★この記事をまとめるとこんな感じ★
『親愛なる八本脚の友だち』感想:一言でいうと
Netflix映画『親愛なる八本脚の友だち』を鑑賞しました。点数としては67点。蛸のマーセラスを中心にした不思議な感動作かと思いきや、実際には孤独を抱えた老婆トーヴァと、人生の拠り所を失った若者キャメロンのヒューマンドラマ色がかなり強い作品でした。
良かったのは、サリー・フィールドとルイス・プルマンの組み合わせ、レディオヘッドの使い方、そしてラストに残る心温まる余韻。一方で、タイトルや設定から期待するほど蛸の出番は多くなく、終盤の真相も「蛸はいつそこまで気づいたの?」という飛躍はあります。そこも含めて、細かく考えると歪だけど、見終わった後の幸福感は確かにある映画でした。
この記事では、蛸の出番の少なさ、Netflix映画らしいサイズ感、トーヴァおばあちゃんの意外な怖さ、終盤の真相について、後半でネタバレありで感想・考察していきます。
製作
2026年アメリカ映画
蛸という驚くほど賢い生き物を食べづらくなるね
キャスト
2026年5月22日移動中iPhone等 Netflix鑑賞
2026年15本目
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概要:田舎の港町の蛸の水槽の前で
2022年アメリカでのヒット小説『親愛なる八本脚の友だち』の実写映画化作品。2024年に製作が開始され、2026年5月8日にNetflixで配信開始されました。
原題はRemarkably Bright Creaturesで訳すと驚くほど賢い生き物たち、2020年にもドキュメンタリー部門でアカデミー賞を受賞した『オクトパスの神秘: 海の賢者は語るを観る』にて蛸はとても高い知性を持つ生き物であり、人間と関係性を作れるということが暗示させてくれました。今作ではその着想に近く、蛸の飼育員の70代のお婆さんとこの街に自分の父を探しに来た若者の心に空いた穴を死期の迫った蛸が埋めるという心温まる不思議なお話。
邦題は2023年に日本でも邦訳され、その際のタイトルをそのまま流用したと思われる。
70代の飼育員のお婆さんは『ノーマ・レイ』と『プレイス・イン・ザ・ハート』にてアカデミー賞を受賞したサリー・フィールド。
11年ぶりの主演を務める。
タコの声優は『スパイダーマン2』でタコ博士を演じたアルフレッド・モリーナなのは面白い。
感想:ちょうど良い心温まるお話と意外な展開
今回は長距離移動の機会にiPhoneとラストを自宅でAppleTV4Kで鑑賞。その後別記事作りながら吹き替え版をAppleTV4Kで流し見という感じ。
原作小説があるのでストーリーラインはしっかりあり、展開についても細やかな要素も多い。
またラストには意外な結びつきがあり結構びっくり。流石にこれは想像できてなかったなぁというところ。
でも思ったよりも、蛸が全然出てこない点には驚いた。
蛸が全然出てこない
基本的な展開としては、70代のトーヴァと浮浪者の若者キャメロンの交流がメイン。
最近旦那を亡くしたトーヴァは数十年前に10代の息子を失ったトラウマが再発。
浮浪者のキャメロンは、子供の時にシングルマザーの母に捨てられ、大人になってバンドマンとして活動してたが、そこに母の死の知らせを受け、遺品整理中に父親かもしれない人の名前を知り、それを頼りに彼が住んでると思われる街に行き養育費をもらってバンドのアルバム制作の資金にしようとしたが途中車が壊れ、この街でトーヴァと知り合う。挙句にバンドも解散という状態。人生の拠り所がなくなり心の隙間の空いた2人が出会う。なんだかんだ心優しいキャメロンとすぐに発狂するトーヴァという凸凹がフィットした2人に蛸がアシスト行為をするわけだが、まぁ尺としては2人の交流がメイン。喧嘩したり仲直りしたり一緒に行動したり。挙句キャメロンはこの街で女性に一目惚れし、サップデート。しかし彼女にも秘密があって拗れるという展開に、いやいやそんなことより蛸は???と思うところもあったり。
蛸映画だと思ったら、人間ドラマの比重がかなり高い
正直、タイトルと設定からすると、もっとマーセラスが物語の中心にいる映画だと思っていました。ところが実際には、トーヴァとキャメロンの人生の欠落を描くヒューマンドラマの比重がかなり大きい。蛸は確かに重要な存在なのですが、画面に出てくる時間は思ったより少なく、そこは少し肩透かしでした。
しかし終盤にトーヴァとキャメロンの関係が進展する展開には結構びっくり。そんな伏線どこにあった?と小説ではそれぞれ丁寧にあったものを大幅に削減したのかなぁと思うところがあったが、サリー・フィールドとルイス・プルマンのタッグが見事にハマり、それ以上のヒューマンドラマとしての心温まる作品として感じた。
しかし作品としては辛い過去を持つ老婆が若者におせっかいする映画としては『オットーという男』を彷彿とさせ、最近老年の俳優が若者とコラボしておせっかいする映画、ありがちだなぁと思うところもあった。
荒技:レディオヘッドを用いる
作中のロードトリップシーンにてレディオヘッドのファーストアルバムの『パブロ・ハニー』が流れ『I Can’t』をキャメロンが弾き語りして、作品として良い雰囲気を出してくれる。レディオヘッドのファンなのでボーナス点という印象。『パブロ・ハニー』は過小評価されているアルバムだと熱弁する件など、心をくすぐるのでややにくいが、いやいや『You』『Creep』『Anyone Can Play Guitar』とオルタナロックアルバムとして良作でしょうと思ったり、あと歌詞のこと忘れてて、こんな素敵な詩をトム・ヨーク大先生は初期から書いてたのかぁと改めてトム・ヨークの魅力を再発見したので、この映画見てよかったです。
凡作:Netflixらしいタブレットサイズ向け映画か?
