◎【88点】劇場版「鬼滅の刃」無限列車編【解説考察 :新しい10年間切り開く刃になるか？】◎

★この記事をまとめるとこんな感じ★

1 製作
2 あらすじ
3 社会現象に参加
4 OVAシステムの延長線上の劇場版は大成功
5 第二弾ポスターにネタバレされたが楽しめた
6 サイコパス主人公がすごい
7 鬼滅は声優ネタが面白い
8 心の汗をかいた
9 無限列車のCGはちょっと。。。
10 hisSCORE
11 人類は映画館を欲している

製作

2020年日本映画

TVシリーズ→劇場版
新しい業務戦略の大成功！

鬼滅の刃 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

created by Rinker

あらすじ

大正時代の日本。
この地では鬼が人を拐い食べる恐ろしい事件が
多発していた。
ある一族は政府非公認鬼対策機関、
鬼殺隊を結成。
鬼殺隊は鬼を生み出す鬼である無惨を退治すべく、
剣術と体術を磨き、無惨の配下の鬼たちと
日夜命を賭けた戦いを繰り広げている。

所変わり。
竈門炭治郎は山に母と兄弟で住んでいた。
炭を作る仕事をしていた彼は、亡き父の代わりに
弟や妹たちの生活費を稼ぐために13歳で働いてた。

しかしある日、山の麓の村から帰ると
家族を何者かに斬殺され、
生き残った妹の竈門禰豆子は鬼にされてしまう。
しかし彼女は強靭な精神力により鬼になりつつも
人間を食べる欲求を抑え込もうとしていた。

鬼殺隊の上位者の柱の役職の富岡は、
2人と出会い禰豆子を殺害しようとするが、
彼女の精神力と自分を命がけで止めようとする
炭治郎の精神力と行動力に可能性を感じ、
自身の師匠に稽古をつけることをお願いし、
2人を彼の元へ導く。

彼の下で修行を行なった炭治郎は、
鬼殺隊の入団試験を合格。

しかし鬼殺隊の任務は一方的。
複数の任務での道中で
試験時には絡みはなかった
同期入隊の我妻善逸、嘴平伊之助と合流。
無惨の配下の上位者の鬼、
下弦の鬼と遭遇するが、柱たちの援護により
辛くも生き残り、
柱たちが集う中枢会議に連れてこられ、
鬼殺隊の首領であるお館様に禰豆子の存在を
認めてもらい、炭治郎は柱の胡蝶しのぶの屋敷で、
更なる修行を同期2人と行う。

修行により基礎能力を高めた一行は、
次なる任務地に向かう。

無限列車と呼ばれる機関車で多数の人が行方不明。
鬼殺隊も同様に行方不明になっていた。
無限列車に乗り込んだ炭治郎一行。

そこには既に柱の煉獄杏寿郎がいた。

出発した列車内で待機する一行だったが、
幸せな夢を見始めた。

しかしそれは下弦の鬼、魘夢の血鬼術だった。
彼は配下の人間を精神操作し、
ターゲットの夢に侵入させ、
無意識の核を破壊させ廃人化した上で、
ターゲットを殺害する魂胆だ。

各人の理想の夢が描かれる中、
炭治郎は、家族が鬼に殺されなかった世界で
過ごしているうちに、
覚醒した禰豆子の助力もあり、記憶を取り戻し、
この世界の脱出方法に気づく。
常人では達することのできない決断を行う
炭治郎は、魘夢と対峙することに成功するが、
何度も同じ血鬼術を喰らい、夢の中で自決して、
覚醒する。

予想外の力を持つ炭治郎に困惑しながらも、
機関車本体と合体を成し遂げた魘夢は、
乗客全てを喰らおうとするのだが、
覚醒した鬼殺隊の仲間たちにより計画は失敗。
操縦席近辺に隠した自身の頸椎を
見つけられてしまい、滅殺されてしまうのだった。

道中腹部を攻撃されて致命傷を受けた炭治郎。
彼の元に煉獄杏寿郎が現れ叱咤激励と
鬼である禰豆子の貢献ぶりを見て、2人を認める。
そして炭治郎をとても気に入った。

しかしそこに下弦よりも上位の上弦の鬼、
猗窩座が強襲。
煉獄と猗窩座の一騎討ちが開戦する！！

2020年11月1日劇場鑑賞 2020年61本目

社会現象に参加

週刊少年ジャンプにて2016年2月より連載開始、
2020年5月に連載終了した漫画『鬼滅の刃』。
2019年4月アニメ化しTOKYOMXなどにて放映。
2019年9月に放映終了。
原作漫画の7巻までを
竈門炭治郎立志編として映像化し、
アニメ終盤7巻の無限列車編への
プロローグを描き、
シーズン2への期待をされたが、
まさかの7巻、8巻の内容を劇場アニメ作品化！！

