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☆パラノーマン ブライス・ホローの謎 2013年34本目「ユニバーサルモンスター愛MAX!!」☆

$『A Little his REDEMPTION.』自称映画オタクの映画感想部~season 7~-パラノーマン ブライス・ホローの謎
アメリカ2012年アメリカ映画アメリカ

2013年4月1日3D字幕版劇場鑑賞
あらすじはこちらから。
感想
結構前から見たかった気になる映画が、日本でも劇場公開。
アニメーション映画であるにも関わらず、字幕版の3D版のみというヒットを見込んでいないことが露骨に現れているが、とりあえず鑑賞。
劇場に入ると、平日であることは否めないが、かなりガラガラだった。
なんとなくで鑑賞した本作だが、『コララインとボタンの魔女』と同様にストップモーションアニメ(つまりミニチュアを作りそれを写真で収めて、それを動画にしたとても時間のかかる作品のこと)であり、『コラライン~』を制作した会社の2本目の映画になる。
正直言えば、私は、鑑賞中は本作がストップモーションアニメであるということに気がつかなかった。あまりにも滑らかに動くが、映像の細部が丁寧に作り込まれており、セットの作り込みの出来の良さが素晴らしい。アンティーク映画のような素晴らしさがあると勝手に考えていた。
また3Dアニメも最近では、ストップモーションを意識しているんだなー。3Dアニメも進化したなぁー。と感慨深くなっていたのだが、それを凌駕した本物のストップモーションアニメだった。
ストップモーションアニメは、3Dアニメーションを超えたということが正しい解答である。(?)
それでもまぁーCGを上手く演出に使っていたと思う。ストップモーションとCGの視覚効果を上手く使っている。
やはりそういった技術力の高さに目が行くが、それを生み出す労力と時間を考えるだけで、この映画をけなすことに気が引けてしまう。むしろその途方も無い過程を想像すればするほど、この映画が好きになる。ハンドメイドの良さを内包しているからこそ、ストップモーションアニメは、大好きだ。そもそも本作はビデオカメラで作られていないようだ。パンフレットを見ると、そこにはキャノンのカメラがあるではないか。むしろおれたちも頑張れば、ストップモーションアニメを作れるんじゃないか!?なんてことも垣間見られる。
そんなことはさておき、映画の脚本や全体的なことに切り込んで行こう。
映画のテーマは、人間の恐怖心が主題だったと思う。
映画らしい特殊能力を持った主人公であるノーマン。
彼は、幽霊とコミニケーションがとることができる。
しかし彼以外の人々はそれができないのだ。そして人々はノーマンの特殊能力を自分と違うものということで、理解はせずに否定する。「お前はおかしい。普通になれ。」その根底にあるのは、ノーマンという異質なものへの恐怖なのだ。
しかし本作のその恐怖の存在は、ノーマンだけではない、それは勿論映画のガジェットである魔女にあたる。その魔女が誕生した原因もまたそこになるわけだ。
その対比が本作は上手くできており、ノーマンはその現状を受け入れ、人を憎むことをせずに、町を救うべく、魔女と戦うのだった。なかなか感動的な物語である。
また本作の物語は、誰にでも共感できるものである。
恐怖心はいじめの原因でもあると本作は言及する。孤立の原因であることを本作は言及する。
そんな誰しも感じたことがあるまたはもったことがある価値観を映画は抱えながら、映画として大スペクタルを観客に提供する。冒頭から映画は非常に重いのだが、それを救うように底抜けに明るいファニーなデブの少年を登場させたり、どっかに当てはまるようなステレオタイプな女や男更にはいじめっ子が現れ、映画は非常にごちゃごちゃする。
むしろその平均年齢14歳ぐらいで町の危機を救うべく、奔走する姿は往年のユニバーサル映画のオマージュのように思える。
『E.T.』や『グーニーズ』を感じさせてくれた。最近そういう映画があっただろうか?『スーパー8』はあったものの、どこか子供向けに作ったというよりは、大人の要望に応えた子供映画だったような気がする。しかし本作はあの底抜けに明るいピュアな気持ちだけで話しを進めて行こうと努力してくれる。ここには懐かしさ以上の本物の子供主体の冒険活劇が待っている。世界観もストップモーションも全てがその矢印に一致していたと私は思うのだった。
あまり上手く感想がかけてなくて申し訳ない。
ユニバーサルの映画をオマージュしたのは前述だけではない。
この映画は冒頭から多くのモンスター映画愛を披露してくれる。
冒頭は、ノーマンの大好きなゾンビ映画から幕を明ける。
ノーマンは底抜けのゾンビ映画好きで、部屋にはゾンビグッズが山ほど。
私は、一度アメリカのユニバーサルスタジオに行ったことがあり、そこにはお化け屋敷があったのだが、そこには大量の映画モンスターたちがいた。
ノーマンはつまり、そのモンスターに魅了された少年なわけだ。(それが映画のストーリーに関連しなかったのは残念だ。)
そこをフューチャーしてか、映画では、魔女やらゾンビやらが現れ、大暴れしてくれる。
映画のエンディングでは、当時のモンスター映画を意識した絵が多用されたりと、モンスター映画好きには笑みが出るような演出がいっぱいある。ポルターガイスト要素もあったりする。
更には、ティム・バートンの『フランケン・ウィーニー』を意識したシーンもあったりとサービス精神が旺盛だ。
ちなみに『フランケン・ウィーニー』の3倍はダークで3倍は世界観がしっかりしていて、3倍は話しが面白かった。
また本作は、ゾンビに対して、新たな視点で攻めて来たことも評価したい。
それはゾンビより人間の方が怖いという点だ。
古くからの教えを守る住民たちは、ゾンビを怖がることなく、破壊しようと襲いかかり、主人公たちにも魔の手が迫ってしまうのだ。
ここにも映画の主題とも言える恐怖心や偏見が前提にあり、恐れるものを消そうという防衛本能なのだ。そこに主人公のノーマンは疑問を抱き、むしろ大人になり、ゾンビと対話という選択肢を見つけ、人間の恐怖心こそが、一番恐るべきで恐怖であると映画は訴える。素晴らしい教えだ。
このことを私も多くの子供達に知ってほしい。今は春休みだから子供もいっぱい映画を見れるではないか。
しかしふと見るとこの映画、字幕しか公開されておらず、更には東京では4つほどしかやっていない。なんとも哀しい。
子供達は『シュガーラッシュ』のポップさに惹かれるようだが、あっちも相当面白いがこっちもとても面白いぞ。と私は言いたい。
どうか良心的な親達は、本作を子供に見せてほしいものだ。
得点
88
芸の細かさも言うまでもなく素晴らしい。キャラクター造形や内面も面白い。
不意になんども泣かされた自分もいる。(おばあちゃんネタもやばかった)
こんなに金のならない映画つくって、本当にアメリカ人は映画を愛しているなぁーと憧れが強くなった。
ただ一番面白いと思ったが、本作のタイトルだ。
パラノーマン。
主人公がノーマンで、超常現象のパラノーマル・アクティビティーと上手いこと造語して、パラノーマン。
口コミで大ヒットしてほしい。
ちなみに3Dで見たが、その要素はほとんどなかったと思うのが欠点か?

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