ピクサーらしさを全開の環境テロ映画
★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2026年アメリカ映画
往年のドリームワークスを彷彿するギャグ
2026年3月14日日本語吹替版劇場鑑賞
2026年7本目
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概要:ピクサー30作目はビーバーロボが大活躍!!
1995年の『トイ・ストーリー』から始まったピクサー・アニメーション・スタジオも今作で30作目。
監督はピクサー出身で現在も関連してるが、別会社のカートゥン・ネットワークにて『ぼくらベアベアーズ』を製作し成功したダニエル・チョンさん。
自分も最初はスルー予定だったが、娘が可愛いビーバーが活躍する映画だから、みたいと言われ一緒にみたが、びっくり仰天の大スペクタクル社会派エンタメなので十分楽しめた。
驚き:可愛いビーバー映画では終わらない社会派テーマ
環境保護活動に人生を賭ける大学1年生の女性メイベルを主人公に据えて、街の発展というか保身のために、環境破壊をして高速道を作ろうとする市長と対立する彼女は、秘密裏に開発された意識転送型ビーバーロボを使って、野生の世界に介入し、そのバランスを壊し、人類VS野生動物の戦争への発展を止めるために奮闘するというかなり変わった物語。
主人公のメイベルは倫理観に問題のある設定のため、なかなか応援しづらくもどかしい存在。冒頭から小学校で飼育されている動物を野生に返そうという、一風変わった事件を起こすし、怒って見境なくなってしまう問題もある中、自然に触れることで心を落ち着ける感覚を身につけたものの、その思想に傾倒したまま大人になってしまった。結果として問題行動は改まらず、授業より自然保護を優先している。ひとりぼっちだった彼女は危うい倫理観を持ちながらもこの事件により大学の極秘研究活動をしている人や対立していた市長、ビーバーの王ジョージと心を通わし成長していくわけです。
近年の人類の地球温暖化や環境破壊に対してのピクサーらしいテーマ性の高い作風で、よくSNSでも見かける環境テロリストにも近い主人公の行動理論に対して、SF要素である意識転送型ビーバーロボの登場と、心優しい野生動物たちと狂気を孕んだ虫や爬虫類や蛇達の王など、ポスターでは想像できない物語が繰り広げられる。
流石ピクサー:話も映像も面白い
一見すれば可愛いビーバーの話かな?と思いきやまさかの野生動物と人類というか一つの街の存続をかけた大きな戦いに発展。
もちろん悪いのは市長の行動だが、人間と野生動物の境界を作ろうと考えた市長の騒音スピーカーの設置も理にはかなっているものの、すみかを失う動物たちのことを考えれば、人類の姿勢はあくまでも侵略行為であることには変わりない。
市長は再選のため、自分の実績として新高速道路計画を強引に押し進めている。
手続き上は大きな問題がなかったとしても、そもそもそれは本当に必要だったのか、単なる環境破壊ではなかったのかという疑問は残る。
ただ一方で、公共事業によって地場業者に発注し、地域に金を回そうとする発想自体は人間社会の論理として理解できる。
温厚な川の動物達に対して、野生動物たちのヒエラルキーの中も低い虫の王の世代交代による狂気の始まり。その映像表現も相まって、おどろどろしさはやばい。
また昨今のSNSで話題になってるのか、急なサメの登場によるサメ映画へと変貌。心優しいサメが鳥に運ばれて空飛んで襲撃してくるという、どんなもの食べたら浮かぶのかわからない設定と展開にゲラゲラ笑えて楽しかったです。
技巧派:終盤は意外な共闘と友情描写でしっかり泣かせる
もちろん終盤のまとめ方やひねりもうまく、虫の王の暴走によりビーバー型から人型ロボットを急遽製作し、人類抹殺による大胆な展開をそれを止めるために主人公と宿敵の市長が協力する展開も意外性があり面白い。野生動物たちに正体を明かすことになる展開もよかった。
言語での交流はできなくなっても、それまでに築いた信頼や友情が消えない描き方はかなり丁寧で、終盤はしっかりほろりとさせられた。
単なる感動の押し売りではなく、ここまで一緒に過ごしてきた積み重ねがあるからこそ効くラストだった。
視覚的にビーバーロボになったときのコミカルな顔つきと人間視点の時の野生動物たちのつぶらな瞳の愛くるしさのバランスもずるく、ピクサーはようやく才能のある次世代のクリエイターを掴むことに成功した印象。近年のピクサーはオリジナル作品でやや苦戦している印象もあったが、本作では久々に新しい才能の手応えがあった。もっとも、自前で育てたというより外から抜擢した印象は残る。
親子で楽しめる?:子どもと観ても楽しめる?怖いシーンはある?
4歳の娘と鑑賞しましたが、娘は頑張って最後まで鑑賞しました。やはり娘としても思っていた映画と違ったようで。
「なかなかビーバーにならないね」と途中で私にコソコソと話かけてきました。
また後半は暗闇でおどろどろしい映像や火事のシーンなど怖いシーンも多く、ハラハラしているようでしたが、
笑っちゃうシーンもあったようで、すっごく楽しかったようです。
可愛い動物映画として観ると後半はややハードだが、笑える場面も多く、怖さに耐えられる子なら親子でも十分楽しめる一本だと思う。
懐かしき『マダガスカル』:ドリームワークスを思い出す
ピクサーは毒がありつつもしっかり感動的で、ひねりのある上質な作品を作る印象がある。一方でドリームワークス・アニメーションは、ギャグとはちゃめちゃさで楽しませてくれる印象が初期作品にはあった。『塔の上のラプンツェル』あたりからはディズニーもドリームワークス的なノリを取り入れ始めたように感じていたが、ついにピクサーも似たようなギャグをやり始めたんだなぁ、と。面白いけど、少し意外でもありました。
独特な野生動物たちのルールと、妙に落ち着いたビーバーの王キング・ジョージの温かさ。そのほんわかした変なトーンには、『マダガスカル』のキング・ジュリアンを思い出してしまい、変な思い出し笑いをしてしまった。
さらに、独特すぎる動物たちのルールやヒエラルキー、『ゲーム・オブ・スローンズ』を彷彿とさせる王たちの登場、地獄のような決断とその後の血みどろなエグさを見ると、やっぱり正統派ピクサーというよりはドリームワークス寄りの味わいを感じる。
あとあの騒音スピーカーに近づいた時の各動物達の反応のギャグはやり過ぎだと思った。めっちゃ笑ったけど。悪ふざけな感じがエグい。
もっとも、最近のドリームワークスはむしろそういう方向から少し離れて技巧派になった印象もあるし、そのポジションはいまやイルミネーションが担っている感じもある。この監督の成功作『ぼくらベアベアーズ』もギャグ寄りの作品だし、結局は監督の個性と言ってしまえばそれまでなんですけどね。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.5/10
・映像のアプローチ 8.7/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
85点
想定外の良作でとても楽しめました。また一緒にみなかった妻と家族全員で自宅で再鑑賞したいです。
ネタバレ 後半まであらすじ
最後に:ご訪問ありがとうございます
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