正直人気出るの遅くなかった？

私も2017年3月までは少年ジャンプを購入してた。
『ワンピース』ぐらいしか連載作品として
メジャーなのがない時頃、
それなのにワンピは2週に1回程度しか
載らないクソっぷりだったことに腹を立てて、
ジャンプを読むのをやめたのだった。

しかし『鬼滅の刃』はずっと応援していて、
この作品長期連載になれば良いなぁと思っていた。
『ブラッククローバー』
『僕のヒーローアカデミア』
と比べるとどうしても
画力が弱かったので不安だったが、
まさかの連載から3年が経てアニメ化。
さらには大人気で単行本も手に入らないという
超怒涛の人気作に成り上がったのが
普通に嬉しかった。

しかしアニメについては花江夏樹さんの
炭治郎のモノローグがしんどいぐらい丁寧過ぎる、
でも映像に気合も入ってて、
ものすごく丁寧に作られていて、
これは絶対上質なアニメだ！と確信したのだが、
寝かせてしまった。
劇場版の公開決定を機にNetflixにて、
全話をするすると鑑賞。
どっぷり社会現象に乗っかりました。

このムーブメントに乗らずして何が映画好きか！！

コロナウイルスによって大好きな洋画作品は
軒並み延期、中止、配信スルーの現在。
自分が楽しめるだろう映画を観に行かずして、
何が映画好きか？？？

こんなブログを運営しているけどもはや自分が映画クラスタや映画好き、映画オタクとして名乗ってはいけないのではないでしょうか？？？？と思わざるおえない。

ツィッターのフォロワーさんはこんな世の中でも
しっかりと邦画の最新作を見に劇場に通っている
のに、自分は家でNetflixやAmazonを使用して、
映画を自宅で見ている。
ここにきて自宅の5.1chステレオシステムや
大画面の47インチのテレビが大活躍。

俺はインドアだ！！

という現実を噛み締めている。

OVAシステムの延長線上の劇場版は大成功

と自分語りもほどほどにし、
映画の感想へ。

本編そのものを劇場版でやる斬新なシステム。

これまで『ガンダムUC』など
多数のアニメーションの連続シリーズが
OVAとして作成され
劇場公開されたケースはあった。
それらはOVAとして高い質で制作され、
多くの人の満足度が高かった。
逆にテレビアニメ作品だが放映前に
劇場公開などもあった。

昔と違って本編そのものを番外編含めて放映
するのではなくて、
原作の本編だけを映像化して、
事前に完成させて
放映するシステムが多くなったよな。

ジャンプ作品のアニメーションも
近年ではそのようになっており、
番外編やテレビオリジナルエピソードなどは
見かけることが減った。

逆に『ドラゴンボール』や『ワンピース』
『ブリーチ』『ナルト』などは、
原作者が監修することもあったが、
オリジナルエピソードを
映画作品としていたのだが、
『ドラゴンボール』以外は番外編が過ぎるのと
話が意外と主体となって面白くないことが
多かった。
『ドラゴンボール』に至っては、
強い敵を悟空が倒すだけで成立するので、
戦闘シーンだけ面白ければ満足度MAX。

そんなジャンプアニメの呪縛を
まさか超えて、
本編を劇場版としてしまう
驚愕の業務戦略が行われて驚いた。

本編の続きを劇場版にするケースは、
流石になかったと思う。
本編の完結編やエピローグを映画化するのは、
平成『仮面ライダー』後期作品は多く、
オリジナルエピソードでも納得が行った。

そして驚いたことに今回は劇場版も
テレビ版同様いやそれ以上の
最高品質で制作されていた！！

第二弾ポスターにネタバレされたが楽しめた

まさかの第二弾ポスターで本作の
隠しネタっぽい猗窩座の登場がバラされて、
無限列車の悪夢と戦う主人公の話だけじゃなく、
猗窩座と煉獄の死闘という
『ドラゴンボール』級の最大熱量の戦いが
描かれることをバラされたことは
ショックであった。

サイコパス主人公がすごい

『鬼滅の刃』の好きなところは、
主人公がサイコパスであるところ。
あまりにも無垢で真っ直ぐな彼は、
普通の人間なら持つである感情が
どこか欠如している。
どこか機械的なところが、
逆に魅力的で、
アンバランスでとてもいい。

そんな炭治郎の凄さが、
今回でも爆発した。

皮肉を込めれば、
週刊少年ジャンプが掲げる、
友情努力根性を現在に落とし込むと
強靭な精神と苦難さえも無に帰する、
病的な勘違いの友情の思い込み。
それを地で描いている点が好きなのだ。

作者のダークで『ジョジョの奇妙な冒険』から
インスパイアを受けていると思う、
分析重視の戦闘や、
それに対して覚悟を決め犠牲の上で、
勝利を選択する現実感。

敵の禍々しい特殊能力に対して、
攻略方を見つけ、
最善策を打つがそれを上回る敵の知能に
最後は根性で勝つという
れっきとした週刊少年ジャンプなのだが、
その戦い方や炭治郎の思考が現実味の
薄いサイコパスにも近い真っ直ぐさは、
魅力的でありながら狂気を孕んでおり、
非常に魅力的。

