ガイ・リッチーが社会派娯楽映画を生み出す
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2023年アメリカ映画
アメリカの悪を炙り出す
監督
ガイ・リッチー
・ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
・スナッチ
・シャーロック・ホームズ
・アラジン
キャスト
ネタバレ あらすじ
2024年2月23日劇場鑑賞
2024年10本目
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概要:米軍撤退から3年。ガイ・リッチーが立ち上がる
娯楽映画ばっか監督してた
ガイ・リッチーが
何故か社会派路線の映画を監督。
侵略者と現地人が生き残りをかけて
旅をするという
なんか聞いたことがある物語。
しかし中盤ではその逆バージョンも
描かれて
ターリバンの無限に湧いてくる
まるで難易度ハードのFPSの
敵兵士のようなやばさを
コンテニューなしで挑む
ジョンことジェイク・ジレンホールに
ハラハラしてやばい。
『シャーロック・ホームズ』や
ディズニーの『アラジン』の実写映画
などアメリカでの出稼ぎも
成功している彼が
何故かアメリカを皮肉るような
社会は戦争スリラーに挑戦。
全米では好評のシニカルさ
日本では
対立するはずの2人が
手を結ぶという人間ドラマに
感動推しで宣伝しているが
蓋を開ければ報酬や貸し借りに
シビアなドラマ。
そしてアメリカが広げた戦争。
けつをふかないアメリカの暴挙が
如実に描かれたアクション作品だった。
北米では映画データベースサイドの
2024年2月23日時点で
IMDbではメタスコア63点の
観客評価7.5点とまずまず高い評価。
しかしヒット面では北米公開時期の
マリオと被ったせいか
彼の監督した作品の中で
一番悪いと言っても過言ではない。
ただそもそもAmazonとも契約していた模様で
海外では2023年時点で定額配信されている。
日本では1年近くの時を経て
劇場公開というやつですわ。
渋い映画
ターリバンの武器庫を探すという
すり減り要素満載の任務を
行うジョン達。
攻めたら無限に増援を呼んでくる
ターリバン。
それを8名で攻略するという
そもそも頭おかしいのでは?と
思うわけですが
そんな無駄な戦争を何故まだ続ける?
と思わずにはいられないが
武器と宗教を片手にターリバンは
ターリバン以外はゴミ扱いだしという
なかなかの武力主義もしっかり描き
アメリカもターリバンもクソっていう
最悪の環境ながらも
アメリカで生きれる可能性に
全ベットで寝返ってきた
通訳のアーメッドさんと
案の定隊は全滅し唯一生き残った
ジョンの逃避行劇。
アフガニスタンという荒野と山のコラボ
という地獄の中を
隠密で負傷したジョンを運ぶ
アーメッドさん。
時折叫んでてやばいし
道路にはターリバンうじゃうじゃしてて
まじで地獄。
しかし自由への片道切符に
美人な妻と生まれたての子供の
命がかかっていれば
そりゃあこの行軍もやり抜くよなぁと。
納得してしまう。
道中のハラハラ展開や
ターリバンは嫌いだという
現地人の妙なリアルさなど
渋くて濃い
しかし米兵も気の毒だが
この泥沼感には
正義もクソもない仕事としての
侵略という虚無っぷり。
『ジャーヘッド』を思い出した。
そういえば『ジャーヘッド』にも
ジェイク・ジレンホール出てたし
そういう系譜があるのかなぁ?
こういうアメリカ批判映画自体を
ジェイク・ジレンホール好きなのかな?
狂い出す帰還兵
ある種テンプレ気味な展開だが
ジェイクさん帰還するが
しっかり狂う。
ただこの狂い方が特殊で
自分を救った現地人が救われてないのはおかしい
というところから狂い始める。
戦場から帰って
愛する妻と成功している車修理工場を
切り盛りしつつもやるせなさが
彼を蝕む。
考察:炙り出されるアメリカ人の傲慢さ
『マイ・ブラザー』でも
帰還兵が狂っていくパターンは
みたなぁ。
例に漏れず本作もそれが描かれるのだが
今作の対象はちょっと違う。
「俺の命を救った現地人は幼い子供と
妻を連れて命を狙われ転々としているんだ
本来だったら救われるはずだ!!」と
キレ散らかして悪夢まで見て
恐ろしいクレーマーに成り果て
酒に溺れてしまう。
超美人で仕事もできる妻もいるし
子供も2人もいるし
挙句に車の修理工場の社長として
仕事もまぁまぁだし
これ以上にないほど満たされている
安全な人だ。
そんな彼がそもそも何故
戦争に行ったのか?
