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◎【85点】AKIRA【解説 考察 :UHDで描かれる超能力描写の金字塔】◎

AKIRA

製作

1988年日本映画

自分が愛している
アメコミ映画の描写は本作が元ネタか?

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監督

大友克洋
・スチームボーイ
・MEMORIES

あらすじ

1988年日本の東京の三鷹付近。
大規模な爆発により東京は消失。
それをきっかけに第三次世界大戦が勃発。

それから31年後の2019年。
ネオ東京では、反政府ゲリラと軍の争いが
起きていた。

高校生の金田は、
クラスメイトで同じ孤児院で過ごした
鉄雄と山形と甲斐と共に夜な夜なバイクで
走る暴走族だ。
彼は敵対暴走族と日夜抗争に明け暮れていた。

ある日、軍により肌の色が異常な少年を
男が逃がそうとする。
少年は実は超能力を使うことができた。

同じ頃、金田たちは敵対組織と暴走していた。
そして抗争中に鉄雄は事故に遭ってしまう。
金田たちも軍により捕らえられてしまい、
少年も軍に回収された。

金田たちは留置所から解放されるが、
鉄雄の姿はなかった。

鉄雄は軍により人体実験をされていた。
超能力を使う少年と同様に実験される鉄雄。
鉄雄はかつて強大な力を持った
実験体のAKIRAと同様の処理をされる。

目覚めた鉄雄は、苦しみながら病院を脱走。
暴走する彼は、かねてより劣等感を感じていた
金田のバイクを盗み、恋人のカオリと共に
街から出ようとするが、
途中で敵対する暴走族に襲われてしまい、
結局金田たちに助けられる始末だった。

更なる劣等感でストレスを感じた彼の元に
軍が現れて鉄雄は再び回収されてしまう。

その夜、鉄雄のことが気になる金田は、
仲間と街をぶらぶらしている最中に、
暴走中に一目惚れしたケイを見つけ、
また反政府のテロに巻き込まれ、
ケイを追う。
彼女は反政府のリーダー格であり、
金田はケイたちが狙う軍の実験と
その先にあるAKIRAの力を手に入れようと
行動する。

同じ頃、
強力な超能力が覚醒しつつある鉄雄は、
実験体が収容される病院で、
同じく超能力者の少年のタカシとキヨコと
マサルに襲われるが、撃退。
能力が覚醒し自我も暴走する鉄雄は
病院を脱走し、AKIRAに近づこうとする。
軍を率いている超能力開発のリーダーの敷島は、
クーデターを起こし軍を掌握、
AKIRAに近づこうとする鉄雄に対して、
軍隊を総動員し立ち向かうが、
鉄雄の力には及ばなかった。

状況に巻き込まれる金田だったが、
暴走する鉄雄によって行きつけの酒場と
山形を殺されたことで怒りに燃え、
鉄雄と男として決着をつけるべく、
甲斐とケイと共に、鉄雄が目指す
東京オリンピック2020の会場に向かう

2020年7月20日自宅UHD鑑賞2020年36本目




UHDにて初鑑賞!

ずっと見たかった本作。
10年前頃に一度旧作上映にて鑑賞しようとしたが、
緊急の用件にて見れず、
それ以来ずっと『AKIRA』童貞を守っていたが、
この度、IMAX上映にて童貞を捨てようとしたが、
今度はコロナウイルスにより
劇場に行くことを断念。
諦めてUHD版をこの度購入し、
鑑賞しました。
長かった。

でもコロナの緊急事態宣言明けにも
普通にIMAX上映して失敗したなと
思ってもいます。

待ちに待った『AKIRA』
ってもはやあるあるですが、
『AKIRA』って主人公じゃないんかい!!

映像綺麗だし、音楽もすごい。

映画というかアニメ映画においては、
伝説たる作品の本作。
何が伝説なのか、
よくわからんが、
見ていて思ったのは、
映像綺麗ってこと。

絵の書き込みもすごいし、
超能力の描写のかっこいいし、
色んな事象やおどろおどろしい変化
なども描かれていてすっごい!

あと金田が全然魅力的じゃないのに、
終盤になるとただ喧嘩風な殺し合いなのに
物凄い熱いのが、面白い。

悲劇の青春物語としてのSFとして、
面白かった。

でもなんでこれがこんなに評価されているのか?
それについてはよくわからなかったが、
バイクのデザインなどもかっこよかったし、
鉄雄の演技をする佐々木望さんが
声変わり仕切る前の高さがあって、
鉄雄とのシンクロ合間って
グッとくる。

しかし1988年の公開だが、
制作時期は丁度バブル経済末期。
日本が一番景気が良かった時期だ。
その時代だから許された多額な制作費、
そして連載中にもかかわらず制作される本作。
そして原作者自らが監督するという
異例の事態含めて、
日本の一番いい時期の
アニメ映画への答えというものが、
この『AKIRA』には詰まっているようだ。

ハリウッド映画の視覚効果と『AKIRA』

今作は日本以上に海外からの評価が高い印象。
原作そのものが海外にて評価が高く、
近未来の日本を舞台にした世界観と
AKIRAという謎の超能力のエネルギーという
SF要素やその描写の数々や
劇中の優れたデザインが愛された理由だろうか?