劇場映画として大きなスクリーンで観たいタイプというより、Netflixで夜にゆっくり観るのにちょうどいいサイズ感の作品でした。悪い意味だけではなく、会話劇中心の温度感には合っている。ただ、蛸や海、水族館という題材を考えると、もう少し画としての驚きがあってもよかったかなとは思います。
サップシーンやロードトリップの空撮などあるが全体的にはタブレットサイズ向けの会話劇の多い映画で絵的にはそこまですごいシーンはないかなぁという印象。
バストサイズでの会話のやり取りとか、2人が並んでるシーンとかが多く、広角での美麗な映像は少ない印象。
ただ蛸を意識した海の映像や水槽映像などの特筆すべき点と、こじんまりした水族館のキッチュな感じもヒューマン映画として相性が良かったなぁと思う。
蛸のシーンは実際の蛸の映像とCGを色々混ぜているようですよ。
意外と怖い:暴走するおばあちゃんの生々しさ
自分も仕事で老人とか相手することあって、あの独特の人の話を聞いてなくてなりふり構わず時折押し通す怖い感じが劇中から感じ取れてやや怖かった。
序盤の脱走した蛸をトーヴァが棚の荷物どかせってキャメロンに発狂する感じが妙に怖かったり、仕事そっちのけで蛸に触れるトーヴァのあの濁った雰囲気の生々しさ、さらには後半でのいまさら息子の遺品を漁って暴走する感じの認知症とも思えるような生々しい怖さがほっこりする映画なのに怖く感じた。
これはサリー・フィールドの演技が優れているからこそなのですが、画面の中のトーヴァが「映画の中の優しいおばあちゃん」ではなく、マジで面倒くささも含めた老婆に見えるんですよね。
しかしそんな彼女が古くからの友人に諭されるシーンの悲しさと親友の暖かさにジーンと来てしまったりと、本当にヒューマン映画としていい塩梅でよかったです。
ネタバレ:蛸はいつ真実に気づいたのか?
ネタバレになりますが、本作ではトーヴァとキャメロンが実は祖母と孫の関係だったことが、蛸の行動によって突如明らかになります。
ここはかなり驚きました。年齢的には確かにあり得るし、ハッピーエンドとしては強い。ただ、映画単体で見ると「蛸はいつ、何を根拠にそこまで気づいたのか?」という部分はかなり飛んでいるように感じました。
エピローグにてトーヴァの息子の宝物箱が部屋の床下から現れる。なぜそれを隠したのか全くわからないが、そこにキャメロンの母との写真やキャメロンの名付け親であることがわかる手紙のようなものがあり、お互いに親戚であることを確信して幸せな人生を歩むわけだが、確かに年齢的にそれもありうるなぁと思ったりキャメロンの母は突如トーヴァの息子が失踪して途方に暮れてしまったのかぁと作品を思う部分があったり、結局それも耐えられずキャメロンを残して薬物などに走るホワイトトラッシュになったのかぁと原作では何かしら描かれていたのかもしれないというところもあり尺が足りない部分も感じるが2時間未満の本編のちょうど良さもあるので絶妙な判断だなぁと思うのであった。
しかし蛸は本作で賢い存在という設定だが、どうやって気づいたのか?指輪がヒントだと蛸は言っていたがその部分も映画では描かれてなかったと思うので訳がわからん。
原作未読なので断定はできませんが、映画を観た限りでは、トーヴァの息子、キャメロンの母、そしてマーセラスがどの時点で何に気づいたのかはかなり省略されている印象でした。たぶん小説ではもっと丁寧に描かれている部分なのだと思いますが、映画版はそこを感情の勢いで押し切っている感じがあります。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
67点
サップ屋の店長が最初シャワーが冷たいと不動産屋に乗り込んでくるのはわかるが、それって事務所を家として使ってたのか?彼女の息子もそこに現れたし。
そういう脚本の歪さが振り返るとあるなぁと思える作品。ラストの衝撃的なハッピーエンドで見事に覆い隠していて、見終わった後の幸せな気持ちの余韻はプライスレスですが、そういう意味では一般の視聴者ウケはいいけど批評家受けは悪い作品というのは納得できる。
ただ、脚本に歪さがあるからダメというより、歪さを感じながらも最後はしっかり幸せな気持ちにさせられるタイプの映画でした。細かく考えると引っかかる。でも観終わった直後の温かさは確かにある。そのバランスが、この映画の評価を少し難しくしている気がします。
ネタバレ あらすじ
最後に:ご訪問ありがとうございます
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