可能性としては愛国心なのではないか?
しかし曹長なので従軍帰還はそこそこ
長いような気がするが
子供も10歳手前ぐらいに見える。
個人的な考察だが
自分は優れたアメリカ人だから戦争に行って活躍しようと思ったのでは?
と思うのだった。
アーメッドを序盤から受け入れずに
支配しようとするあたりからも
自分はアメリカ人として
優れているという隠喩が存在していて
それだからこそ
自分を救った彼を救えないことが
許せないという
学生時代からヒエラルキーの頂点に
いた男がその傲慢さを維持し続けようと
したのではないか。
それは世界最強の国である自負。
ベトナム戦争から何も学ばず
他国を侵略し
そしてまた帰っていった。
ターリバンは容赦なく
アメリカに協力した人々を
殺害したとエピローグでは
描かれていた。
そのメタファーとしてのジョン
だったのではないかと思うのだ。
また最終的に
米軍の強力な兵器が
ターリバンを無視けらの如く
排除して映画のクライマックスは
膜を閉じる。
懐かしき
『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の
逃避行の顛末を思い出す。
今作はある種のライブのクライマックス
の添え物のように描かれたそれは
ターリバンという現地人を
簡単にそして日常的に
アメリカという国が蹂躙していたという
他国を荒らすだけ荒らして
去っていったというメタファーに思えた。
カタルシス満載だ
ここがダメ:音楽うるさかった
全体的に重厚な音楽が
ガンガンに鳴り響いていて
荘厳な作風だったが
ジェイク・ジレンホールが
顔芸して見得を切って
上官に意見する熱い展開も
ガンガンに音鳴らしてて
もはや邪魔だった。
結構渋い音楽だったのに
轟轟なり響いてて
アンバランスだった。
考察:救出は計画だったのか?善意だったのか?
とアーメッドが逃げずに
彼を救出した理由について
考える。
アーメッド1人なら
ジョンを放置して逃げても
問題なかったのではないか?
100キロ近くも重症の彼を
担いだり偽装しながら移動なんて
そもそもできないだろう。
だが逆にジョンという人間を
見てこの男は施されたら
プライドが許せないのではないか?
そのアメリカ人の傲慢さを
利用したのではないか?
2人に絆なんてなかった
2人は握手もなければ
抱き合うことなんて
なかったと思う。
仕事と報酬。
その思考でアーメッドは
彼を助けることで
必ず妻と子供を
安全な地で
もしくは彼の工場での勤務も
含めた絶対的な安全が
手に入ると考え
彼を救う仕事をして
彼に救わせたのではないか?
最後の最後で
飛行機で移送される2人の視線。
アーメッドは確かな
報酬を得ることに成功し
全ての計画がうまくいったと
安堵していたように思えた。
そしてジョンは
全てを察知し
そしてようやく自分の
戦争が終わりを告げたと
そう思ったと思う。
偽物の英雄として
祀られたジョンの
肥大化しているプライドも
ようやくさやにしまえたの
ではないか?
『アメリカンスナイパー』のように
戦争での英雄になることなど
全く求めていない。
欲しいのは成功者であり続けるという
エゴを保ち続ける
ことだったのではないか?
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 7.6/10
・キャラクターの魅力 7.6/10
・音楽 6.5/10
・上映時間と個人的趣味 7.7/10
72点
ターリバンが至る所が出てきて
結構怖かったし
アフガニスタンがまじで
怖い場所だなって思った。
聖戦を理由に殺人が許されてるとか
人が住める場所じゃねぇ。
ホームランダーさんが出てるの
ブログ書く準備してて気がついた。
そしてガイ・リッチーこんな映画作って
『シャーロック・ホームズ』とか
『アラジン』作ってる時に
「俺は世界で一番偉くて映画大国の中心にいる
アメリカ人だぞ!」とか
言われて嫌な思いでもしたのだろうか?
アメリカ人って本当に困った奴らなんだよ。
そういう恨み節を感じる映画でした。
しかし全体的に丁寧すぎて
テンポは悪めだったかなぁ?