☆【考察】『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』92点|え。そういうこと?☆

虎と少年の漂流を描く感動作――くらいのつもりで観たら、ラストで全部ひっくり返された。

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』は、美しい漂流映画でありながら、「真実とは何か」「人はなぜ物語や神を信じるのか」を突きつけてくる。2013年のIMAX 3D劇場鑑賞時、想定外の映画すぎて久しぶりにKOされた。

以下、虎の正体とラストで語られる「2つの物語」に触れるネタバレがあります。

製作

2012年アメリカ映画

監督

アン・リー
グリーン・デスティニー
ブロークバック・マウンテン
ウッドストックがやってくる!
・ハルク

2013年2月10日IMAX3D劇場鑑賞
2013年16本目

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衝撃:うぉぉぉなんだこれおもしれー。

というわけで、始まった『ライフ・オブ・パイ』。
アン・リーの最新作。有名な所ではゴールデン・グローブ賞を獲った壮大であまりにも美しいゲイ映画『ブロークバック・マウンテン』、また中国映画『グリーン・デスティニー』、さらには『ウッドストックがやってくる!』などのフェスの舞台裏やゲイ要素を盛り込んだ壮大な映画。
つまり横に広い壮大な映画でかなりのテクを持つ敏腕監督です。あと『ハルク』も撮りましたが闇に葬られました。
その彼の描く3D映画とは、一体どんなものか?ジェームズ・キャメロンが絶賛していたけども、そんなことよりとても壮大で美しい景色が何よりも楽しみ、動物映画でもあるしね。
そんで期待をしていたが、冒頭こそは動物の可愛い姿が山ほど描かれるが、遭難後は、広い画が多いかな?と思ったらそれとは逆で、一つの画の中にかなり多くの情報量を盛り込んだ、広くて奥行きがあるよりは、情報が凝縮された狭い画というかんじ。
これが結構情報量が多くて、むしろ違和感さえ感じられる。映像的には、壮大とは違い幻想的。
とても綺麗。

宗教の授業?

映画としての主題は虎との遭難物語のお涙頂戴ものかな?と思っていたのだけど、この映画なかなか遭難しない、そもそも船に乗る気配は全然ない。
むしろこの映画は主人公であるパイが如何にして成長したかが序盤に描かれる。
ここにも何やら暗喩がある。パイの本名は、フランスのプール「ピシン・モリトール」に由来する。学校で名前をからかわれた彼は、自らを円周率のπ=パイだと宣言する。どこまでも割り切れない数と同じ名を選ぶこと自体、この映画の「一つの答えに割り切れない」物語と重なって見えた。
パイはヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教を同時に信仰し、成人後は大学でカバラを教えている。一つの宗教に絞らず、異なる教えを通じて神を求め続けているのだ。
そのエピソードが披露されるのだが、それってかなり異質な存在。むしろそんなこと可能なのか?
それでもパイは、一つの宗教に答えを決めず、異なる教えを信じながら生きていく。
そしてつまり実践編、遭難へと話しは展開するのだ。
つまりこの映画は、虎との遭難物語ではなく、彼の信仰心についての物語というのではないだろうか?類似映画はコーエン兄弟の『シリアスマン』のヨブ記の現代版と同様の映画なのではないかと?さりげなく思った。
つまり海洋上での純粋無垢なパイは家族を全て失った矢先、虎と二人きりになり、そこで信仰を失わずに生き延びようとするが、幾多の困難に直面し、彼の信仰心を試す映画。
ふむふむそれはそれで非常に面白いわけだが。
映画の終盤、衝撃的な「もう一つの物語」が明かされる。

【ネタバレ考察】虎の正体とラストの「2つの物語」

映画の終盤、パイは虎や動物たちが登場しない、もっと残酷な「もう一つの物語」を語る。

  • シマウマ=足を負傷した船員
  • オランウータン=パイの母親
  • ハイエナ=船の料理人
  • 虎のリチャード・パーカー=パイ自身

つまり、虎のリチャード・パーカーは、生き残るために残酷にならざるを得なかったパイ自身だった――そう読み取れる対応関係になっている。

私はここで、これまで見てきた虎との漂流は、パイが耐え難い現実を受け止めるため、残酷な記憶を宗教的な物語へ置き換えたものだったのかと思った。

ただし、映画は動物たちとの漂流が作り話だったと断定していない。どちらの物語も船が沈んだ理由を説明できず、真実を証明するものもない。パイが最後に問うのは「どちらが真実か」ではなく、「あなたはどちらの物語を選ぶか」だ。

ここで序盤の宗教の話がつながる。証明できないものを前にしたとき、人はどの物語を信じるのか。真実を暴くためだけのどんでん返しではなく、信仰そのものを観客に体験させるラストだった。

いきなり二つ目の物語を出されて、これまで見てきた映像のシンボルと残酷な現実が頭の中で大回転。すごーく楽しくなった。てか、こういう映画大好きっしょ?『ドニー・ダーコ』を見終わった後のような楽しさに再会した。(笑)

あと虎がすごい。CGとの合成だと分かっていても、リチャード・パーカーが本当にそこにいるように見えた。

IMAXで見て良かった!!

