西は嫁と離婚する。
何もかも失いスナックで酒に溺れた村西はそこで職業不詳の荒井トシ(満島真之介)と出会う。
トシは村西に喧嘩を止めてもらい借りを感じ、村西にトシの収入源であるラブホテルでの不倫行為を盗聴して録音したテープを聞かせる。
不審がる村西をトシは実際のラブホテルの盗み見みの穴を見せてもらい、
村西は自分を成功に導き、苦しめた性欲でさらなる大金を手にすることを決心。
トシと組んで盗聴テープをエロ本屋で大量に販売するが、その途中で見つけたエロ本に興味を抱いた村西は、エロ本を独自ルートで大量に購入。
さらにサラ金で多額の借金を抱え、北海道内にある平凡な本屋を直接交渉を行い購入し、
エロ本屋を立ち上げる。

村西の営業力により問題にならないように警察に協力を仰ぎ、目をつけられないようにし、
大量に店舗を増やす。

それに目をつけたのがエロ本メーカーのポセイドンの社長の池沢(石橋凌)。
池沢は村西と交渉を行い彼の店舗を全て購入しようとするが、村西は断る。
結果池沢は村西と対立関係になる。
池沢は村西の店舗に本を供給しない方針を立てる。
逆に村西は無修正の本を作成するために、出版社を訪ねまくる。
そして村西は出版社社長の川田(玉山鉄二)と出会う。
川田は村西の類い稀ない才能に感銘を受けて、自身の仕事を放棄し、村西と一緒に
印刷会社へ向かう。
そこで村西と川田は印刷会社の工場長に工場の買い付けをし、成功する。

独自の無修正本を売り始めた村西の店舗は更なる業績を上げる。
しかし池沢はコネクションを活かし、東京の警視庁から武井警部(リリー・フランキー)を呼び寄せ、村西の無修正本製作と販売に対して、捜査を行わせる。
武井がいない状況では、裏金を渡すことで販売ルートを維持していたが、
武井により逮捕されてしまうのだった。

そして村西は久しぶりの家族との団欒もつかの間、警察の自宅への踏み込みを知り逃走する。

1982年。
逃走中の村西は、部下たちの懇願により札幌市に帰郷を決めるが、それは罠だった。
逃走するも警察に捕まってしまうのだった。

それから半年後。
エロ業界はエロ本からビデオデッキ普及によりアダルトビデオに移り変わる。
出所した村西は小料理屋で営業終了まで飲み続け、
店主の未亡人お女将さんとお酒を酌み交わし、
そのまま性行為を行う。
未亡人の彼女とは駅弁売りの亡くなった旦那との特殊な体位を村西にねだり、
村西は彼女を抱え駅弁を首から下げて売るように彼女と交わった。
ことが終わり小休止をしている最中、村西はふと8mmビデオとカメラを見つける。
そこでビデオを再生した村西は女将さんと亡くなった旦那さんの愛情の溢れる性行為の一部始終を
収めた映像に感動する。
感動に突き動かされた村西は再び川田とトシと再会。
アダルトビデオを製作するためにエロ本販売で収益を得た暴力団の古谷(國村隼)の協力を得て拠点を北海道から東京の新宿区歌舞伎町に移して、活動を開始する。

そして同じ頃、佐原恵美は大学生になる。
彼女は中学生の頃から性的なことにとても興味があった。
しかし厳格なシングルマザーの意向により、気が狂うように清潔を重視する日々を送らされていた。
そんな彼女は大学生になり、より性欲が強くなるが、決して人を愛するわけではなく、
見ず知らずの誰かに性的な嫌がらせを繰り返していた。

2019年8月18日Netflixにて自宅鑑賞完了



地上波じゃ作れないポルノドラマ大作をNetflixマネーで日本人が製作!!

