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【海外ドラマ】スペース・フォース【感想】

スペース・フォース

製作

2020年アメリカ海外ドラマ

製作総指揮

スティーヴ・カレル
・40歳の童貞男
・ゲット スマート

エピソード監督

ポール・キング
パディントン
・パディントン2
ディー・リース
マッドバウンド 哀しき友情

キャスト

スティーヴ・カレル
・40歳の童貞男
・ザ・オフィス
フォックスキャッチャー
・リトル・ミス・サンシャイン

ジョン・マルコヴィッチ
・マルコヴィッチの穴
・ザ・シークレット・サービス
・危険な関係
RED/レッド

ジミー・O・ヤン
・クレイジー・リッチ!
・ファンタジー・アイランド
・パトリオット・デイ
・ライフ・オブ・ザ・パーティー

ジェーン・リンチ
glee
・ぼくたちの奉仕活動

あらすじ

2019年8月のアメリカペンタゴン。
空軍中将のマーク・ネアード
(スティーブ・カレル)はついに軍部最高位
の星を授与され昇格が約束される。
マークは空軍の参謀長に就任することを
夢見ていたのだが、彼は国防長官より、
新設される宇宙軍の初代参謀長を任命される。
マークとその家族は、
新設される宇宙軍基地のあるアメリカの
ど真ん中のど田舎のコロラド州へ移住する。

1年後、宇宙軍は新衛星イプシロン6の
打上げに備えていた。
今日が発射予定だったが、
宇宙軍の科学者マロリー
(ジョン・マルコヴィッチ)は
失敗すると反対。
しかしこの日は、
予算委員会の議員も視察に来ており、
どうにか打上げを行い宇宙軍の意義を
証明したいところだった。
瀬戸際の判断を迫られるマークだったが、
娘のエリンは田舎に来て孤立し、絶賛反抗期。
挙句にロシアのスパイと思しき
兵士と恋愛関係。
妻のマギーは犯罪を犯して服役中。
広報はめちゃくちゃな態度をとるし、
マロリー博士は文句ばかりと、
ストレスフルな日常をマークは大好きな
ビーチ・ボーイズを歌うことで
乗り切っていた。

2020年6月14日Netflixにて鑑賞完了



スティーブ・カレルのミニシリーズがNetflixに参上

2003年の『ブルース・オールマイティ』で
脇役ながらも生真面目なキャラクターと
突拍子もない狂ったキャラを両立させ、
凄まじいバランス感覚で好演したことが
きっかけか?

翌年には伝説のコメディ映画
『俺たちニュースキャスター』にて
超クレイジーなキャラクターを好演。
その後2005年には『40歳の童貞男』にて
製作総指揮・脚本・主演を務め、
00年代のコメディとヒューマンを両立させる
俳優として存在感を確立。

テレビと映画を両立させて10年代も
大活躍して賞レースにも参戦しようとしていた
スティーブ・カレルがNetflixで
テレビシリーズを製作総指揮で主演脚本製作。
1話36分未満とお手軽。
しかも4K解像度作品でめっちゃ綺麗!

2019年のトランプ大統領の宇宙軍編成の件を
もとにしたコメディドラマシリーズ。

初代宇宙軍の参謀を任命されたマークは、
家族を大切にし、仲間にも信頼され、
ライバルがいながらもついに
この地位に辿り着いたのだが、
アメリカのど田舎に転勤、
まさかの家族がぐれたり、
ど田舎過ぎるし、仕事も上手くいかない。
カレルがまたも変な職業で中年の危機に!

感想

特異な環境での中年の危機という、
カレルらしい作風の本作。
根本的にはトランプ政権への揶揄かなと
思いきや、

何方かと言えば科学力や今後の
宇宙覇権問題での中国との対立の危機を
表現しているし、むしろ現代のアメリカは
中国より劣っていることを直接的に表現
している点も面白いなぁと思った。

しかし非常に残念なことに

終盤の展開が唐突すぎて酷い

もうこれに尽きる。
多分シーズン2は製作されないと思う、
急な尻切れとんぼにびっくりした。
ミニシリーズなのにこんな急展開あるの?
ってぐらい急展開。
それでは

以下各エピソードメモ

でざっくりエピソードを紹介。

第1話 打上げ

宇宙軍発足と田舎への転勤。
その1年後の打上げの日の
トラブルが描かれる回。

曲者のジョン・マルコヴィッチや
反抗期突入の娘。
さらには刑務所に入ってしまった
高貴な奥さん。

ここからどのような展開が繰り広げられる
のかが気になってしょうがないわけですが、
取り敢えずストレスが溜まると歌を
歌い出す変な中年で傲慢なカレルが
めちゃめちゃ可愛い。

via GIPHY

とりあえずカレル成分を接種することで目的
は達成というカタルシスでしょうか??

