「みんな超頑張ってるけど、十三人って多いよね。(笑)本当は十六人ぐらいいるけど。」
2010年日本制作
監督
三池崇史
(ゼブラーマン2ゼブラシティの逆襲)
出演
役所広司
(剣岳 点の記)
市村正親
山田孝之
(クローズゼロ2)
稲垣吾郎
松方弘樹
伊原剛志
窪田正孝
沢村一樹
古田新太
(木更津キャッツアイワールドシリーズ)
伊勢谷友介
(スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ)
予告
STORY
江戸時代末期1844年のお話。
世は天下が平定され200年も経っていて、戦を知らない人間も多く存在している。侍たちもそこまで血気盛んでもなく、営みの中に武芸がある程度だと思われる。
(わかりやすく色々難しい言葉は簡略化します。)
だがある日、政府に対して抗議を起こした男がいた。彼は、明石という兵庫県の一番偉い人松平なかつぐ(稲垣吾郎)の虐殺行為の罪を咎められない件に自身の死をもって抗議をした。
なかつぐは、将軍の腹違いの兄弟であるため、将来は政府の重役が決まっており、そのような重役に彼がなることは、平和の終わりを危惧させるものだったのだ。
それを知った政府の重役の土井は島田新左衛門(役所広司)に密かになかつぐ暗殺の任を頼むのだった。
新左衛門はなかつぐの行いを目の当たりにし、未来の平和を維持するために、死地に赴くが、彼の中で侍としてこれほど素晴らしい死に方は無いと思い、非常に感激するのだった。
新左衛門を早速準備を始め、友人や居候、甥などが集まり、合計で12人がそろった。
新左衛門たちは宿場一つを買い取り、非常に大胆な待ち伏せ作戦を考えるのだった!!
2010年9月26日鑑賞
感想
監督が三池で、出演の豪華さや、以前撮ったクローズなど、そして今作のハイライトであるだいたんな殺陣など多いに期待していた作品だが、蓋を開けてみるとなんとも奇妙な映画だったと思う。
一言で言うと、すっごい頑張っている真面目な映画。
まぁー自分が見たかったのは、三池らしいどっか適当な内容で見せ場のアクションだけ妙にぶっ飛んでいるようなウケール映画。
でも本作は全然違った。すっごい真面目だ。
実際本作はリメイクで、自分は見たことが無いからなんとも言えないのだが、自由度が低い映画であることは確かだ。また豪華俳優陣も注目したい。この豪華さでどのように料理するか楽しみであったのだが、逆にここまで豪華だと、暴走も出来ないみたいでしっかりとした演技や堅苦しい時代劇調のキャラクターばかりだった。
実は、本作もバックにはテレビ局が絡んでいて、撮影も2年がかりで行われ、挙げ句この豪華俳優陣。
ガッチガチに固められた時代劇映画でしかないのだ。
だから今作は違う意味で評価しないといけない。
よく映画完成させた!!
正直、すっごい真面目な映画だった。俳優たちも熱くしっかりと、正直時代劇見慣れないと全然わからない良さが凝縮されていたと思うが、冒頭からの松本幸四郎の起用など、彼の顛末など、映画ファンならずとも鳥肌者だ。
それでもやっぱり本作は難解な映画だったと思う。
時代劇映画をこよなく愛するのってやっぱり高齢者になると思うけど、このキャストはどうにも若者でも興味を持ってみると思うんだが、江戸時代末期だとか、侍の思考パターンだとか、幕府の位だとか、人の名前とか、既存の概念で作られていて、とても敷居が高い。気軽に見ると難解さとグロさで退いてしまう可能性も決して低くない。
それでも自分的にはそう言った要素が強い序盤が妙に好きで、まぁーもうこの時点で三池らしさを自分は感じられなかったけど。ただたそがれ清兵衛の方が、武士の営み的要素が強くて好きだったな。
でもあの仲間が増えてくシーンは結構好き。七人の侍も序盤が好きでね。なんかどきどきするんだよね。
で作戦練ったりするんだけど、こういうとこが本当に好きで、まさか役所広司と市村正親が対立した時は、映画好きとして結構震えた。
ここはもう映画作った側の勝ちみたいなとこあるよね。
このキャスト同士のコラボは堪らない。
みたいな面白さが本作大部強いし、それにプラス役者のやる気がすっごいあるよね。
あの「ゲゲゲの女房」のアシスタントの男の子とか出てて、わかってるなぁーとか思ったり。
古田新太も沢村一樹もこの映画見て、価値観変わる位だし、そう言った意味では、すっごい良い映画。
ただ個人的に微妙だったのが、終盤のバトル。
本当はここが目玉の映画だと思うんだけど、やっぱり十三人も刺客がいるとさ、やっぱり俳優みんな頑張ってるしそれなりにハイライトが必要だと思うけどさ、やっぱり長いんだよね。
挙げ句血みどろで泥まみれで、一部のキャラは判別付かないっていう。
ちょっとしんどいんだよね。しかも目に見えて死んじゃうのがまた驚きが無くて残念というか、魔法が足りないんだよね。
でも松方弘樹さんが本当にやばかった。一人だけVシネ無双だった。(そういうゲームあったらやばいね。)
松方弘樹のキャスティングも神です。
伊原さんの戦いはようやく三池の実力発揮という感じだったかな。その頃はもう自分は疲れてたけど。(笑)
皆さん壮絶に死んで、いよいよラストなんですが、正直、稲垣吾郎がもうちょっと暴走しても良かったと思うんだよな。錯乱して仲間切り捨てるとか見たかった。最後まで戦わないのは物足りなかった。
でも正直そう言った批評よりも自分的には、よくこの映画撮れたな三池!!
ていうことの方が強い。だって終盤のバトルはすっごいいっぱい人が出てきて一糸乱れるんだよ。
それをよくちゃんと撮れたなって。日本人にしてはかなり頑張ってるよね。
まぁーグラディエーターとかよりは劣るけどここは日本だからね。
内容も結構あるし良い映画だよね。スタッフ全員この映画に参加出来たことが誇りになると思うし。
ただね、三池映画だったらスキヤキ・ウエスタン・ジャンゴの方がオレは楽しめたんだよね。
ちょっと真面目過ぎだったかな。上映時間も2時間半もあるしさ。
得点
7点
ワクワクを堅物さで踏みつぶした生真面目な映画!!
これを読んでも見たかったら見て下さい!!
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