「このタイトルの割には、後半映画が行方不明になっている気がするのだが。」
2010年日本制作
監督
井筒和幸
出演
ジャルジャル
阿部亮平
(クローズZERO2)
予告
STORY
現代の日本、東京から千葉が舞台の映画。
お笑い芸人の学校に通う鈴木ユウキは、アルバイトも面倒くさくて身勝手に止め、お笑いの腕も今ひとつだった。
だが彼に、元相方の剛志は、バイトを紹介する。
そのバイトは、ヒーローショーだった。
参加するユウキだが、ヒーローショーの内部ではややいざこざがあった。
それは、剛志の彼女が、ノボルと浮気をしていたのだった。
そのことをノボルは剛志に悪意を込めて言うのだった。
そしてヒーローショーの最中、悪役である剛志は、レッドであるノボルと喧嘩をしてしまう。
だが逆に返り討ちにあってしまった剛志は、ユウキと仕返しをするため、古い友人である鬼丸(阿部亮平)の下を訪ねるのであった。
鬼丸は過剰なまでの仕返しをノボルと連れでブルー役であった香川勉にする。
ノボルと勉は、彼らに金を用意するように脅迫されてしまい、勉の兄で会社を経営する拓也のもとに行くが、拓也は、千葉に住む旧友である石川勇気を利用し、暴力的に解決することを提案し、それを決行するのだった。
金を受け取る為に千葉の勝浦まで行くユウキと鬼丸と剛志だが、彼らを待っているのは壮絶なリンチだった…。
2010年12月21日鑑賞
感想
公開当初はかなりの話題作で、去年の中では、この映画を一番にする映画玄人達もいる、ヒーローショー。
さて自分はというと。
中盤以降が大部だるかったなぁー。
一側面から見るとこの映画はヒーローショーという要素をいまいち上手く生かしきれてない。
というか、この監督が撮る映画ですから、そう言った面白さをそういうジャンル映画的に利用はしないのは前提だったかな?
タイトル冠してはいるけど、映画内でその要素は一応冒頭だけで、そこもまぁ別要素で動く方向なので、また中盤以降の無関係さなどを考慮すると、見方によっては、「ハズレ」な映画だなぁー。
全体的に言うと、自分はこの映画あんま面白くは無かった。
ただ、従来の井筒ファンはかなり満足の行く映画だったと思う。
個人的には、リンチまでの下りが面白かったかな。
そっからは、ぐだぐだと精神が病む状況を描いたり、事件からの問題が広がって行ったり、またどうでも良い準主役的存在のお話が描かれたりと。
また物語の着地点が、少々しっとりしていて、スカッともしないし、うーん。まぁーそういう方向。
良い点としては、リンチシーンのなまなましさと現代の若者の描き方のリアルさと節度の無い狂乱ぶり。
キャラ面では、鬼丸さんが怖過ぎるのとその弟がヤバ過ぎる。
また一番の問題は、最強である弟がリンチ時にいないという点がかなり本末転倒。
そもそも彼がいればこんなことは起こらなかった。
あとやっぱり剛志の扱いが酷過ぎるし、映画史上あんなにムゴい死に方をする微妙なキャラはそんなにいないと思われる。
ただただ悔やまれる。
そこで際立つのがジャルジャル演じる、ただ巻き込まれるだけという不快キャラで主役のユウキ。
こいつもまたとことん微妙なキャラで、良くこんなの主役で物語作ろうとしたなあ。と思った。
オチは予想はついたけどね。
そういう意味では独特な映画。
ちなみにユウキの演技はかなり凄い。上手いですよ。
映画的には何が言いたかったのかと言うと、やっぱりノーカントリーと同じなのかな?
若い世代は何するかわからないとか。
一応日本の現代的な暴走感が全快な映画でして、でも暴力描写が過激なのと、監督のセンス的に物事を全て汚く見せようとする美学でもあるのか、楽しめても見れないわけで。
もしかしたら題材自体はかなりやばいものがあったかもしれないけど、監督のセンスで違う方向性になってしまった映画なのかもしれません。
とりあえず自分の中で一番印象的なのは
鬼丸の弟が怖過ぎる。
そういう印象が強いのも監督の演出によるものだからかもしれません。
でもそういった要素を見失うように、勇気とユウキの交流が微妙で、水族館の下りとかは、必要だったのか?まぁー見てられるけど、物語のテーマが見えてこない気もする。
そもそも本作って一体何が何なんだか、正直自分見えてこなかった気がする。
一応映画自体の出来は大部良いと思うし、色々見事だったと思うけど、まとまっていなかったようにも思える。
日本映画特有の問題性だとも思うが。作家性強過ぎて、楽しめないというやつ。
まぁーそもそも日本映画あんまり見ない自分の感想だからあてにはならないかな。
得点
6点
すきやく吐くシーンが印象的。リアル。(笑)
ヒーローショー [DVD]3600円
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