第2話 イプシロン6を救え!

単発系かと思いきや、
1話2話は前後編の関係。

1話のラストで打上げに成功した
イプシロン6ですが、
カレルが望遠鏡を覗いているタイミングで、
中国の宇宙船により
破壊されてしまうという超展開。

そのローテクな破壊光景がかなり笑えたが、
そんなことよりもこれだけで
軍事危機というもの
じゃないか?という疑問。

コメディだから成立するが、
なんとも変なイマジナリーラインの作品。

とりま中国の宇宙開発の科学技術力の
高さがすごいという設定は、
否アメリカ的な作風で面白く感じる。

しかしなんだかんだ神回

そのイプシロン6を救う方法についても
めっちゃ笑える。

その前に宇宙軍が好感度UPのために、
チンパンジーとハスキー犬を宇宙に
飛び立たせている展開と
それをSNSに上げてるというクソアホ感が
むちゃくちゃ面白いし、
それを輪にかけたようにカレルの部下で、
ファック・トニーという凄まじい名前の
クソ広報がいるのも面白い。

そんなカレルが思いついた方法が、
軍閥主義らしい爆弾を利用した方法
というカレルの脳筋キャラも面白いが、
結果的にチンパンジーを使って、
衛星を修理させる展開も面白く、
多額の予算を使用していることを感じる。

SFギャグが炸裂しているのだ!

まさかのオチ2種も含めて面白いのと、
反抗期の娘が相当なファザコンで、
家庭のドラマにも焦点を当てていることが
わかる前後編のプロローグとして良作。

第3話 マークとマロリー郡へ行く

意外と真面目回。

via GIPHY

1話でも出てきた予算を決める議員のもとに
出席し、宇宙軍の優位性を証明し、
予算削減から回避しようとする回。

カレルの相棒のマルコヴィッチが、
カレルのライバルの空軍大佐により、
カレルの失策幇助で空軍に再編成されれば、
予算を潤沢に研究費に割くという。

カレルへの嫌がらせをするが、
カレルは持ち前の人望でどうにか切り抜ける。

当初カレルことマークは家族の問題で、
老後の両親のボケの介護などにも
焦点があったのだが、父親役の
フレッド・ウィラードさんが逝去した為、
大幅にカットされた模様。

第4話 月面生活

via GIPHY

月面生活の訓練として
荒野にて月面基地を仮設しているのだが、
そこの宇宙軍の訓練員が精神不調でリタイア
代わりにカレルが加わるという回。

結構面白い。

カレルというかマークが、
空軍中将まで上り詰めた影には、
過去の特殊部隊での戦地での過酷な
生活があったのだ。

しかしその辛い過去=機密情報の数々
を常にひた隠しにして
逆に精神を維持していたマークは、
今回の過酷な密室空間での訓練で、
精神異常を来たしてしまう。

可哀想な同居する訓練員。
彼らはなんと芸術家や科学者の集まりで、
筋肉脳のマークとは全く反りが合わない。

やはりコメディとしての軟派ぶりが如実で、
マークは娘との楽しかった日々などを回想
するのだが、お得意の怪奇演技で発狂し、
カレル成分が抜群の回。
宇宙服を着てぶっ倒れるカレルなど、
期待したカタルシスが全て味わえる。

ちなみにこの回と1話は
『パディントン』の監督が担当。
納得してしまう。

裏ではファック・トニーの暴走があって、
宇宙軍の制服がすごいことになる
ダブルギミックの効いた面白い回。

第5話 スペースフラッグ

月面戦闘の模擬訓練回。
カレルと対立する空軍大将との直接対決。
宇宙軍VS空軍の宇宙での
パワードスーツの試験を検証した模擬戦。

コメディなので武器が豆鉄砲、
だけにとどまらずハサミやテープなど
おバカ感満載。

via GIPHY

そしてしょぼすぎるパワードスーツなど
SF好きには辛いものがあるというか

登場人物が軍人なのに馬鹿ばっか

終盤の展開とともに馬鹿展開満載だが、
カレルとマルコヴィッチの友情に萌えた。

via GIPHY

第6話 スパイ

インドがシャトル打上げ成功。
宇宙軍にスパイがいるのでは??
から始まる犯人探し。

結果的にマルコヴィッチが容疑をかけられ、
彼の秘密が暴露されてしまう。

その秘密が笑っていいものではなく、
とりあえず人間の傲慢さというか、
米軍の体制を揶揄っている部分もあるが、
悪質でちょっとイケてない。
映像は終始綺麗。

5話6話は
『マッドバウンド』の監督、
ディー・リースが担当。
映像は良かったが、
話が批判的過ぎてちょっとしんどい。
コメディとして軍部の体制を皮肉りすぎか?