ジョジョよりエグいのは受けた傷は治らない。
瀕死の重症は回復するのに時間がかかる点

また必殺技の応酬という
『ワンピース』のような見応え、
そして漫画版だと浮世絵調な表現。
アニメーションだと最高品質のCGや
デザイン性での表現での見応え。

テレビアニメーションシリーズを大成功させた。
その魅力をさらにアップデートしている。

またテレビシリーズでは活躍の少なかった
最強の力を持つ柱の1人煉獄、
そして上弦の鬼の存在など、

圧倒的な力と力の描写力と声優の掛け合いは魅力たっぷり

鬼滅は声優ネタが面白い

猗窩座の声優さんが石田彰さんでした。
彼は自分が親しんでいる作品だと
『機動戦士ガンダムSEED』のアスラン。
敵対してしまった幼馴染みを
戦う必要はない！こっちに来い！と
説得して本気を出しきれないキャラクターで、
続編でも同様に敵対してしまった最強の幼馴染み
そしていびっていた部下と敵対してしまい、
戦うのをやめさせようとする強キャラだったが、

猗窩座の演技がアスランとほぼ同じで笑った。

大御所声優を多数使っている本シリーズ。
ラスボスの無情は同ガンダムの
ラスボスのラウル・クルーゼ。

この前戦った下弦の累はバナージ。
序盤には緑川光など、
ガンダムを追いかけていると知っている人が多数。

逆に煉獄さんは『斉木楠雄のψ難』の
熱血狂キャラの灰呂で同じ。
狂った発言の共通点が多くてとても面白かった。

心の汗をかいた

激アツ展開の終盤。
ここで上限の猗窩座が退場か？？
と思ったがまさかの展開。

しかし止めを刺そうと煉獄の衝撃的な行い
それに対してさっきまで強者としての
快楽を全面に出していた彼が、
死に直面し焦るひどい醜悪キャラっぷりを披露。

最終的には猗窩座は逃げるわけだが、
それに対して重症の炭治郎が、
「煉獄さんの勝ちだ！」と熱弁を振るうシーンは、
心の汗がとまらなかった。

熱血だぁ！！

『天元突破グレンラガン』の瀕死のカミナが、
シモンを殴り込みに行くシーンばりに
心に汗をかいた。

これは涙じゃない心の汗なんだ！！

無限列車のCGはちょっと。。。

悪夢のシーンの表現など面白かったし、
何度も何度も自決をする炭治郎の
強靭な精神力には主人公としての格の違いを
実感し、今後ともこのアニメを追いかけようと
確固たる決意を自分もできたが、

中盤の盛り上がりである機関車との戦いは、
何とも言えない。
ネタ的にプロローグで伊之助が、
機関車と喧嘩しようとする展開などが、
メタ的に具現化して面白いとは思ったのだが、
実際には、
CGで触手が伸びるような映像でしょぼい。

伊之助の力がとても効果的だった点はとても
評価できるが、
結局その部分はシナリオなんだよな。
アニメーションとしてモンスタートレインを
もう少し誇張して欲しかった。

死ぬ直前に全力を出したつもりなのに
1人も人間を食えなかったという後悔の言葉が、
とても生々しくてよかった。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 9/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 9/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 9/10

88点

人類は映画館を欲している

噂違わぬ面白さでした。
そして歴代興行収入を塗り替えるというのが
面白い。
テレビアニメの本編の映像化がそのまま
続きもので歴代興行収入に入るって。

番外編でもないんだよ。

ジブリに匹敵する国民的アニメになった。

そしてここから映像化の戦略も変わるだろう。
シーズン１とシーズン２の間という点がすごい。
※シーズン2が製作されている
　情報は今のとこなし。

背景に地上波での再放送ではなく、
ネットでの定額配信で
自由に誰もが見返せるなどもあると思う。

人間は映画館という2000円程度で
楽しめる娯楽を必ず欲している。

コロナウイルスで洋画は
公開しなくなってしまった
でも人間は大スクリーンで夢見ることをまだ
忘れていない。

映画は不滅だった。

懸念点としてはここまでの
巨額な経済効果を上げる
作品がMXでの放送のままになるのか？
『進撃の巨人』はNHKで放映されることになった。
特別編としての総集編をフジテレビが放映した。
ジャンプ作品はフジテレビが多かった。
東映は絡んでいないが、
地上波ではあの血みどろの痛みの嫌悪感は
出し切れるだろうか？
進撃の巨人のように23時枠で、
来年5月ぐらいから後釜で放映されるだろうか？
色々と不安になる要素は結果的に出てしまったが、
とても楽しみだ。