初恋に理由なんてないんだって思い出した。
人が恋をするのに理由はない。
たとえ自分が異性としか付き合った経験しかなくて同性に惹かれたことがなかったとしても
恋に落ちるたった一瞬に理屈なんてないんだろうな。
アラン・ドロン主演で映画化された『太陽がいっぱい」の作者の小説、「プライス・オブ・ソルト」または「キャロル」の映画化作品。
1950年代のアメリカを舞台に、同性愛者の金持ちビッチおばさんのキャロルことケイト・ブランシェットに恋をしてしまったベリベットことルーニー・マーラーの儚いロマンスを描いた一本。
監督は、トッド・ヘインズ。ボブディランを多数の俳優で描いたオムニバス作品を自分は見たことがある。
傑作『ブロークバック・マウンテン』同様同性愛を描いた映画。
北米の批評家の評価は非常に高く、メタスコアは100点満点中95点と驚異的な点数を得ている。
ちなみにメタスコア換算では2015年内で本作が一番高い作品になる。
次点では『インサイド・ヘッド』の94点。
2014年では100点中100点満点で『6才のぼくが大人になるまで』がトップ。
ただ『キャロル』は観客受けはそこまで高くない。
作品としては、レズものとは言い切れない、純粋な恋に落ちるヒロインたちと1950年代の恋愛の概念、アメリカ社会における女性のあり方などの葛藤を描き、恋とは何か、性別を超えた恋愛が胸を打つ作品だった。
個人的感想としては、映像がグレート!!
映画に映されるもののテクスチャーが一つ一つ細部が際立っており、美しい。
また50年代を意識した粗めのフィルム撮影されており、非常に映像が気持ちいい。
ヒロインのベリベットはカメラを使うわけで、カメラからの映像アプローチもまた美しい。
ファッションもよし。テクスチャーがやばい。
またヒロイン二人もいい。
ケイト・ブランシェットはただのビッチおばさんだが、美しいことはいうまでもない。
しかしルーニー・マーラーの斜視な感じの透明感とぼけた感じが、痛いところを突き、また恋に落ちるということはどういうことなのかを体現しており、非常に魅力的。
今作では綺麗な乳房も披露してくれて嬉しい。
二人のエッチシーンも生々しくて良いデスゥ。
個人的には『アデル』よりも良かったかな。
ただラストシーンは爆笑。
ケイト・ブランシェットは、個人的には綺麗系ブスに該当しており、ラストシーンの顔のドアップと『ダークナイトライジング』を彷彿させる音楽の使い方は、正直笑ってしまった。
最強だよケイト・ブランシェット!!
テクスチャー逸脱で50年代のキッシュな感じがメランコリニックでアイロニーなんだよ!!
そして初恋って本当に素晴らしいものだなと再認識させてくれる映画。
何もかもどうだってよくなるんだよな。
映画としては、ラストの展開がちょっとあれだったので、微妙。
全体的に映像が最高だが、盛り上がりには欠けていたような。
旅という展開は、嫌いじゃない!!
得点
物語の面白さと上映時間 7/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 8/10
キャラクターの魅力 8/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 9/10
音楽 7/10
俺の趣味 7/10
77点
当初はスルー予定だったけど、見ちゃった映画。
結構良かったです。
批評家の点数の高さは、まぁ納得。
ドラマ映画でここまで際立った美しさを持てるのがすごい、アートと娯楽の絶妙なバランス!!
コメントを残す