有名な人の 家族の物語
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2022年アメリカ映画
作家はいつだってトラウマを作品にする
監督
スティーヴン・スピルバーグ
・E.T.
・シンドラーのリスト
・プライベート・ライアン
・レイダース/失われたアーク《聖櫃》
キャスト
ネタバレ あらすじ
2023年3月5日劇場鑑賞
2023年13本目
映画感想リンク:◎【83点】JAWS/ジョーズ【サメとスピルバーグとジョン・ウィリアムズ】
スピルバーグも流行に乗る
2018年のキュアロン監督の『ROMA/ローマ』
映画感想リンク:◯【Netflix映画:76点】ROMA/ローマ【映像全てが美しい写真のよう】◯
2021年のパオロ・ソレンティーノ監督の
『Hand of God -神の手が触れた日-』
映画感想リンク:◎【80点】Hand of God -神の手が触れた日-【解説 考察:監督の半自伝映画】◎
2022年のリチャード・リンクレイター監督の
『アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー』
映画感想リンク:◯【69点】アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー【解説 考察:思い出と虚構という甘美さ】○
賞レースを賑わす映画監督たちに呼応し
遂にスピルバーグ監督も
自分の就職するまでの物語を映画にて紡ぐ。
スピルバーグオタクの為の映画か?
・スピルバーグと恐怖の映画との出会い
・スピルバーグのおかしな家庭
・スピルバーグの自主映画製作の日々
・スピルバーグはユダヤ差別を受ける
・スピルバーグの家族崩壊
スピルバーグの映画作品における
キーポイントが映画として描かれる。
またそれらはすでにインタビューなどの
発言している部分も多く
それの集合体というのが
今作『フェイブルマンズ』であったと
自分は思うのであった。
スピルバーグの才能に打ちひしがれて
自分もまさにそうだが
スピルバーグの映画に夢を見て
映画制作者になれたらなぁなんて
甘い気持ちを持って
青春を過ごし
何もできないまま
サラリーマンとして生きている。
じゃあスピルバーグ自身は
どうだ??
と言うと
最初の最初の映画製作から
才能が溢れ出ているではありませんか。
なんとなくで映画を作るのではなくて
自分の恐怖を乗り越えるために
恐怖そのものを映画に撮るという
謎のエピソードから
秀逸な映画が生まれ
そこからの雪崩れ込む映画製作の日々
ボーイスカウト時代の
傑作映画の制作や
特殊効果のアイデア。
何気ないホームビデオも素晴らしいし
あまりにも僕らとの違う
天才っぷりに
むしろ取り残され
ただ眺めることしかできな
悲しさがあった。
ただその才能溢れる彼の日々の中でも
カメラを向けた対象の
自分でも知りたくなかった真実が
見えてしまうという呪いのようなものも
あり家族を崩壊に進めていく
きっかけにもなってしまう。
父親も天才だった
と更に苦しいのが
スピルバーグの父親として
描かれるバークさん
PC技術を高める
文明発展に貢献するほどの
大天才のエンジニアだったわけ。
スーパーエリートのエンジニアが
母親の芸術的側面も受け継ぎ
映画の世界でも大成功していくのだから
まぁも凡人の自分としては
本当にしんどいわけです。
エリートが勝利を掴む
確かに高校時代はユダヤ差別に
あったという展開もあったりするし
大学は馴染めずに
就活に精を出すもうまくいかず
精神病みかけるという
凡人よりのエピソードもあったけども
そんなことも極短期間だったようで
しっかり大成功への道を噴き出してて
しんどい。
とブリリアント過ぎる
天才の栄光の日々というものを
スピルバーグ自身も美化しているとは思うが
強烈過ぎる映画だなぁと思った。
どこかノア・バームバック監督や
リンレータ監督の映画の
チルアウトな感じもあるわけですが
完全に勝利者の物語なんだよなぁ
ウェス・アンダーソンのような
外連味のようなものもなく
強いていうならアフリカ系アメリカ人が
全く出てこなかったし
LGBTも全く出てこなかったので
なんだか懐かしさを感じました。
ミシェル・ウィリアムズの化け物さよ
と今作のやばいポイントとしては
スピルバーグの母親を演じた
ミシェル・ウィリアムズ。
ピアノを弾くシーンもすごいが
目を輝かせて主人公と交流したり
キャンプで急に踊り出したり
浮気がバレて泣き出したり
うつ病になったりと
かなりの化け物だったが
それを迫真の演技で実存化させる
ミシェル・ウィリアムズのパワーが
マジでやばかった。
ポール・ダノは完全に食われてた。
逆に嫌なポジションを
久しぶりに見たセス・ローゲンが
演じていてびっくりした。
彼が出てくるまで
この映画に出てることを知らなかった。
個性だったテンパも声の張りもなく
ただの良い兄ちゃん感だけに
なってしまってちょっと物寂しい。
ゆるくて地味でもキレッキレな映像が急にドーン
と少年スピルバーグの撮る映画が
全くもってキッシュな感じなし。
ガチなスピルバーグが
それっぽく撮るも
見ていて普通に面白い。
冒頭の模型で描かれる
列車衝突事故。
子供だけでやる
西部劇。
荒野でやる戦争。
ちょっとした
卒業前の日常を
撮っただけの映像。
その全てに
スピルバーグの才気が宿る。
その才気が時に人を傷つけ
自分自身も苦しんでしまうという
なんともえぐい。
映画とは自分にとって
なんだったのかという
映画に対する
スピルバーグのアンサーの映画。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7.8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 7.1/10
70点
戸田奈津子が字幕じゃなかったら
もっと楽しめたのではないか???
ファンタスティックな映画かと思ったら
物を生み出す人間の歪みの映画だった。
レンタル
通販
もしかしたら
『ニューシネマパラダイス』は
偽物なのかもしれない。
映画感想リンク:◎【83点】JAWS/ジョーズ【サメとスピルバーグとジョン・ウィリアムズ】
そいえば全然ジョン・ウィリアムズが
印象に残らなかったなぁ。