Multiplex広告:記事は下部から

◯FORMA 75点「定点観測される現代人の物語」◯

「映画の常識に挑戦した究極の野心映画。」

FORMA
日の丸2013年日本映画日の丸

なんだかツィッターで話題だったし、自称映画オタなので、見てきました。
国際映画祭は、アカデミー賞とサンダンスぐらいしか興味ないので、まぁーそういのは置いておいて。
坂本あゆみ監督の初監督作品。
女性監督ということで、男性監督よりは感性が違う独特な何かがやっぱりあるんでしょうね。
定点カメラから描かれる。映画ではなく観測と言える人間のフォルムを描く、邪悪な映画。
ワンシーンワンカットで、ほとんど定点で描かれる地続きな現実とも思える面白さ。
ワンシーンが長尺、最大で24分という挑戦。それに臆することの無い日本人俳優の高過ぎる演技力。生々しいリアルな現代人像を構築させた監督の演出力。
凄い映画!!
これまで自分の好き好んで見て来た映画は、ワンシーンワンカットの長回しがあったとしても定点カメラ、フィックス固定だけではなかった。
どこかカメラに意思、見せたい何かがあった。近年では、カメラのカットをめまぐるしい程に割ることで、観客に疾走感を与えエンターテイメントとして楽しませてくれる手法も確立されてきた。
だが、本作には、一貫してのフィックスと長回しが存在し、更にシーンの始まりで俳優がそこにいない状態から始まるような。
映画としてのショウというよりは、どこかドキュメンタリー映画のような記録映画のような、そういったものが組み合わされて映画は進行する。
それが自分にはとても斬新に思えた。
また編集も挑戦的で、会話の途中でぶつ切りにして次のシーンに行ったり、また記録のようなのにインサートのようなちょっとした合間のシーンの描きもある。
挑戦的で野心的!!
映画を作ったことがある人なら、長回しの難しさはわかると思う。長ければ長い程撮影中に何かトラブルに見舞われる可能性がある。突然雨が降って来たり、突然子供が叫んだり。
それに臆せず、むしろ味方につけているような野心。
俳優のミスさえも感じさせない長尺。俳優は映画というよりも舞台を演じているようでないか。
ただカットを割らない分、撮影カット数はうまく削減し、撮影期間を短くしたり、編集を楽にすることは可能。
ただとても緻密な作品の構成が監督の脳内に無ければ、きついことは確か。
やっていることは正直学生映画に近いのだが、その超えられない壁を監督は超えて、見事に描いた。
またわざと俳優を画面外に置いて、観客に見せない演出などもあり。
映画というよりは舞台を記録したような作品とも言えるだろう。
色々とそんなとこで撮影したんだ!!という感動もあったり、作り手側の気持ちになると余計に感動的になるのだが、むしろそれが臭いとも言える。
自分たちが凄いことをやっているということを画面一杯に感じさせる。
どこにもエンターテイメントは存在しない。どこかがんじがらめな作品で、完璧主義者の息苦しさも共存する。自由さはない。
そこでその構成?てかそんなに長回し必要?
・中盤の伏線回収というか、大胆に今まで出てこなかったキャラが登場して、作品を引っ掻き回して、映画の真相みたいにシフトするシナリオには、がっかりした。
 作品のだいたいの概要は始まって20分くらいでわかるのだが、そこに更に、関係ないキャラクターが作品の狂言回しで、真相を描くという怒濤の展開は、正直微妙だった。
ただこのキャラクターがまた秀逸で生々しい。
基本は女性二人の心情が描かれた作品。女性という生き物の思考の違いや嫉妬、そういう形式、いわゆるフォルムの戦いなのだが、そこに男性というものが登場して、また男性というものの不甲斐なさのような何かが描かれる。
その考え方自体は面白いと思うし、ちょっと押し付けがましいけども、頑張っていると思う。
それにもしその状況に自分が置かれてもやはりこうなるんだろうなぁとは思う。
まぁこの映画のような展開はまれ過ぎる。
・やり過ぎとも言える長回し。
長回しこそ俳優の演技力の真価は問われると思う。綾子を演じた俳優は凄まじい演技力だった。
ただ光石さんの長回しが、無駄に近い。良い演技しているんだけどもなんだか可哀想に見える。
むしろそこは短くしてくれても良い。
・あえて見せないこともするが、それが映画を不明確にもしている。
荒々しい作品でも気鋭さが溜まらないが、こういった作品のエンタメ性としてあそこは見たかったし、なんて言っているか知りたかった。
そういう自己の作品を押し付けるような完璧主義な演出力が上から目線の映画のように感じてしまった。
問題はこの監督の二作目が出たとしても、見たいとは思えないこと。
凄い映画ではあるものの、一発屋になる可能性は凄く高い。
アイデア性が高いのでノーランの「メメント」のような価値はあるが、今後どういった方向性の映画に着手するかが気になる。
でも映画見てて嬉しかったのは、他の日本映画と違って、ちゃんと現実の日常の隣にあるものを映画にちゃんと写してくれていること。電車の音でかき消される会話。
移動で精一杯でぐちゃぐちゃな駅の入り口。夜の工事現場、廃れた公園。
日本の息苦しさがちゃんとある。日本人として嬉しい。
メモ得点メモ
物語と上映時間 6/10
映画の奥深さと世界観 8/10
キャラクターの魅力 10/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 8/10
環境音 6.5/10
俺の趣味 7.5/10
75
BGMは一切無しの環境音のみの作品。
でも音声は再録したと思う。
だって全編定点の長回しでほとんど広角なので、マイクはきついと思うから。
でも警察が介入しないのも変だと思ったし、なんでテープを渡しにいったのか、なぜ綾子の父の職場を知っていたのか、脚本面でおかしなとこはある。
あと24分の長回しは喧嘩のシーンがグダグダでした。そこは人間だから演技でも超えられない壁あるよな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA