◎【81点】切腹【解説 考察 :武士でもあっても人の話は最後まで聞くべし】◎

切腹

製作

1962年日本映画

なにか
きがきいたことのための映画ガイドです。

キャスト

仲代達矢
・影武者
・乱
椿三十郎
用心棒

あらすじ

1630年5月の日本の江戸(東京)。
当時の日本での最高権力者の徳川将軍のすぐ下の大老の位を持つ井伊家の江戸にある屋敷に
元豊臣軍の部下で徳川家に味方した福島家の家臣であったが、徳川家により没落させられ、
現在では浪人の津雲半四郎(仲代達矢)がやってきた。
彼は井伊家の家臣の長の斎藤勘解由(三國連太郎)に面会する機会を得た。
そして彼は無職で生活も苦しいので、武士として切腹をするために、社会的に地位の高い井伊家の屋敷の庭先を借りたいと懇願する。
(巷ではこういった申し出をすることで、見事な武士としての気概に対し、権力者はそれを認め、
職を与えることや、金銭を渡すことが多く、権力者たちは困っていた。)

その話を聞いた斎藤は、津雲が本気かどうかを確かめるべく、
つい最近同様のことをしに金をたかりにきた千々岩求女という若い浪人の話をする。
こういった強請りに困っていた斎藤は、千々岩を悪い例とすべく、
彼に入浴と新しい服を与え、千々岩はもしかしたら職につけるのではないか?と希望を抱くが、
そこから斎藤の部下により切腹のための着替えをさせる。
しかし千々岩には心残りがあり、切腹をするから1日だけ待ってほしいと願うが、
斎藤はその願いを叶えない。
また千々岩は刀を腰に備えてはいたが、その刀は竹でできた模造刀だった。
武士としての魂である刀さえ売り払ったと思われる千々岩を酷く軽蔑した井伊家の人々は、
彼に切腹を強要させ、また使う刀も彼が持っていた竹の模造刀でさせたのだ。

頑張って腹を切る千々岩だが、思うようにいかず、とても痛々しい。
諦めた千々岩は途中で下を噛み切り自害する。

千々岩の体たらくぶりに斎藤は武士の成れの果てを笑う。

その話をして津雲の切腹をとどまらせようとするが、津雲の切腹の意思は硬かった。

ついに庭先にて斎藤の前で切腹をすることになった津雲だが、
切腹直前にて実は彼と千々岩は深い仲であったことを語るのだった。

そして痺れを切らした斎藤は、彼に切腹をさせようとするが、
津雲は切腹にて最後に首を切る人を指定するが、選択した人々がことごとく病欠という異常事態に、
井伊家の名誉に泥を塗るような事態に斎藤は直面、
そして津雲は死ぬ前にとさらに千々岩との思い出を語り始める。

2019年10月1日自宅Blu-ray鑑賞 2019年79本目



IMDbTOP250に急遽追加された邦画

ライフワークとなっているブログ作成と映画鑑賞。
とりあえずブログ内に高評価映画を再鑑賞して記事を増やして、
個人のデータベースとしての価値を高めたいなぁと思い、
IMDbTOP250の映画を購入やらして再鑑賞しているわけです。

今回は邦画の『切腹』を再鑑賞。
全く知らなかった映画ですが、
(特に邦画は自分疎いです。)

1963年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した作品

海外の評価も高く、見られる機会が多かったのか、
鑑賞者数が一定以上に達した高評価映画として急遽IMDbTOP250に浮上。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ターミネータ2』『アベンジャーズ エンドゲーム』
よりも高評価の作品として、非常に高い評価の映画。

監督は小林正樹。
出演は黒澤映画などで世界的にも有名な仲代達矢。
相手役に三國蓮太郎。
丹波哲郎や岩下志麻もおり、日本映画界屈指の味わい深い俳優が揃い踏みの映画。

また2011年には『一命』として三池崇史により同原作小説を再映画化している。
鑑賞者数はまだ少ないが、そちらも比較的高評価。

『羅生門』のような人間風刺の効いた時代劇

『羅生門』の真実は藪の中な人それぞれの話によって真実は五里霧中。
人間とはとても恐ろしく醜いものであるという逸話を描いた作風にちょっと近かった印象。

作品としては時代劇だが、

基本的には会話劇。

とても簡潔にあらすじを紹介すると

切腹詐欺に困った権力者が、
切腹詐欺に来たと思われる若者をいたぶりはめて殺すが、
その若者は超貧乏で、嫁も息子も重病で病院も連れてけないという、
超どん底。
元々はぼんぼんだったけども、徳川家により上司がリストラされ、無職になったわけ。
武士としてのプライド含め奇跡にかけた若者はあっさり罠にはまり、
挙句にもっていた模造刀で無茶な自害を強いられるという可哀想すぎる始末。
最後に妻や育ての親のおっさんに会いたかったが、それも敵わず。。。

そんなこんなを察した育ての親のおっさんが、
今度は切腹をするために権力者を訪れて、
その権力者が若者の話をしたからさぁ大変。
育ての親のおっさんもその若者の苦労の日々を語り、
あげくに権力者たちの剣豪たちを陰で成敗していたんだからもっとたちが悪い。
結局大暴れした育ての親こと仲代達矢なわけです。

そんなわけで7割は会話劇なのだが、
徐々に見えてくる真実の数々と、
前提にある武士のプライドというキーワード。
温情よりも武士としての死に様や生きづらさをフューチャーしたシナリオが独特で奥深い。

武士として生きることの悲しさと人間の人を落としいれる悪意を描いていて、
見応えたっぷり。

それが江戸時代の空気感とも相待って、面白い。

密室劇ながら映像も面白い

映像も武家屋敷を舞台に、
1対1の対面構造と武家屋敷の和室での構図も見事だが、
武家屋敷の庭での切腹の構造も面白く、
和室の無骨な木の柱の数々や屏風の美しさも感じられ、
密室劇として西洋のファンタジーとは違う、和の紙と木や畳で彩られた舞台装置が見事。

人の配置の物量作戦として美術としての舞台装置化の感じもよくて、
面白かった。

殺陣もあり

時代劇小説のような淡々とした会話劇が中心ながら、
終盤では津雲の復讐劇として回想シーンでの殺陣や、
最終盤での津雲の大暴れなどもあり、

一見すると地味な作品かと思いきや終盤には時代劇娯楽作品としてのカタルシスもちゃんと描いている。

via GIPHY

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最終的には全てもみ消すという権力者の陰も含めて、
現代の日本社会に通じるところがちゃんとあるのも面白い。

独特なセリフ回しは賛否両論かもしれない

正直、何を言っているのかよくわからない。

江戸時代の喋りというものが、本当にこうだったのかは、その時代を生きていないからわからないが、
やたらと難しい言葉を使って喋る喋る。
自分は日本語字幕を表示させながら鑑賞しました。

漢字だと意味がわかるんですが、聞いてるだけだと全くわからんセリフ回しが非常に多い。

さらに全体的にキャラクターたちが無表情で間の抜けた感じがある独特な映画で、
その部分も含めて見応えを自分は感じたが、かなり独特。

津雲に関しては、裏のある人物として、終盤まですっとぼけた感じでいて、
最終盤になって彼の目論見に皆が気がついてきて、徐々に修羅感がでてくる。
それに対しての三国蓮太郎の阿保にも近い素っ頓狂からの終盤にかけての、
動揺っぷりなどなど。

演技も佳境にかけて、盛り上がっていくのも面白く、映画というよりは舞台だったのかもしれないと今更ながらに思った。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.3/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8.4/10
・キャラクターの魅力 7.7/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

81点

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