「テンポ早過ぎてキツい。」
総監督
富野由悠季
(『機動戦士ガンダム』)
あらすじ
日本の山口県でアメリカの軍事基地岩国で物語は始まる。
日本人とアメリカ人のハーフのエイサップ鈴木は、ある日警察に捕まりそこなう。その理由は、彼のIDが軍事施設で使われそこで盗難事件と襲撃事件が起きたからだ。
その犯人はエイサップの友人の日本人の二人だった。軍からの追跡を逃げる
その最中突如、海から空飛ぶ軍艦が数隻現れるのだった。いつのまにかそれらは空戦を始め、米軍もそこに参戦するのだが、巻き込まれたエイサップは強大な力に巻き込まれ、爆発の彼方に戦艦ごと消えるのだった。
感想
ゲーム、ニンテンドー3DSソフト『スーパーロボット大戦UX』をクリアし、自分の大好きなアニメーション作家の富野さんの作品『リーンの翼』の再現シナリオに感極まって涙してしまったので、これを機会に鑑賞してみようと、一気に全部借りた。
もともと一巻に30分または24分ほどしかない作品で、全6巻。総合時間にすると3時間ほどなので、1日で手軽に見れるので、一気に鑑賞してみた。
これはこの文章を書くに際して知ったのだが、もともと前日譚として『リーンの翼』という小説があり、それは1983年に書かれた長編小説シリーズであるということ。
そこでは、アニメ版の悪役にあたる迫水が主人公としてホウジョウの国を建国するまでの物語であり、本作のアニメはその70年後を描いているが、実際に小説とアニメの世界観はリンクしてはいるものの別世界であると言及されている。なんとも複雑な事象だ。
また06年というわけで富野も高齢になり作風も後期になっており、死よりも生への憧れを強調している印象は強い。
そういうわけで感想だが、1話が短過ぎて、かなり各話濃厚になっている。ものすごく濃厚で、テンポが以上に早い。ちょっと見逃すとすぐわからなくなることは堅い。
ものすごーい量をたった30分に詰め込む。
すごーいパワーは詰まっているが、描きたいことを少しだけ小出しにしてすぐ次に行ってしまうような全体の印象を受ける。
しかし富野さんのやりたいことはちゃんとできていると思うし、コンテの割り方や動かし方などのビジョンはすごい。
ロボット=オーラバトラーが『アクエリオン』や『マクロスF』『コードギアス』のOVA同様のCGになっており、挑戦的だが、いまいち動かない。
突如主人公機のナナジンが赤くなったりと見る側の感受性に任せている側面も非常に多く、文学的なロジカルさよりは、見る側の感覚が重要になる作品。
しかし東京大空襲の要素をロボットアニメに盛り込むのは、ファンとして嬉しい。
また更に日本に核を再度落とそうとするのが、同じ日本人という狂気の姿は非常に恐ろしく鳥肌が立つ。その恐ろしさを描こうと考えるところが、流石日本の一流アニメ作家ということか。
テンポ早過ぎて3時間でもなんだかよくわからないまま終わるわけだが、とりあえずリュクスというヒロインの服装がとても可愛い。
着物とミニスカなんだが素晴らしかった。
しかしこのリュクスは、なかなかキャラクターが定まっておらず、主人公のエイサップと何故かイチャイチャしたりする困ったこ。
まぁー全ては尺が足りていないに集約できそうなので、これぐらいで良いか。
しかし短時間に一つの物語を完全に体験できたので良いか。今度は『ダンバイン』見たいと思う。
逆にスパロボが補完しているようにも思えた。
ラストの迫水とか結構やばい。小山力也さん良い仕事しています。
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