スピンオフという幕間の物語のお手本
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに:ご訪問ありがとうございます
製作
1992年日本映画
90年代のOVA神作画がすごい!
ネタバレ あらすじ
2024年9月22日自宅Blu-ray鑑賞
2024年45本目
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『機動戦士ガンダム』シリーズ長編映画6作目
『機動戦士ガンダム』
『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』
『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編』
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
『機動戦士ガンダムF91』
に続く長編6作目の映画作品
『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』。
初期3作はTVの総集編。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
『機動戦士ガンダムF91』
完全オリジナル長編映画。
今作は
1991年5月に1巻を発売した
『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMOR』
OVAシリーズ全13話の
13話発売前に2時間程度にまとめた
総集編作品。
また
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』
につづく
OVA作品となっており
80年代後半〜90年代独特のOVAや劇場映画の
高品質の手描き作画ブームの中の
作品であり
めちゃめちゃ作画のレベルが高い。
今回は2006年のHDリマスターベースの
Blu-rayにて鑑賞した。
260分程度を120分に短縮
全13話を約半分の
120分に短くした総集編の本作。
物語の開幕も
OVAの4話以降から始まり
回想として
2号機の強奪と追撃が描かれる。
結果的に
3話4話は大幅カットされ
4話『熱砂の攻防戦』
のジオン残党の鉱山基地
襲撃などのシークエンスは
まるまるカットされている。
ザメルの存在もカットされている。
そして更に特徴的なのは
7話の『蒼く輝く炎で』にて
ガトーの戦友で隻腕の
ケリィとコウの戦いもまるまるカット。
ケリィとコウが一緒に
ヴァルヴァロを製造するシーンはあり
出撃しようとしているような展開は
あるのだがその後は謎になる。
コウは安全にガンダム試作1号機の
宇宙戦仕様の
ガンダム試作1号機 “フルバーニアン”の
テストを行うという。
更には本来であれば物語の重要
キャラの1人である
コウの上官で教育係でメンターである
バニング大尉については
ほとんど登場せず
本来であれば10話『激突戦域』での
シーマとの戦闘でMSが負傷して
星の屑作戦の真の目的を察知した
直後に死んでしまうという
OVAとして印象的なシーンが削除されている。
やはりしっかりOVAを鑑賞する方がいい
しかし映画としては神作画が
爆裂しているし
ウラキとガトーの戦闘や確執、
シーマへの焦点なども明確にされ
作品の物語ベースにブレはなく
そんなに違和感はない。
前半は物語がアレ
一年戦争のエースパイロットの
ガトーが4年の月日を経て
ジオン公国というかザビ家が
導いた地球からの独立運動を再び
成功させようと地球連邦軍に
大打撃を与えようとするお話。
年齢が25歳という衝撃の事実
35,6かと思った。
若干20代でジオン再興という
なかなかのカルト的思想で
テロ攻撃を行う相当ヤバいやつで
口癖が地球で流行ったと思われる
侍や武人を彷彿させ、
戦場で死場所を見つようとする
武士道を持ち込み
テロ攻撃とカルト、更には
武士道というやばいもの全部詰め込んだ
かなり過激な人だなぁと
思い返してみて気づく。
また敵軍のパイロットである
ウラキを小馬鹿にしたような
態度をとるのだが
ウラキの脅威的な成長により
ガトーと同等以上のスキルになり
相打ちになったり。
ウラキさんは19歳という
2人ともニュータイプではないがオールドタイプでは
最強に当たるほどのパイロット能力と撃墜スコアだと思われる。
ウラキの若さゆえの
勝手に試作機の伝説を作った
ガンダムタイプの新型に乗り込んで
そのパイロットの座をベテラン
パイロットから奪うという
なんとも言えない展開。
劇場版だと80分くらいが15分ぐらいに
短縮されているのでウラキの脅威的な成長が味わえる
ソロモン襲撃からコロニー落としの怒涛さが良い!
8話以降の監督で
今作の監督である今西隆志さんが務め
脚本を『装甲騎兵ボトムズ』で
今西さんの師匠かとも追える
高橋良輔さんが務め
男同士が命のやり取りに美学さえ求めるような
テイストに様変わり。
また作品としてのちの時間軸にある
『機動戦士Zガンダム』の設定に
置きに行く展開なのに
ソロモンで核攻撃!
