◎【映画】シン・ゴジラ「やっぱり庵野は天才だった。」79点◎

シン・ゴジラ
日の丸2016年日本映画作品日の丸

監督
庵野秀明(総監督)
(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』)
樋口真嗣
(『ローレライ』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』)
公開週の日曜日に通常版を鑑賞。
巷で大人気の映画になった。庵野すげぇ。
真夏の映画産業の本命だったワンピースを軽く追い抜き、大ヒットしている様子。
これはゴジラだからなのか、それともマニアの多いアニメ『エヴァンゲリオン』を生み出した庵野の作品だからなのか、ツィッターでも本作ゴジラの話題は公開から1週間しても途切れることがない。
そうなってくると感想を書くというのが億劫になる。だって素敵な映画だと思ったが、別に最高に面白いだとか、今年ベストの面白さだったわけでもなかった。
まぁでもしょっぱい映画ブログを運営している自分としては、やはりメモとして自分用に残しておこうと思う。
まとめるとこんな感じ。
・それで今作はどんなゴジラなの?
・怪獣じゃなくて会議映画なのに面白い!
・やっぱり庵野は天才だった。


以上3点、それではダラダラと書いていきます。
・それで今作はどんなゴジラなの?
2014年に公開されたハリウッド版、新生『ゴジラ』は、平成ゴジラを思い出させる怪獣プロレス映画だった。
エンターテイメント性も高く、善悪が絶妙にあるように思え、ゴジラが人類の守護者のようにも思えるような映画だった。
しかし今作の『シン・ゴジラ』は全く違うアプローチを見せる。
前者の主人公が、軍属であり、父に研究者を持つ青年が、怪獣の誕生事件と人類の危機に巻き込まれ、その中で家族のために奮闘するという、絶望の中で希望を持つ青年をフューチャーしたアメリカらしいキャラクターだったのだが、今作の主人公は全く違う。
政治家を主人公にすることで、ゴジラを大災害として捉え、その対処を国の中枢を通して描いていく
逃げ惑う人々に焦点を与えることなく、ゴジラと立ち向かう人でもなく、ゴジラというか巨大生物が日本に現れて、対処に困った国の中枢の右往左往する姿が描かれている。
ゴジラはプロレスをするのに不向きな、異形な怪物として描かれる。
それは言うなれば初代『ゴジラ』や80年代にもあった『ゴジラ』を彷彿させる。
それの新しい形としての『ゴジラ』の新生ものだった。
ゴジラは劇中で誕生し、進化する。
最初は東京都の神奈川方面に現れた異形の水生生物のようにしか思えないが、どんどん大きくなっていく。
最終的には、シリーズ最強の放射線を放射し、東京の中央を焦土と化してくれる。
自分の会社近辺で戦ってたので、会社なくなったかな?ありがとうゴジラ!!
・怪獣じゃなくて会議映画なのに面白い!
そういうわけで、主役を逃げ惑う人じゃなくて、対策に奔走する、しかも攻撃するための立法だったり、ゴジラが何者なのかを考えたり、対策案を出して、上の許可を得るために頑張る人という、これまで描かれることのなかった日本の中枢のはみ出し者だけど偉い人という人を描いたわけ。
そんなわけで、怪獣と戦うというより、日本のさらに偉い人、はたまた日本の政治のシステムと戦うために、会議、会議、会議の連続!!
これがまたなんとも面白い。
キャストが異様に豪華なのもあるが、皆さんおしゃべりが凄まじく早口で、しかも聞きなれない言葉をわんさか使ってくる。
その情報量の多さに、見ている自分も頭フル回転。
庵野作品同様に、キャラクターの役職やら基地の名称をわざわざ明朝体で出してくる。
これがかっこいいからやっているのか、それともネタでやっているのかは、判別不能。
でもなんか雰囲気はかっこいい。
とりあえずこの会議を見る限り、日本っていい国ではないなぁと思う。
途中で「この会議は形式だ。決まったことの合意をとるだけの会議だ」という発言があって、
それはそれで時間の無駄遣いだし、意見を否定しているわけで、それを老人たちがやっているわけで、
なんか日本の抱える癌みたいなものをまじまじと見せつけてくれる。
さらには「この国では好きなことをして生きるのには難しすぎる」とかあって。
それ別に国の中枢だけってわけじゃなくて、日本の社会どこにでもあると思うし、うちの会社でも結局はいろんな人に話しを通さないとすぐ否定してくるし、こういう面が社会批判してて、面白いなと思う。
そういう映画を日本の映画のトップの東宝が描くのが、なんかすごいなと。
