『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』感想:一言でいうと
結論から言うと、『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』は、本編そのものを大きく作り変えた作品ではありませんでした。少なくとも今回INFINITY VISION対象のSCREENXで再鑑賞した限り、自分には最終決戦までの本編で、明確な変更点はほとんど分からず。「あれ、普通にエンドゲームだな」と思いながら見ていました。
なので今回は『エンドゲーム』本編を改めて全部レビューするというより、アンコール版で何が追加されたのか、そして7年ぶりに見た『エンドゲーム』がどう見えたのかを書いていきます。追加映像については完全にネタバレするので、未鑑賞の方は注意してください。
※本記事は追加映像のほか、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』『ロキ』シーズン2の結末にも触れます。未鑑賞の方はご注意ください。
製作
2019年アメリカ映画
監督
ルッソ兄弟
・キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー
・シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
・アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
出演
2019年4月26日IMAX3D劇場鑑賞 2019年41本目
2019年5月1日DOLBY CINEMA3D劇場鑑賞2019年42本目
2026年9月23日SCREENX INFINITY VISION版劇場鑑賞 2026年35本目
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『エンドゲーム:アンコール』は単なる再上映ではなかった
2026年9月23日から期間限定で公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』。
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』公開前の再上映ということで、最初は「映画館でもう一度エンドゲームを見よう」という企画なのかと思っていました。
ところが実際には新映像が追加された特別バージョン。
しかもINFINITY VISION版には、日本ではこの上映限定となる特別映像まで追加されています。
マーベル公式も今回の上映について、『ドゥームズデイ』の物語を追うために『エンドゲーム』を見ることが重要になるとジョー・ルッソ監督が語ったことを紹介しています。
つまり最初から、
『エンドゲーム』を過去の名作として上映するだけではなく、『ドゥームズデイ』の入口としてもう一度見せる企画
だったわけです。
本編の違いは正直わからなかった
で、肝心の本編。
違い、わからん。
というのが正直な感想です。
2019年公開時の詳しい感想はこちら。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公開当時の感想はこちら
上映前には新しいメッセージ映像がありました。
トニー・スタークを演じるロバート・ダウニー・Jr.と、スティーブ・ロジャースを演じるクリス・エヴァンスが私服で登場し、INFINITY VISIONでの鑑賞への感謝を伝える特別メッセージでした。
これがINFINITY VISION限定映像なのかなぁ?と思いました。
「3000回ありがとう」とのことです。普通に嬉しいですね。
そこから最終決戦までの本編については、自分には大きな変更点を確認できませんでした。
そもそも2019年以来、細部まで覚えているほど何度も見返していたわけでもない。
「あれ?ここ変わった?」
と思えるほど記憶が残っていなかったというのもあります。
ただ、一つだけ「あっ」と思ったのが最終決戦。
復活したサムからキャップに通信が入る場面です。
字幕表記が「左から失礼」
になってる。
2019年に見たとき、自分はここが『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』冒頭のジョギングのネタなのに、字幕ではうまく拾われていないのが気になっていました。
今回見た字幕ではしっかり「左から失礼」。
字幕がいつ変更されたのかまでは確認できていませんが、7年越しに「そうそう、それだよ!」となった。
INFINITY VISIONのSCREENXで鑑賞
今回はINFINITY VISION対象のSCREENXで鑑賞。
まず映像は普通にめちゃめちゃ綺麗。
スクリーンも大きく、体感としてはIMAXで見ているときに近い迫力がありました。
ただし、ここはちょっと注意。
INFINITY VISIONというのはIMAXのような独自の画角や上映フォーマットの名前ではなく、スクリーンの大きさ、音響、映写品質などについてディズニーが一定の基準を設けた認証シアター。
なので、
「INFINITY VISIONだからIMAXと同じ画角になった」わけではない。
今回、自分にはかなり画面が大きく感じられましたが、1.90:1のIMAX画角だった、とまでは断定できません。
とはいえ最終決戦を大スクリーンで再び見る価値は普通にあった。
2019年にもIMAX 3DやDolby Cinema 3Dで見た映画ですが、やっぱり「アベンジャーズ、アッセンブル」は家のテレビで見るのとは別物。