更にはコロニー落としで大虐殺という
大スクリーン映えする
大スケールのテロ作戦の応酬。
このあまりにエグいジオン残党の
反乱というか虐殺攻撃をきっかけに
地球連邦軍は
ジオン残党軍というか
スペースノイドを弾圧する目的で
ティターンズを結成。
その中核には作戦遂行を焦って
味方まで焼き殺したのに
不問だった狂気の武人の
バスクオムが中心にいて
その思想が根強くなった結果、
宇宙の彼方に逃げ延びていた
シャアことキャスバルが
再び地球偵察の末
ティターンズに反旗を翻す
地球連邦軍の部隊
エウーゴに合流するという
スピンオフ作品のお手本のような脚本
星の屑という大犯罪に直面し覚醒する戦士達
今西監督と高橋さんの素晴らしい
タッグにより
ウラキとガトーが男としての責務と
仕事への熱意で上下を決める
殺し合いの最前線が描かれる。
腐りきった地球連邦軍が星屑になったり
再び地球へのコロニー落としという
核攻撃より酷いことが行われる。
怒涛の終末まっしぐらな大虐殺展開へ
これまでロマンチストの異常者だった
ガトーのロマンが現実味を帯び
ヒトラーにも及ぶ
大虐殺の大罪人へとクラスアップ。
20代にて30代以上の凄みを出し
最強のパイロットとして君臨する。
それに呼応して
超加速を売りにして
この前ひよっこだった
ウラキは体力や精神を削りながらも
エースパイロットして覚醒し
ジオン残党を容赦無く葬る。
地球軍の試作機を
身内ながら強奪し
戦艦並みの武装を背負いながら
フルバーニアンと同じぐらいの
高機動を維持しながら
格闘攻撃もできるという
ガンダムシリーズ最強の機体の一つを乗りこなす
結果的には共闘している
ジオン軍を情報伝達ミスで
攻撃するという最悪なミスを
犯しつつも
バニングの仇を撃つ。
超大型兵器にてフルバーニアン級の
高機動性能を持つ機体を
動揺している最中で
大型砲塔をコックピットにぶつけて
殺すという天才スキルを披露するまで
進化するウラキさん。
危険すぎるので一年戦争後の
アムロばりに幽閉確定ですね。
また顛末として
核兵器が撃たれたことや
ジオン残党の事件そのものを
抹消するという
地球連邦軍の腐りっぷりにより
本作に登場した
ガンダムシリーズそのものが
無くなったことになるという
やばすぎる展開。
このガトーの英雄譚と
地球連邦軍の隠蔽を
スペースノイドが逸話として
口伝されると思うと
そりゃガンダムUCの
ジンネマンのような存在も
生まれていくようなぁと
思うのでした。
うまい脚本だなぁ。
しかしその裏側には
戦争を永続的に
行い企業としての利益を
永続的に手に入れたい
アナハイムエレクトロニクスの
暗躍があると思うと
またエグいなぁと思う。
ガンダム屈指の悪女について
今作のヒロインの
ニナ・パープルトンさん。
最初から人間より自分の製造した
ガンダムを優先する言動など
人として狂気を孕んでいる。
そんな女性にどっぷりはまる
19歳の初々しいウラキ。
終盤の大虐殺に直面し
戦闘でのストレスや
肉体的なストレスにかなり追い詰められた
彼を高橋さんの脚本はさらに追い詰める。
ニナさんの元彼ガトーだった。
それを知って流石にガトーを撃ち殺そうと
するウラキさんですが
まさかの彼女っぽいニナに止められ
挙句にガトーと駆け落ちされて
ウラキさん精神ズタボロ。
そこに追い打ちをかけるように
ガンダムに乗って外に出たら
ガトーさんが出待ちしていて
最終決戦してくるという
調子のりまくりのガトーさん。
当初のやた小難しい日本語を使う
地球かぶれの侍好きのガトーさんの
痛さが凄まじいが
MSの操縦スキルがめちゃめちゃ高くて
そんなのどうでも良くなるの
本当にすごい。
しかもガトーさんに負けた挙句
見逃されたウラキさん。
勝利も女も奪われて
罪に問われるという地獄のような
ことを経験したウラキさんですが
まさかのエピローグで
ニナさんが帰ってくるという
超謎展開。。
劇場版ではカットですが
OVAではしっかり描かれてる。
流石にすぐに別れると思うが
逆に同じガトーという
人物を知って
戦争から強制的に離されてしまった
存在として依存しあって
長続きするのかもしれないなぁとも
思ったりもする。
しかしニナさん悪女過ぎる。
ガトーを救うために
ウラキに発砲するし。
ニナはガトーのような
中2を拗らせた過激思想な
男が好きだったとか
とことんやばい女だったんだな。
結局それが忘れられず
ウラキで穴埋めしようとしたけども
という外野から見たら
しんどいキャラすぎる。
むしろこの人間臭さが過酷な戦場をさらに彩るの『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の魅力ですね!
同じくシーマも
過去にテロ行為に加担させられ
挙句に同胞殺しの虐殺者の
レッテルを貼られてしまい
生きるために部下を大事にしながら
地球連邦軍にも内通したけども
最後にはトチ狂った
ウラキに殺されるという
最悪すぎる展開。
富野風味めちゃくちゃ強くて最高だ!
きっと現場が相当過酷だったなんだな。さすが90年代のOVAだぜ!
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.6/10
・映像のアプローチ 10/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 9/10
・音楽 8.4/10
・上映時間と個人的趣味 8/10
87点
OVAの方が最高だと思うが
映画でも素晴らしい作画や
過酷な物語展開などしっかり
味わえてSEEDシリーズや
00ガンダムの総集編よりも
全然面白かったです。
あと音楽が地味に凝ってて
最高でした。
大スクリーン映えする
巨大MA同士の死闘や
コロニー落としなど
見応えたっぷりなので
一度は劇場で見ても
良いなぁと思った。
あとHDリマスターBlu-rayながらも
映像がとても綺麗で
独特なセル画の汚れも
映像に取り込まれていて
味があってとても良いです。
強いいていうなら
やはりOVAを端折ってるんですよね。
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通販
普通にOVAも欲しくなった。
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