ただ映画における人間ドラマの葛藤が、ないというのは映画として目に見える感動がないんだよな。
状況を描くことに終始していて、2時間あっという間ですごいんだけど、人間どうしの対立に深さはない。
あったらあったでぐちゃぐちゃするからこれで正解だと思うんだけど、やっぱりこの映画、さすがの庵野さんの映画で異形の作品だな。
・やっぱり庵野は天才だった。
パンフの冒頭からエヴァ作って鬱になりました。仕事できませーん。
最近復帰しましたぁー。
と近況報告あるが、今作を見ると庵野の天才ぶりを感じさせてくれる。
脚本も凄まじいが、映像一つ一つが面白い。映画は会議とゴジラに逃げ惑う人、ゴジラとの戦いぐらいしかないが。
映像が面白い
これは、絵コンテで正確にどう言うものをとるか、どの画角などかを決めないと難しいと思う。
ゴジラに逃げ惑う人は基本的にインサートの細切れがほとんど、会議シーンに至っては、おしゃべりしかないようなもの。
それを面白く撮っているわけで、しかもシーン数が非常に多く、逃げ惑うシーンを撮影するにも明確な設計図を描いたに違いないと思うし、アニメ出身の実力を感じさせる最高のショットの数々。
これは洋画であったがピクサー出身のブラッドバードの監督作の『ミッション・イン・ポッシブル ゴーストプロトコル』にもあったシーンの流れの秀逸さが今作にもあった。やっぱり庵野は天才だった。
会議シーンでは潔くエヴァの音楽を使用しだしで、疾走感とネタ感も感じさせ、ファンサービスもうまい、
また『踊る大捜査線』を彷彿させるごちゃごちゃの準備の模様を描くのも、日本らしい無意味さとあるある感を感じる。
ここでしか見れない日本対虚構の怪物の大決戦
今作のすごいとこはパンフや映画雑誌に記載されていたが、徹底したリサーチに基づく、シークエンスの描き。
自衛隊や内閣を徹底的にリサーチして、作戦の映像化、会議の映像化をしている。
特にゴジラとの戦いで攻撃ができなかった時の歯がゆさは日本だから出来る判断であり、ある意味間違いだった。そこにあったのは人への慈悲よりも己の進退のための判断でしかないように見えたのがまた、日本という国の癌だと思った。自分たちの特権を守るために生きているんですね。偉い人は。当然か。
またゴジラに総攻撃する時の作戦の形式さがたまらない!
作戦を実行している姿にマジで燃える。この漢字だらけでマニュアル通り攻撃というのが、これぞ日本という変な美学さえ見える。
すごいよ庵野。
多くの日本映画が、記憶にも止まらないまま過ぎ去っていくのに、海外の映画にも負けない個性と面白さを体現して、制作費も海外に比べると少ないのに、そうは思えないように思わさせてくれる、これが一人の人間のやりたいことの実現なんだからすごいよ庵野。
まぁ最後のカットの巨神兵を彷彿させるゴジラが破壊神でもあるように彷彿させる無駄な考察を求める丸投げなネタは相変わらず嫌い。
あと最終決戦だけど、みんな被爆しててやばいよな。
そもそもこの映画に日本にとってはあまり話題にしたくない原発の深部にある放射能問題を大作商業映画で大きく扱っているんだからすごい。これ見たらやっぱり放射能とか怖いと思うし、終盤のアメリカが核使うっていうのが、妙に信憑性を感じさせて、日本にまた書くを落とすのか?という論点が「日本だけが核を食らった」というのを深く感じられる。
でも最終決戦の作戦が発想が面白いが、それ本当に中に浸透するの?と疑わしい。
よく乗る電車が爆弾化するのに笑った。
全体的に笑ったとこも多かったな。
石原さとみとCGは浮いてたな。
はぐれものチームも良かった。
ゴジラの戦闘シーンは『トップをねらえ』の宇宙怪獣とガンバスターの初戦を思い出した。
まとめると実際は『エヴァンゲリヲン序』のヤシマ作戦の尺を長くして、その世界にEVAがない中どうするか?みたいな映画だったりするわけで、あの模様を実写化したに近いよな。戦車の活躍っぷりとかも『Air』をほうふつさせる。
それでもやっぱり庵野は天才だった。
メモ得点メモ
物語の面白さと上映時間 8/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 8/10
キャラクターの魅力 8/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 9/10
音楽 7/10
俺の趣味 7/10

79点
色んな情報や思いが複合されたすごい映画。
2016年の邦画はすごい!!
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