個人的に思うのは、
今作の超能力バトルの表現については、
88年以降に作られるSF映画に
影響を与えたのだろうなぁと思う。

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自分自身は『ガンダム』を
愛しているので、
こういった表現自体は、
どうしても見慣れているが、
海外ではガンダムが普及するのは
95年よりももっとあとだから、
85年の『Zガンダム』などの
バイオセンサー発動のカミーユの
ように超常的なZガンダムの表現など
既視感があったが、
当時としては、
等身大の人間が超能力をリアル志向で
描くという、
ビーム兵器と思しきものを超能力で
シールドを使い弾道を逸らすなど、
コンクリートを持ち上げたり、
物体と融合などなど、
当時の破格の制作費と
原画マンが総動員されて、
生み出された高品質の作画の数々など、
SF表現の金字塔の数々は、
現代のアメコミ映画時代の創成期である
2000年のハリウッド映画
『X-MEN』など少なからず
影響を受けているのではないだろうか???

サイバーパンクの表現も含めて、
到達点としての『AKIRA』は
確かにあるのではないか?
そう思った。

謎の芸能山城組

映画音楽において、
どうしても超えられない点として
この芸能山城組の音楽。

どういった経緯で『AKIRA』の音楽を
やることになったかは全くわからないが、
その後映画音楽などを行わず、
この『AKIRA』の楽曲を主軸に
パフォーマンスを行なっているようだし、
謎だらけですが、
楽曲はマジで神がかっている。

AKIRAが色んな意味で唯一無二なのは、
この音楽もあると思う。

ケチャなどの民族音楽の
パフォーマーであり、
実際は音楽家というよりは
パフォーマンス集団と思える彼らを
使用したことで、
『AKIRA』を忘れられない作品にしている。

その音楽的側面は、UHDにてより引き立ち、高音質で収録された本作は、佐々木望の好演含めて、是非ヘッドホンで視聴して欲しいし、ファンなら絶対購入すべき

その効能などさっぱりわからないが、
この芸能山城組さんたちの音楽は、
人間を進化させる体感型の音楽のようで、
今作のAKIRAという人類の進化の果ての
超能力とエネルギーという側面に対しても
リンクしているのだ。

そうかこういう音楽が進化なのか?

しかしそれでもAKIRAのエネルギー表現と
それがどういう意味なのかよくわからなかった。

原作コミックと映画は別物

正直『AKIRA』のことは何もわからなかった。
今作は鑑賞中、かなり謎が多かった。
『AKIRA』とは何なのか?
戦うのか?鉄雄はどうなってしまったのか?

正直よくわからない。

原作コミックならそのことが描かれるのか?
そう思ったら、
本作は連載中に映画を制作、
連載終了前映画公開。
そして連載とは違うように映画は完結。

また原作コミックでは、
アニメの中盤に出てきたミヤコ教の暗躍、
ネオ東京の崩壊、アメリカとの決戦など、
全く違う展開が多数描かれており、
鉄雄の展開などは一緒だが、
だいぶ違うようだ。
今作では、
超能力要素および、
超能力を手にする人間の進化という
側面が主になっているようで、
自分としては、物語自体は、
意味不明だけど、そういうことだったのか。
程度の所感。

むしろ同じ孤児院で育った金田と鉄雄。
でもいじめられていた鉄雄を助けた金田。
そんな金田とずっと一緒にいて守られ続ける
ことに苛立ちを感じた思春期の果てに、
超能力を手にした鉄雄の暴走という、
悲劇に心を痛めたし、
そんな金田を倒そうとするけど、
金田には本気の超能力は使わない、
鉄雄の矛盾が印象的で、
超能力思春期バトルアニメとして、
好感を持った。

UHDは買い!

正直UHDは買いです!これは買って良かった!

以前『ガンダムF91』のUHDを鑑賞した際に、
映像が暗すぎ、ぼやけるとこが多数という
UHDの吟寺のなさに愕然としたわけで、
○【76点】機動戦士ガンダムF91【解説 考察 :ガンダム入門としておすすめ】○
セルアニメのUHDはもしかしたら、
HDR効果のせいで画面が暗くなるのでは?
そう思ったのですが、
それはなく。
『ガンダムF91』のUHD化の質が悪かっただけ
でした。

そもそもそこまでHDR効果のある作品では
なかったのがよかったのか、
それでも前半の
バイクチェイスシーンでの
バイクのライトの残像などは
とても印象的でした。

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そして後半のレーザー銃なども。

むしろ映像よりも音質がすごい!

前述の芸能山城組の音源のリマスターが
素晴らしいので、
是非UHDを購入して味わってください。
IMAXで見れば良かったかなぁ。。

また特典の映像は微妙だったが、
ブックレットを氷川さんが書き下ろし。
『AKIRA』とは何か?
そしてアニメ映画において『AKIRA』を
語る必要性について記載があって、
とても読み応えあった。

レーザーディスク、
DVD、Blu-rayと変遷し、
記録メディアの刷新に合わせて、
登場する『AKIRA』。

本作の持つ、
24Pに対しての3枚の作画と
劇中の高密度の書き込みの数
による映像全体の情報量、
して芸能山城組の音源のリマスター
という凄まじい情報量を
圧縮することの挑戦。

やはりリマスターもとの
フィルムもある程度劣化が始まって
いるようだが、
この挑戦は今後も起こるのか?
個人的にはUHDが市販系
記録媒体の最後だと思っているが?

ハードの金額と
消費者の使用できる金額に
そろそろ解離が出ると思うが???
ただ日本が高過ぎるだけなのか???

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 10/10
・映画の美術面 10/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 10/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

85点

ようやくAKIRAを見た側の人間になれた。
可哀想な話だったなぁ。

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