正直3D効果はあんまり実感できなかったし、慣れてしまったので微妙だったのだが、IMAXで見ることに関しては多くの人に勧めたい。IMAXカメラで撮られた作品ではないのだが、音響効果がすごい。IMAXの効能としては専用のスピーカーからだされる、スクリーンの裏に設置されている最強の重低音が出るスピーカーがあるのだが、それから出る水しぶきの音が最高過ぎて、貨物船が嵐にあって遭難と沈没するシーンは非常に面白く、顔に水しぶきがあたったような錯覚をした。
もうそういう体験が出来ただけで非常に嬉しい。
そもそもIMAXの効能って、視界いっぱいに広がる映画なので、人間が主役のドラマ映画アクション映画よりは、こういうライド系の遭難映画とは相性がぴったり、あとはIMAXカメラで撮られた映画は最高です。
皆さんも作品によってはIMAXでの鑑賞を考慮した方が良い。2013年当時のIMAX上映で味わった水音と沈没場面の迫力は今も忘れられない。スクリーンいっぱいに海が広がる本作は、IMAXとの相性が非常に良かった。
ま。そんなこんなんで

想定していた映画と全然違うなかなか深い映画でかなり面白かった。

2002年のブッカー賞を獲った小説の映画化なんだから、まぁー当然か。
あとアカデミー賞が好きそうな内容の映画だった。
予告編見過ぎてミスリードしていたよ。

得点

92点

家族も失った男の物語なのに、全然湿っぽくないし、むしろ哲学的で深い。こういう映画おれ好きだったんだな。
読み応えあったとかツボにはまったならクリックしてください。

2013年公開当時のIMAX上映の余談
ということで、IMAXで『ライフ・オブ・パイ』を見ると冒頭の10分が見れるというキャンペーンが行われたので、日本では9月公開だけども前作がかなりツボだし、SFは大好物なので、見てきたぜ、ついでに『ライフ・オブ・パイ』もね。

そもそも虎と少年が遭難するということで、どうせ虎と仲良くなって、最後虎でも食べて生き残るんだろうなーとそんな泣ける映画見たくねーと思っていたのだが、ツィッターとかで感想を見ていると『宗教』というフレーズを出す人が多く、ふーむとも思っていたが、まぁーおまけ程度の気軽い鑑賞だわさ。

そういうわけで『スター・トレック』の感想。

冒頭10分でも面白かったわぁー。
3D効果がすごくてね。二回ぐらい空飛んだように思えた。
また映画のルール上オープニングシークエンスってだいたい15分ぐらいなのね。だから最後にオチとしてワンシーンある!!って思わせて凄い良い所で終わらせるのよねー。すごーい気になる。
まぁー本題全く始まらず、スポックが死んじゃう!!みたいになるんだけど、そこで死んだら映画としておかしいからまぁー助かることは明白なんだけどもね。結構金かかっていて見応えあった。
悪役自体は冒頭で早速出てきたよ。『シャーロック』のシャーロックです。(笑)
すごーい気になるが、日本では、金稼げないからかあっさり9月公開でして、遠いです。
全米だと5月公開だよ。うらやま。

ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ
1人の小説家がデビュー作で失敗し、ネタ探しに旅に出ていた。彼はある噂を聞きつけ、カナダにやってきた。そこで目当ての人物である大学講師のインド人のパイの家を訪ねる。
そこで噂に上がったパイのこれまでのお話を聞くことにした小説家。
パイは自身のこれまでを語り始める。
フランスのプールから命名されたパイは、自らの名前を円周率のπを引用するようになる。
そして元々ヒンドゥー教の彼だったが、ふとしたきっかけでキリスト教のカトリックを愛するようになり徐々に宗教にはまり、イスラム教もかじり始める。
16歳の時、実家では、都市と協力して動物園をやっていたのだが、経営難の為にカナダに移り住み、カナダに動物を売るため、日本の貨物船でインドから旅立つことになる。
しかしその航海の最中、船は大嵐にあい沈没してしまう。
運良く救命ボートに乗ったパイだったのだが、家族とは離散、そのボートに乗り合わせたのは、足が骨折したシマウマ、後からやってきたオラウータンのお母さん。そしてハイエナだった。
腹を空かせたハイエナはシマウマを襲い、オラウータンも襲った。最悪の事態に陥り、ナイフを取り出したパイの前に突如虎が飛び出し、ハイエナを殺したのだった。
その虎は、かつてパイが近づこうとして、父親から動物の残酷さを教えられたベンガルトラ、リチャード・パーカーだった。虎から身を守りながら海を生き延びるため、パイとリチャード・パーカーの漂流生活が始まるのだった。

最後に:ご訪問ありがとうございます

あとがき
閲覧いただきありがとうございます。本ブログは筆者の鑑賞記録保管を目的としたブログです。本ブログ記事を読むことで私が味わった娯楽作品のカタルシスを追体験できるかもしれません。ですがこの記事を読むことで追体験するのではなく映画を鑑賞して自分自身でカタルシスを味わってください。私以上の発見と出会うことができるのではないかと思います。本日はご訪問いただきありがとうございます。

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30代後半のおっさんです。妻と娘と暮らしながら、映画館で注目作を観たり、家でUHDを見たり、PS5でゲームしたりしています。 このブログでは、映画・アニメ・ゲーム・ガンダム作品を中心に、点数つきの感想やネタバレあり考察を備忘録として書いています。 好きなものはガンダム、洋画、洋楽、バットマン。初めて来た方は、映画おすすめまとめ、ガンダム作品レビュー、Rick and Morty感想まとめからどうぞ。