2016年日本映画作品
日本の青年漫画の映画化。
35歳の漫画家のひでおだが、売れっ子ではなくて、連載開始早々に打ち切りくらって、頑張って漫画書いても担当に相手をしてもらえず、現在は漫画家のアシスタントをして、恋人と一緒に住んでいる男の物語なのだが…。
漫画1巻目は、そんな彼の日常をかなり病んだ感じで描き、うだつの上がらない毎日に、どんどん閉塞していく人生に絶望感満載だが、それでもギリギリ生きていくというどっかで見た浅野いにおみたいな内容なのだが、だんだんと日本がおかしくなっているわけで。
ようやく2巻で、日本はゾンビウィルスが蔓延。
最悪な人生を生きていたひでおは恋人も失い、たまたま大事にしていた猟銃を手に、生きるために逃避行を始める。
という映画。
映画版では、とりあえず行き着く富士の樹海で出会う女子高生のひろみが、序盤の練馬区付近で合流し、タクシーに乗り合わせるストーリーに変更。
そのまま富士の樹海で、半ゾキュン化。
劇場公開時に、日本の商業映画では考えられない規模でグロを描いた作品として超話題だったので、Blu-rayをレンタル。
序盤の片瀬那奈のテッコがゾキュン化した姿がかなり恐ろしかったし、そっからのゾンビパニックで一般人が惨たらしく襲われていく様等見事。
しかし中盤の無駄な中だるみが非常に激しく、有村架純とのやりとりがとても面白くない。
また有村架純がもっとアクションあるかとも思ったらほぼなく、無駄。
後半のショッピングモールでは、大量のゾキュンが多く、凄まじい規模、さらには、ありえないほどの死体等、確かに日本の商業映画では考えられない規模に興奮したが、やはり会話部分が中だるみか。
ゾキュンの強さが結構まちまちで、なんでテッコあんなに強いんだよという違和感もあった。
キャラクターとしては大泉洋が大泉洋なんだけど、ひでおに似ていてなかなか。
しかしせっかく猟銃を持っているのに全然撃たないわけで、その辺りがやっぱり人というか生物を撃つ葛藤があるのか、本編では全く描かれず、速く撃っちゃえという感じ。
撃ってからは、ひでおがヒーロー化してなかなか素敵なんだけどなぁ。
まぁここはアメリカじゃなくて日本ですからね。銃への考えも一味違うよな。
漫画でいた脳に住むキャラが映画ではいないのが、物足りない。
序盤の一連のゾンビパニックはすごく、後半のショッピングモール等も日本映画では味わえないスリルに興奮するが、やはり映画のテンポは相変わらずの邦画。
前半のひろみとひでおのやり取りなどの無駄な退屈さや、間が伸びている。
後半のショッピングモールでもそれは変わらず。
雰囲気こそいいが、映画自体が長すぎる点は、本当に残念。
得点
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6.5/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 8.5/10
・キャラクターの魅力 6.5/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 6.5/10
67点
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