日本のAV業界で大成功を収めた村西とおるの半生を虚構を交えて描いた作品が
本作『全裸監督』だ。
実力派演技派個性派俳優の山田孝之が伝説のAV監督村西とおるを演じ、
伝説のAV女優の黒木香との出会いなどを描いた作品。

地上波のドラマじゃPTAやらクレーマーたちによって絶対放送禁止になるような内容だが、
Netflixならお胸ぽろんもセックスも下の毛も問題なく出していいし、
視聴数やら加入数が増えればなんでもいいし、企画が面白ければ製作もGOしてくれるという、
超優良企業の力を借りて、山田孝之の偏ったセンスが見事に調和する凄まじい作品が出来上がった。

やはり内容的には日本の性産業を描いた作品なので、
無名女優さんが多いが、
それでも山田孝之周囲にはイケメン俳優の玉山鉄二やら、満島真之介。
そして柄本時生やらリリー・フランキー、さらには國村隼も出ており、
濃いメンツがそろっている。

監督はちょっとアングラな人やら若者向けの青春ラブコメ映画を撮ってる監督との共同で、
いまいちなんとも言えない。

しかし性産業を描いているので、ヤクザ要素も出てくるのは、まぁそうだろうなぁと思う。

お金ありすぎても面白いものが作れるわけではない

凄まじい資金力で、やりたいことをとことんやっている印象の本作。
80年代の日本を再現するセットやそれっぽい人の多さ、
エキストラの種類も多種多様、セットも大量にあり、
テレビドラマではありえないロケってよりはセットなんだけど、
膨大な種類を感じさせる。
これが海外マネーの力なのか?
本当にすごい。
服装も多種多様で、挙句に後半ではハワイまで行って、飛行機からの映像もあり外人も登場。

このスケールでの日本のテレビドラマ、正月とかの連夜放送であるかないか、
いやほぼないスケールのでかさをまさかの性産業の叙事詩のようなものを描くというすごい視点。

いや本当にやりたいことやりたい放題でやってるけど、
やりたい放題すぎて散漫としている。

金があることはわかる。
小道具などの全てに金がかかっていることはよくわかる。
だからといって面白いわけではなく、
8エピソードあるが4ぐらいから面白くないことに気づく。

いや面白くできる要素はあるが、それを多額のマネーと製作時間により逆に溺れてしまってるのではないかと思う。

第3話までは結構面白い!

これが日本版『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』だ!!

と言っても過言ではないかと思う。
正直売れない営業マンでもある自分としては、
第1話の最序盤の村西の境遇はなんかわかる。
そんな彼が営業マンとして出世して行く姿などは、
生々しさとテンポの良さが際立ち、徐々に豹変していく山田孝之の根本的な演技の魅力も
含めて非常に良かった。

そしてそんな彼が自身の成功と失敗という葛藤の矢印にあるエロというものに全てを委ねて、
ひたすらに邁進していく姿がエネルギッシュで面白い。
起こる事件やら増えていく仲間、その顛末含めて、
さらに駅弁との出会いなども面白かったのだが、
その3話の終盤で新宿に行ってからのテンポが一気に遅くなり。。。。

金があるからって長回ししていいわけではないのではないか?

本作クソ金があるからか長回しやら俳優の演技やらを長回しにしたり、
やたらシーンを増やしたりして、実話とは思えない虚構がどんどんカサ増しされて、
物語がどっちらかって、散漫としている。

本来好きだな、こいつがどうなるか見たいなって思った村西は、
対立構造にある池沢に終始嫌がらせをされて、
彼が持つ才能が、全く開花されない。
しかもドラマの第1話であたかもさ彼が中盤ぐらいで大成功を収め、
そこまでの道程とその後のプロローグがあるのかな?と思いきや、
その大成功に達するちょっと前でシーズン1が終わる。
なんとシーズン2へ続くようなのだ。
クソだ。