SCREENXでは一部のシーンで左右の壁にも映像が投影されます。会話シーンでは通常サイズが基本で一部SF要素のあるシーンやアクションシーン、多数のキャストが一堂に集うシーンなどで投影されていました。自分は中段のサイドブロックでの鑑賞のため、左側の壁は観れるけど右は全く見れません。SCREEN Xは中央ブロック後方以外はほぼハズレという残念ラージフォーマットとも言えるかなぁと思えますが、
一応中段でも前方の壁に投影されている映像は判別つきます。
自分が最近になって初めて味わったSCREENXの『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は撮影段階からSCREENX用の映像を制作した作品ですが、今回は2019年の『エンドゲーム』を新たにSCREENXで見られる上映です。
そのため、壁の映像については、縦横無尽にアクションが繰り出されるというよりは、背景が追加され、没入感が増すという印象。
しかし左右の壁の映像は、中央に比べるとややぼやけている印象。実際に2K投影なのか4K投影なのかまでは確認できていませんが、この見え方の差は『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』でも感じました。
中央の映像は、全編IMAX撮影の本作にふさわしい高解像度の映像が流れており、非常に綺麗で相変わらず素晴らしかったです。
逆に言えば初のSCREENX版『エンドゲーム』の公開なので、映画マニアには嬉しい上映方式だったのかもしれないなぁと、あとあと感じました。
ここから完全ネタバレ|アンコール版で追加された映像
以下は、TOHOシネマズ池袋・スクリーン10のINFINITY VISION対象SCREENX上映で見た内容です。通常版との追加映像の違いまでは比較できていません。
で、本当に「アンコール版だな」と思ったのはここから。
『エンドゲーム』本編が終わったあとです。
エピローグの最後にロキが現れる
オリジナル版ではアベンジャーズの長い物語を締めくくるためのエピローグだった部分。
アンコール版では、その最終盤にロキが登場。
ここで一気に、
「あ。これは昔の『エンドゲーム』を見ているんじゃない」
という感覚になりました。
『ロキ』を経た現在のMCUでは、彼はマルチバースそのものと密接につながった存在。
2019年時点では存在しなかったその後のMCUを、『エンドゲーム』の最後に直接つなげてきます。
本来過去に戻ってきたスティーブが時間改変をしてペギーと再会しキスをして壮大なインフィニティ・サーガが幕を閉じるのですが、
そこにマルチバースを維持し続けるために犠牲になったはずの別次元のロキが彼らの家を訪れてエンドロールへ。
確かに『ロキ』シーズン2終盤で過去に戻る力を習得したロキですが、どうしてここへきたのか?迎えにきたという話でしたが、ロキはドゥーム側の可能性もあるし気になるし、もし彼が本当に時間の玉座を離れてきたのなら、あれだけ時をやり直して守った時間軸の維持はどうなっているのか?そこを放棄してまで来たのか、それとも維持したまま動けるのか?これはこれで衝撃な展開?世界にいったい何が起きているのか?ドゥームは一体何をどうやったのか???非常に気になります。
『ブランド・ニュー・デイ』後のブルース・バナーが登場
さらにメインキャストの紹介映像が終わると、ブルース・バナーがビデオ日記を撮影している新映像へ。
ブルースの状態を見る限り、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』後の出来事と受け取りました。
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の感想はこちら
ブルースは自分の意思とは関係なくハルクへの変身を抑えられなくなっているようです。
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』では、ジーンの精神への干渉によってハルクが暴走しました。自分には、その影響が今回のブルースにも残っているように見えます。そしてブルースは病院へ運ばれ、ピーターとジーンとは再会しないまま出番を終えていましたしね。地下約30mにある研究施設へ身を隠しながらスマートハルクに戻れるよう研究を続けている。
そんなブルースのもとに、
ドクター・ドゥームを思わせる声の人物が突然現れる。
そしてブルースは連れ去られてしまう。
『エンドゲーム』ではハルクとブルースの人格を融合させ、ある意味では問題を解決したはずだった男が、今回の追加映像では再びハルクという存在を制御できなくなっている。
コミコン関連としてSNSで見かけた写真には、特殊な服を着た人物の姿があり、近年MCUで見かけていないキャラクターではないか?という憶測もありました。ただ、写真だけでは正体も、ドゥーム側の人物なのかも分かりません。ブルースもドゥーム側にいるのかもしれない???
ここからは完全に自分の予想ですが、そもそもドゥームが別次元のトニーで、マルチバースによって大切なものを奪われた存在で神聖タイムラインの破壊や真の世界の調和とそれを壊した神聖タイムラインへの復讐を考えている可能性は大いにある。
TVAが3000の宇宙の崩壊を観測
さらにスタッフロール後。
舞台はTVA。
そこで確認されるのが、
宇宙同士の衝突と崩壊。
しかも表示される数字は、
3000。
3000の宇宙が崩壊したという、とんでもない規模の異常事態が起きている。
いやいやいや。
ロキさん、マルチバース守ってなかったっけ?
