映画愛に心撃たれ
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2002年日本映画
銀幕に生きる永遠のヒロイン
監督
今敏
・PERFECT BLUE
・東京ゴッドファーザーズ
・パプリカ
ネタバレ あらすじ
2022年6月18日Netflix自宅鑑賞
2022年27本目
虚構と過去と現実と
Netflixに追加されたと
話題だった『千年女優』
どんなものかと思い
再生してしまったら
あれよあれよと話が進み
「この映画どうなるんだ?」と思い
いつもなら止めてしまうのに
この日は止めることなく
最後まで見守ってしまった。
2002年に劇場公開された本作は
今敏監督の劇場映画第2作目。
現在のアニメ監督たちは
テレビシリーズの作品の痕跡が
数多く確認できるのだが
今敏監督に至っては
あまり散見出来ず。
元々は漫画家だったのね。
今監督は46歳という若さで病により
亡くなってしまい。
アニメの道に進み
映画を4本も監督し
高い画力と
ストーリーテリングの上手さが
凄まじく
存命であれば
『君の名は』以上のヒット作を
現代に作り出していたのではないか?
そう思える。
自分は監督1作目の
『perfect blue』を昔DVDで鑑賞して
怖さと映像の滑らかさと
物語に衝撃を受けた。
そのころはアイドル文化が現代のように
勃興していなかったので
古きアイドル文化の片隅という
イメージで鑑賞していたが
その生々しさが怖かった。
逆に千年女優は対比的な
明るい物語だが
しっかりとした毒もあるなぁと思う。
それ以外の作品も
見たいなぁと思うが
ちょっと肩に力が入りそうで
急に全部は見れないと思う。
今敏監督の作品は
80年代末期の
鬼のような映像の滑らかさと細かさが
ある命をかけたようなアニメ映画の系譜が
感じられるなぁ。
『AKIRA』とか『逆襲のシャア』とか
『F91』とか。
音楽のセンスもすごーくいいのが印象的。
伝説の女優はモデルあるだろうなぁ
流石に邦画なので文献類は色々
ありそうだなぁと思うが
感想書くだけでは
漁ることはしなかったけども
映画内で描かれる映画は
実在する映画をモチーフにしているのは
短いながらも実感できる。
顕著なのは黒澤明監督の
時代劇と怪獣映画『ゴジラ』
はわかったなぁ。
ただ自分は全然旧作傑作邦画の
知識がないので
これはこれダァと確信をモテなくて
でもそういう映画のオマージュとか
色々な映画の世界を駆け抜けていく様など
たまらないですね。
ゲームの『キングダムハーツ』も
そういうのがあって面白くて
いろんな世界を短時間で巡るって
いいですよねぇ
そしてこの女優さんも
絶対往年の邦画を彩った実在の
人物なんだろうなぁと思う。
インタビューとかの文献当たれば
一発なんだろうけど
個人的には小津安二郎の映画の登場人物
のような趣が強く当てはまって原節子さん
なんだろうなぁと思った。
映画内で千年生きる∞
日本のスタジオ映画時代の
ある種黄金時代を駆け抜け
戦国から現代までを疾走し
物語は少女の永遠の初恋を追いかけるという
途方もない空虚な物語を
最後の最後には宇宙へまで進出し
無限の初恋を
映画内の時空を用いて1000年間と称し
何度見ても無限に虚構の1000年を
駆け抜ける様は
オールタイムベスト映画の格調を
醸し出していてやばいんだよなぁ。
ソリッドな作品で見やすい
これしかも最後まで見れたのって
正味87分
であることは絶対あって
無駄な要素は全て削除されていると
思うこともある。
主役たる立花の明確な成功なども
なくたった1人の女優に虜になった
ファンダムが夢を叶えているだけ
でしかないのも鮮やか。
そして登場人物も多いかと思いきや
彼女のそばにいた男
そしてライバルのような姉貴
いつも陰口を叩くブス3人。
そして彼女と対立する傷の男。
わずかな人々が
彼女の思い出の中の
映画キャストとして入れ替わる。
それによりノイズは極限まで
減らされ純度の高い濃密な映画体験に
結びついているなぁと思うのでした。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.5/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 8.5/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
88点
ここまでソリッドで高精細な映像で
紡がれるの最高過ぎ。
現代に今監督が生きていたら
東宝とかとタイアップして
もっとすごいものが
拝めたんだろうなぁと思うが
その下地を作ってくれたのも
今監督なんだろうなぁと思ったり。
レンタル
通販
当時ガンダムとかビデオで見ていて
この映画のタイトルを
外人が片言に読み上げるのが
印象的だった記憶がある。
ちなみに予告を見るとSF映画だと
思い込んでいたわけですが
全然違うヒューマンドラマ作品で
びっくりした。