クソ間延びしているのに、見たかったものが最後まで描かれるわけではなく終わる。
1番ダメなドラマシリーズだ。

正直無駄な間やエピソードで主人公である村西を描かない部分をできるだけ少なくすれば、
5話ぐらいで完結するのではないか?
それなのに他のキャラクターのエピソードを描きすぎて、
しかも本編とはあんまり関係ないようなあるような、いや根本的にこのドラマシリーズの主題は、
村西とおるの物語だと思って見たら、
1980年代のアダルトビデオ業界に纏わる逸話を描いた作品で、
その渦中の中で、女性の性への価値観やら、アダルトビデオに関わる裏社会の暴力団のエピソードやら、その界隈の物語を全編描きすぎてて、
それがね別に面白くないのよ。
よくある日本のアングラ映画程度の思考に陥ってしまてる。
もっとソリッドで良かったのではないか?

もっと濃い話を期待していた自分がいる

結局のところモデルにした人物はいるものの何が本当にあったことなのかよくわからない、
脚色というよりは虚構の物語過ぎて、
なんだかよくわからないのだ。
歴史大作のようで歴史大作ではないエンタメコメディ。
もっとやばい実話エピソードの数々でソリッドに作ればもっと過激に面白くなるのではないか?
とか思ったり、そうなってくると何を自分は見ていたのかよくわからない。
終始嫌がらせを受ける村西の作りたいものが作れない地獄の日々を延々と見せられるという、
全然面白くない時間が延々と続く、タランティーノもびっくりな我慢ドラマ。
我慢しても別にそれがやってくるわけではない。
だったらもっと短くていいし、もっとやばいエピソードもあっていい、
ハワイの展開とか全然面白くないし、やるならギャグ要素全部削って、
失敗を描いた作風でも良かった中途半端にギャグがあってクソ。
やばいものを見た感よりも変な人がいっぱい出てくるちょっとやばいドラマでしかないのは、
とても惜しかったし、逆にリアリティがなさすぎる。
金かかってるのに結局何が描きたかったのかが不明確すぎる。
惜しすぎる。

音楽センスどうにかしてくれ

海外展開を意識した音楽の数々が逆にきになる。
ジェイク・ジレンホールの『ナイトクローラ』のような拙い男の革命の兆しを
『インターステラー』の予告で聞いたピアノの音が鳴り響く、これが変。
そして決まったように延々となる電子音の仰々しい音楽。

さらにはさらにはここぞとばかりに流れる洋楽。
なぜ洋楽?イギーポップのパッセンジャーなどなんかわかる。
そしてまたも刑務所に戻ってしまうとこでエイミー・ワイン・ハウスのバック・トゥ・ブラックもわかるにはわかるが、ダサい。
ポップ過ぎてダサい。

音のバランスわろし

BGMがでか過ぎで、台詞が聞こえづらいこと多々あった。

よくわからなさが辛い

結局のところ本作では村西はアダルトビデオを4本しか作ってなくて、
さらに借金だらけのようで、それなのになぜか金がある。
シナリオが結局妙なとこで破綻している。
黒木香の思考もいまいちよくわからない。
アダルトビデオに出たかったのは海外留学の為だったが、
出演料は手に入ったのか?そして最初から処女だったのか?
アダルトビデオに出る前に性欲が異常である描写が他の男との関係で描かれるなどあっても
良かったのではないか?
そして最終的には村西のために、テレビに出るが、その変遷の人格形成の葛藤は何故描かず、
余計なコメディに走った?
そして村西への恋の描写が少な過ぎて、海外留学の件はどうなった???

というドラマ要素の重要点を無視して、対立する池沢の動向ばっか描いてて、なんだかなぁ。
規模ばっかでかすぎてなぁ。

でも終始、玉山鉄二は最高だった。
終盤とことん怖くなる國村隼と闇落ちするトシなど素敵だが。。
ラストで本作が8年間も描いた作品だと発覚。
描写すくなくてつらい。

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3.△【61点】バスターのバラード【コーエン兄弟の自由な映画製作】△
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