「おっ。出来が良いじゃん今回!!」
2010年日本制作
監督
坂本浩一
(大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE)
出演
松岡充
杉本彩
須藤元気
予告
STORY
日本の風都という都市で探偵を営んでいる左は、ある事件で知り合ったフィリップという青年と二人で一人の仮面ライダーWとなって、悪い組織が絡んだ依頼を依頼人から受け解決している。
そして、組織との戦いも大部終盤にさしかかったある日のことだった。
特殊な能力の秘められた装置のニューモデルが移送中に襲撃されるのだった。
ニューモデルの装置は風都に散らばってしまい、倒したはずの怪人達が街を襲う事件が起きてしまう。
それを察知した仮面ライダーの二人と警察え働いている仮面ライダーは、怪人を倒す。
そしてWの二人は、謎の捜査官マリア(杉本彩)に出会う。
彼女の母性的な一面に母親の面影をフィリップは重ね本当の母親だと思うのだった。
そしてマリアは彼らに街に散らばったニューモデルの回収を依頼するのだった。
だが街には二人以外の存在が装置を既に探していたのだった。大道(松岡充)率いる4、5名の傭兵で構成された組織、ネヴァーが二人の前に立ちはだかり、大道は、仮面ライダーエターナルに変身するのであった。そしてエターナルにはWやもう一人の仮面ライダーが使う旧型の装置に絶対的な力を所持していた…。
2010年8月18日鑑賞
感想
正直そんなに期待しないで、まぁーファンの一人として見たのだが、これがなかなかよく出来ていてビックリ。
一応前にも最近の仮面ライダーの映画は見たんだけど、それがオールライダー大集合の時だったんだけど、これが全く中身が無いとくてがっかり。
でも本作はちゃんとテレビ版の要素を扱いながら、その番外編として上手いこと成立している。やれば出来るじゃないか大手スタジオもさ。
自分的には、本作が完璧だと思えるぐらい、良いヒーロー映画だと思う。だが子供的観念から見たら少々難解かもしれないな。
まぁー本作の一番の良かったとこは、100%着想であると思う。(笑)
冒頭の過去に倒した怪人復活が、この前に見る同時上映のゴセイジャーと全く被った展開なのに、こっちには納得行く理由がある。それは「ニューモデルの変身装置が街にばらまかれてしまったから。」
そう言った要素をちゃんと生み出すだけで、かくも説得力が生まれるとは自分も思わなかった。
安易に「敵の能力」としないのは、映画好きとして多いに嬉しい限りですね。
そして、その要素にプラスして、新たな仮面ライダーの登場。そして、敵対する主要な怪人は、TV劇中で主役が使用する装置がもとになっているというのも、個人的には良い。
仮面ライダーWっという作品を広い視野で見て、そこからファンへ上手くアプローチするアイデアを作れてるすっごい良い番外編だと思う。
そういう基本が結構厚いので、だいたい高評に繋がっているとも思える。
まぁーそれでも悪いとこはちらほらあったりするが、それでもこれから紹介してくる要素をプラスしても、今作は充分良作に値すると思われる。
まぁーいい面から言うと、テレビで出てくる脇役達が、冒頭の怪人だったり、もう一人の仮面ライダーが、倒す冒頭の敵が因縁の敵で、「地獄から舞い戻ったか!」は漫画的ロマンに溢れる素晴らしいセリフ。その後の「伊坂ではなかったか」も最高。
あと、松岡充のハマりっぷりがやばい。確かにビジュアル系のイメージが自己陶酔型の気取りやという観念があったとして、それを見越しての起用なら、ヒーロー映画の一悪役としてのハマり具合は完璧過ぎると思わせてくれる。
あとエターナルのデザインは、自分的には、素晴らしいと思います。白い仮面ライダーといい、武器がナイフといい、意味不明なガントレットといい。(ラストに意味あり)特にマントなんてタイトルに大して、テレビ版とマッチしていて、素晴らし過ぎでしょ。
あとは本作では、大部テレビ版の尺で納まらない要素は映像化させようとしている意識が多いに感じられる。
