「終盤激アツ」
2016年日本映画作品
GANTZ好きだったなぁー。
2000年から2013年まで連載された青年向けコミックの『大阪編』のCGアニメ映画化。
13年も連載していたことに、びっくりする。
2度アニメ化されたり、実写映画化されたりもしたが、連載終了後にCGアニメ映画化されたことには驚く。
ちなみに自分もGANTZファンだったが、『カタストロフィ編』ことアバター星人編の中だるみについて行けず、コミック収集を辞めて、連載終了後にブックオフで読んでなかった巻を読んで、「?」と思った。カタストロフィ編をもっとタイトにすれば、最終盤の神様との対話や、ラストバトルなど結構面白かったんだけどな。
制作は実写版『GANTZ』の映画化をしたデジタル・フロンティア。
日本テレビ系列の映画を担当することが多かった。
総監督は、さとうけいいち。
同様に実写風フルCGアニメの『聖闘士星矢』の監督や『ガンダムUC』の作画監督を行った。
個人的には地元の池袋を舞台にした『オニ星人編』が新メンバーが多くて、再スタートな感じが面白かったなぁ。
さて今作の感想。
・キャラクターがダッチワイフ
・背景がほぼ実写
・ぬらりひょんが凄まじく強くてやばい
・岡の使う巨大ロボットとハードスーツがすげぇ!!
・終盤のラストバトルが激アツ
という感じでした。
やはり2時間の映画に比較的長編の『大阪編』をまとめるので、キャラクターを大幅にカット。
大阪のチームはほぼ一緒だが、東京チームは直前のオニ星人編で主役の玄野を殺し(舞台も渋谷に変更)、超能力使いやホストたちも武闘家高校生と幼児もカット。
レイカと鈴木さんこと赤くない池田さんと本作の主役として扱われる加藤の3名のみ。あとステルス性能高くて感想書いてる最中も忘れてた西くん。原作で終盤狂キャラで大活躍なんだけど、若干主役の加藤に押され気味。
東京チームのアクションも個性的で魅力たっぷりだからちょっと惜しい。
妖怪たちも一部カット犬とかはいない。
作風としては、新規参戦の加藤を主軸にGANTZの理不尽な世界を丁寧に説明し、加藤の正義感溢れる善行ぶりをフューチャーし、不条理で残虐な状況に善戦する姿を描く、
また実力者の集まりでありながらもゲーム感覚で戦う大阪チームは、凄まじい強さ。
100点の武器を使い、妖怪たちを倒していく。
特にすごいのが、背景の作り込み、ほぼ実写。
キャラクターは美形ぞろいなのだが、妙な質感で、人形っぽく、ダッチワイフに似ている。ちょっと不気味で気持ち悪い。
その分、非人間キャラである妖怪たちのディティールが凄まじく、特にラスボスであるぬらりひょんは圧倒的な映像表現と最恐っぷりがやばい。
そしてハードスーツでの戦いも非常に見応えたっぷりで、興奮する。
作品のテンポが若干悪く、いつも孤高の策士であるガンダムのシャアを演じる池田さんがひ弱で弱いおじさんの鈴木さんを演じるんだけども過剰にオロオロしすぎて斬新だけど物足りない。
またレイカがいつも銃を構えているのに全く撃たず、終盤までとことん役立たず、持ち前の抜群のプロポーションを有効利用せず、もったいない。
ただ杏は、微乳ながら乳を頻繁に揺らしてくれてよかった。
あのピチピチなGANTZスーツの質感はいいし、特殊効果も素敵。
最終的には、ぬらりひょんに奇襲をかける大作戦が、見応えたっぷりでめっちゃ面白い。
音楽もっと気をつかってくれ!!
映画は惨たらしい殺し合いを宇宙人と人間に問答無用でさせ、一般人を巻き込み甚大な被害をもたらす内容なのに、音楽はなぜかよくある日本映画の感動を押し付けるようなものばかり流してくれる。
善行を貫こうとする異常者の加藤をフューチャーし、初見や一般の方に感動を押し付けようとしてくるやり方には不愉快だった。
俺たちは殺し合いを見に来たんだ!!グロくて血みどろで、ギリギリの生に執着し、ゲームを終えるために戦う。そんな狂った世界を描くなら、どう考えてもサイバーパンクでソリッドな楽曲やエレクトロなクラブミュージック調のもの使うだろ。
本当に気を使って欲しい。攻殻機動隊とかそっち系の音楽にしてよ。
得点
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 6/10
・音楽 3/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
66点
最初の加藤の扱いに疑問を持ったが、最後の最後でその理由が描かれて、納得。
もっと大画面で見れば、牛鬼とロボットの戦い見応えあったと思う。
近い作風としてFFの映画もあったが、個人的にはあっちの方が好みだったな。
それでも日本の映像技術力も高いね。
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