第7話 エジソン・ジェイムズ

27分というシリーズ最短回。
予算削減のために、
国防長官より若手発明家兼社長の会社が
生み出した画期的な燃料を用いることに。
その社長が宇宙軍の基地にやってくるわけ、
当初は若くして成功した女性で発明家である
彼女を心底応援しているマルコヴィッチだが、
その燃料がどうにもこうにも
怪しいと思ったわけで。

またいつの間にか別れていた
ロシアのスパイと娘。
娘は今度は若い田舎者系の兵士と交流。
さらに黒人女性兵士はアジア系の科学者と
交流というラブコメ要素も盛り込まれた回。

via GIPHY

黒人女性兵士が昔から宇宙飛行士に
なりたかったという夢を披露し、
アジア系の科学者に勉強を教えてもらう。

第8話 夫婦面会

これまで少しだけ出てきたカレルの妻、
その妻が服役期間でどんどんキャラが変貌
していく面白みがあったが、
今回は前回のスパイ事件で延期していたため、
部屋を利用しての面会。
そこでカレルの妻がカレルことマークに
おかしな提案を行う。
また強引についてきた娘も
変わってしまった母親や仕事優先の父に
心を病み始めていたが、母親の友人の
囚人たちと交流しているうちに
昔の輝いていた自分を再発見する。

また黒人女性兵士は視力を取り戻すべく
アジア系科学者と2人でデンバーの眼科に
レーシック手術に行く。

この3組の交流だけにとどまらず、
宇宙軍基地ではマルコヴィッチと
ファック・トニーたちが、
次回の月面での作戦のために
パイロットを選出。
最終的に選ばれたのは、
貧乏そうで虐げられていた女性インド人と
精神的に問題のありそうな
ホームレス風の中年白人。

もはや宇宙要素がめちゃめちゃすぎて、
どう楽しんでいいのかわからないし、
カレルもなかなか辛い状況に追い詰められて
見るのがしんどくなってきた。

第9話 決め台詞

唐突に時間軸が飛びシャトル打上げ

最終回前後編に伴い、
唐突な展開。

手術をした黒人女性兵士は何故か
パイロットに採用されており、
頼りない宇宙軍の若手兵士もパイロット。

唐突すぎる展開に
打ち切りエンドを彷彿。

急にSF要素を描き、
打上げも問題なく成功。
第1話の苦労はなんだったのか。

しかし月では既に中国が領地占領しており
米軍の着陸地点はもはやないと言っても
過言ではないが、
カレルは強引に着陸を指示し、
宇宙軍は月面遊泳を楽しむ。

ふぅううむ。展開が早すぎて面白くない。

第10話 報復のバランス

中国による嫌がらせに米軍は中国との
最終戦争を警戒。

しかしカレルは娘が、
うっかりヒッピーというか薬中たち
とどっかへ行ってしまい、助けを求められる。

カレルは軍上層部に兵士たちに銃携帯指示と
攻撃指示を受けるが、
兵士たちの人命を考え葛藤するという回。

かなり切迫したシーズンラスト。
そして同様に暴走する娘にモヤモヤ。

最終盤が色々無茶苦茶で、
しかもクリフハンガーで終わるので、
シーズン2へ話が続きそうだが、
正直シーズン2での話が全く期待できない。

総評

なかなかのバッドエンドだったと思うし、
笑えるが、
ちょっと技術と軍を
馬鹿にし過ぎのように思えた。
そもそもアメリカのトップ頭脳を持った人々
の話なはずだろう。。。

俳優陣の演技、
映像の水準はとても高かったのだが、
脚本に無茶があったのかなと。
登場人物のキャラクターを再考し、
物語の展開も
もう少し練り直す必要があったと思う。
あまりにも展開が早すぎた。
コメディとして馬鹿な感じは最高なんだが。

その馬鹿さ加減が宇宙軍と宇宙技術への
カレルたちのトランプ政権への揶揄なの
かなと思った。

そいう批判的な姿勢は『オフィス』での
経験なのかなと思ったが、
そもそも『オフィス』を見たことがない。。

シーズン2が出たらカレルだし、
話数が短ければ見るかな。
もっとパターン化して
カレルが毎回歌うなどの要素あれば
個人的には良かった。

妻は一体どんな罪を犯して
逮捕されたのか?
それは中年の危機の万引きなんて
ものじゃなさそうだ。。。

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