『ロキ』シーズン2の結末を見た側からすると、あれだけの犠牲を払って維持したマルチバースが再び崩壊を始めているように見える。
そして「3000」という数字。
『エンドゲーム』と言えば、
「3000回愛してる」
ですよ。
この3000が単なる数字なのか、『エンドゲーム』を意識した数字なのかは現時点では分かりません。
でも『エンドゲーム:アンコール』のラストに3000という数字を置かれたら、そりゃ気になります。
残った次元での生き残りをかけた『シークレット・ウォーズ』へつながる伏線かも。と思わせてくれる。
そもそもMCUでもX-MEN側のキャラクターとして、先行してビーストが『マーベルズ』のオマケ映像に登場していましたね。
その世界との戦いもあり得るなぁと。ドゥームズデイの予告では、彼らが苦しむ映像がすでに登場しているので、それはドゥームズデイにて明かされるかもしれません。そもそも『ドゥームズデイ』が前後編の前編の可能性は大いにあるので、なんとも言えません。
トニーのハンマー音がドクター・ドゥームのマスクへ
そして一番好きだった追加演出が最後。
オリジナル版『エンドゲーム』は、エンドロール終了時に、
カン、カン、カン……
という金属を叩く音が流れます。
『アイアンマン』1作目。
洞窟の中でトニー・スタークが最初のアイアンマン・アーマーを作っていたときの音。
2008年に始まったMCUを、その始まりの音で終わらせる。
めちゃめちゃ綺麗なエンディングでした。
ところがアンコール版。
その音が、
ドクター・ドゥームがマスクを作っている映像へつながる。
そしてドゥームのマスクを映して終了。
これはズルい。
アイアンマンを誕生させた「鉄を叩く音」が、
今度はドクター・ドゥーム誕生の音になる。
ロバート・ダウニー・Jr.がトニー・スタークとして始めたMCU。
その同じ俳優が今度はドクター・ドゥームとして『アベンジャーズ』へ戻ってくる。
その事実を、台詞で説明するのではなく「金属を叩く音」で接続してしまう。
今回のアンコール版で一番好きな変更でした。
『エンドゲーム』から『ドゥームズデイ』へ
2019年に『エンドゲーム』を見たとき、この映画は完全に終わりの映画でした。
トニー・スタークの死。
スティーブ・ロジャースの引退。
初期アベンジャーズの物語が終わる。
その後MCUは続き、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』などへ物語が広がっていきました。
自分の感覚では、
『エンドゲーム』→『ノー・ウェイ・ホーム』
という流れが、MCUの大きな感情的な本筋の一つだったように思います。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』感想はこちら
でも今回のアンコール版を見ると全然違う。
ロキ。
ブルース。
TVA。
崩壊する3000の宇宙。
ドクター・ドゥーム。
そして最後のマスク。
『エンドゲーム:アンコール』→『ドゥームズデイ』
という新しい線を、2026年になって『エンドゲーム』の後ろに直接書き足してきた。
作品自体は同じなのに、
ラスト数分が変わるだけで映画の向いている方向まで変わってしまった。
これが今回一番面白かったところです。
『ブランド・ニュー・デイ』後に見るピーターとトニーの再会が泣ける
そして追加映像とは全然関係ないんだけど、今回の再鑑賞で不意に刺さった場面。
最終決戦。
消滅から戻ってきたピーター・パーカーがトニーと再会するところです。
ピーターが一生懸命何があったのか説明している最中、
トニーが何も言わずに抱きしめる。
2019年にも当然見ている。
でも2026年の今見ると全然違った。
この頃のトム・ホランドのピーター、
まだ少年なんですよね。
それが『ノー・ウェイ・ホーム』を経て、一人になって。
さらに『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』まで進んだピーターを見たあとで、ここに戻ってくる。
2026年9月時点で『ブランド・ニュー・デイ』は世界規模の大ヒット作になっています。
そんな現在のピーターを知っている状態で、まだトニーに抱きしめられて戸惑っている少年を見ると、
「お前、このあと一人でとんでもないところまで行くぞ」
みたいな気持ちになってしまった。
なんか親戚のおじさんみたいだ。
そしてピーターはドクター・ドゥームと出会うのか?
そして今度の『ドゥームズデイ』。
ドクター・ドゥームを演じるのはロバート・ダウニー・Jr.。
今回演じる役として発表されているのは、トニー・スタークではなくドクター・ドゥーム。
でも観客にとっては、
ピーターの人生を変えた人物を演じた、あの俳優。
もしピーターとドゥームが実際に対面することになったら、映画としてどんな見せ方をするんだろう。
2019年の『エンドゲーム』で抱き合っていた二人を見た直後だからこそ、そこが無茶苦茶楽しみになりました。
再会ではない。
でも観客側にはどうしたって「再会」に見えてしまう。
そこをルッソ兄弟がどう料理するのか。
今から楽しみでしょうがない。
総評:終わった映画を、次のアベンジャーズの入口に変えてしまった
『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』を見終わって思ったのは、
映画本編の感想を書く必要、あんまりないな。
ということでした。
だって『エンドゲーム』なんだもの。
本編の細かな違いは自分には分からなかったし、作品そのものについては2019年に散々書いた。
今回面白かったのはそこではない。
2019年には「終わり」だった映画に新しい映像を追加して、
2026年には『ドゥームズデイ』の始まりにしてしまったこと。
これです。
INFINITY VISIONのSCREENXで再び大スクリーンの最終決戦を見られたのも楽しかった。
『ブランド・ニュー・デイ』後だからこそピーターとトニーの再会にも妙に泣けた。
そして最後は、かつてアイアンマンを作ったハンマーの音からドクター・ドゥームのマスクへ。
終わったはずの『エンドゲーム』を、未来へ向けてもう一度起動する。
「アンコール」というタイトルは、思っていた以上にしっくりくる作品になっていました。
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あらすじ
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