例えば、変身時の主人公へのCG処理だとか、そして一番は主人公の左の「ヒーローはこうあるべきだ。」というヒーローへの観念が描かれてるのが、結構面白いと思う。その所為で、悪の仮面ライダーの存在を多いに嫌悪するのもなかなか好印象。良い脚本だと思いますね。
正直、フィリップが杉本を母と思い込む下りは、ありきたりでくだらないと思ったんですけど、その要素を松岡にもかけてきて、挙げ句悪いヤツラの悪いことをする起因にまで繋がったり、終盤の展開まで上手くリンクさせるのは本当に上手い構成だなって思いました。
そして、仮面ライダージョーカーの下りも、凄い良かったと思います。
何てったって、必殺技を決める音が初代仮面ライダーのオマージュっていうのがまじ素敵。
挙げ句、バイクの上で変身っていう、最近のライダーではなかなか拝めなかったシーンも本作には健在。それだけで大部価値あります。しかも細いしね。
ただ逆に3D要素がそこまで上手く使えていたかは自分てきには実感出来なかったというか、段々見てると慣れてってしまうし、先に見たゴセイジャーの方が、創意工夫はあったとおも思うような。
敵が変身する時、いちいち見てる側に装置を投げるんですが、これが、良いとは思うけど、天丼過ぎて飽きちゃう。まぁーお前の変身スポットはそこか!!的な面白さはありますが。
あと本作で一番の驚きは須藤元気がオカマ!!という点ですね。
ものごっつキモイです。いや。絶対格闘キャラだって思ってたら、あっさりそっち系のアクション俳優にそこ奪われてて、もろごっつオカマで、死に際もむしろ、面白い。
新しいライダーに殺される結構おいしい存在ですが、それに大して、「イケメンでライダーで強いのね。」という平成ライダーの典型的なイメージをついに公言したかなりおいしいキャラです。
そうです平成ライダーはイケメンで強いんです。なかなか素敵でしたよ。ライダーもちょっとださいと思いましたが、調べたらガジェット的な面白さが詰まってそうです。
もうちょっともう一人の仮面ライダーが活躍した方が、よく出来てるだけあって残念だったかな。超重い武器を生身で持って戦うのは、映像的に難しくなっちゃって、やや穴があるようにも感じられた。
これだけ褒めちぎってるけど、正直残念なとこもあって、それが個人的に、アクションシーンだったりする。
まぁー自分の見た位置が行けなかったのかもしれないけど(前から2番目)、カメラがスッゴイゆれていて、アクションの詳細がいまいち掴めなくて、面白くなかった気がする。
必殺技を決めるシーンとかは、普通なんだけど、殴り合いとかが本当にゆれてて、いまいちすぎというか、仮面ライダーとかの子供向けヒーローってそこで子供つってるイメージがある気がして、そこしっかり出来てないと本末転倒になってる気もする。
確かにボーンシリーズとかでアクションシーンのカメラの評価は大部やばいけど、逆にアイアンマンってカメラが普通だったから評価されてるようなきがするし、きっちりとした方がこういう映画には良いと思える。
やっぱりアクションシーンが本編の3割占めてるような気がするから、一気に全体の評価が落ちるのもやも無いかな。
ただラストシーンの在り方が、自分的には最高でした。
ヒーロー映画の観念というものが上手く描けていたと思います。
ヒーローの必殺技のおうしゅう、最強化する悪役、絶対絶命のピンチに「民衆の声」、スーパー化するヒーロー。超一撃で最強化した敵を倒す。そしてバックには主題歌。という構成が必殺技並みに決まった。作品内の主人公の「ヒーローはこうあるべきだ。」論が見事に具現化されていたと言っても良い程。
とすっごい出来がよくて本当に良かった。色んな人に見て欲しい一本です。
得点
8点
やっぱりアクションシーンのブレが結構減点のもとかな。
ただ悪役が悪いことをするのが、すっごく人間的でヒーロー映画という子供っぽいものでは驚きで本当に良かった。
【10点満点の採点です。見てくれてありがとうございます。】
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