製作
2020年アメリカ映画
フィンチャーの新作を見たがわけわからんかった
監督
デヴィッド・フィンチャー
・ゴーン・ガール
・ソーシャル・ネットワーク
・ファイト・クラブ
・セブン
キャスト
ゲイリー・オールドマン
・裏切りのサーカス
・ダークナイト
・ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
・ドラキュラ
アマンダ・サイフレッド
・レ・ミゼラブル
・ミーン・ガールズ
・マンマ・ミーア!
・親愛なるきみへ
リリー・コリンズ
・シャドウハンター
・あと1センチの恋
・白雪姫と鏡の女王
・ミッシング ID
チャールズ・ダンス
・ゴスフォード・パーク
・ゲーム・オブ・スローンズ
・イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
・高慢と偏見とゾンビ
あらすじ
1940年アメリカ。
西部カリフォルニア州、ハリウッド近郊。
映画脚本家のハーマン・J・マンキーウィッツ
(ゲイリー・オールドマン)は、
映画『市民ケーン』の脚本を
オーソン・ウェルズから請け負う。
『市民ケーン』はマンキーウィッツこと
マンクが以前親しくしていた新聞王の
ウィリアム・ランドルフ・ハースト
(チャールズ・ダンス)を批判する脚本だ。
執筆中にマンクは、
1930年にMGMスタジオに在籍中に
ハーストとその愛人の
マリオン・デイヴィス(アマンダ・サイフレッド)
との出会った日、そして彼との政治思想の
違いや考え方を回想し、
締め切りギリギリだった脚本を完成させる。
2020年12月6日自宅Netflix鑑賞 2020年70本目
『市民ケーン』を書いた男の思うこと
デヴィッド・フィンチャーの6年ぶりの監督作品は
Netflix製作作品。
海外ドラマ『ハウス・オブ・カード』
『マインド・ハンター』を製作した
経緯があるからだろう。
Netflix製作だと監督やりたい放題になりがち
コーエン兄弟の『バスターのバラード』の時も
そうだったが、
監督がやりたい放題。
特にシナリオ面において観客側に対する配慮がない
趣味に傾倒しがち。
今作ではまさかのフィンチャーの
実の父親が書いた唯一の脚本を映画化。
しかもまさかの『市民ケーン』の脚本家が
どうして友人の億万長者を批判する内容を
書いてしまったのか?という物語。
しかしフィンチャーはそれを普通の思想で
撮ることはせずに。
『市民ケーン』と同じ時代の世界観を
醸し出すべく。
8Kデジタル作品を白黒で撮影し、
フィルム風味を施している。
個人的にすごいと感じたのは照明。
フィルムっぽいフワッとした明るさが、
画面を彩っているのが印象的。
流石に白黒映画だけあって、
色味が全然感じられない中でも
照明の光の質感はとても
印象的に見える。
またフィルム上映あるあるとして、
フィルムが次のやつに行く前に出る
右上の印がNetflixデジタルでの確認でも
出てきて、当時の映画の趣を彷彿させる。
フィンチャーの映画愛が爆発
映画を教えてくれた父への
アンサー映画というか。
さすがNetflix大物にはやりたい放題。
正直よくわかんねぇ映画だった
中盤からはだいぶエモい作品になるんだが、
序盤が右から左に流れてしまった。
映画本編ではハーストが新聞王であることや
メイヤーがMGMの代表であることなどは
明確には表現されていない。
予備知識必要
前提で『市民ケーン』を見ている人しか
見ないということもあるかもしれないが。
フィンチャーの新作だから見た。
と言う人は本作を楽しめないのではないかと
思う。
この映画は決して
『市民ケーン』の執筆の舞台裏の珍道中。
アル中作家の大冒険だとか
徐々に精神を病むほど執着していくとか
そういう映画ではないのだ。
むしろ時勢にふさわしい作品である。
マンクは知事に民主党代表を支持するが、
共和党を応援するスタジオに楯突いて、
皮肉を言ったことが
嘘のプロパガンダ映画を製作されてしまい、
民主党は敗北してしまう。
共和党を支持するのは圧倒的な金持ちで、
そしてスタジオ労働者の賃金を半額に
するほどひどい奴らだ。
そんな社会に対しての警報的側面は
まさに大統領選挙と重なり、
トランプ政権支持への批判にも思える。
ちなみにこれは人ごとでもなく
日本の政治家全部一緒だったりするのが
全くもって無情だ。
ゆるくもあるが、
マンクという男の復讐に至るまでの
決意を時勢に合わせて描いた作品
個人的にはそういう風に思えた。
結局マンクは愛される男ではないと思う。
正しいことをしたいと思ったが、
彼の周りは悪の権化だった。
そこから出ることを決心した男の話。
そしてスタジオはクソであるという
そういう民主主義的な作品だった。
賞レースにはノミネートするだろう
マンクを演じたゲイリー・オールドマンは、
演技力がすごいなぁと実感。
監督賞はわからんが、
脚本賞はもしかしたらノミネートするかもだが、
個人的にはあんまり面白い映画ではない。。。
撮影はノミネートするだろう。
音楽については、
今回もトレント・レズナー/アッティカス・ロス。
でも当時の音楽風の優雅なクラシックが流れる。
作るの難しいことさらりとやっているが、
トレント・レズナーの良さみたいなのは
見えてこなかった。
音楽については直近で見た
『ソウルフル・ワールド』の方が
心に残ったなぁ。
まぁ趣味だけども。
リリー・コリンズが微妙に不要だった。
それだったら弟とか
オーソン・ウェルズとか
メイヤーなど歴史的に重要なキャラを
著名人にして欲しかった。
マリオン・デイヴィスについては、
今作で違う人なんだなぁと思うことができた。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 8.5/10
・上映時間と個人的趣味 6/10
69点