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◎【82点】マイティ・ソー【解説 考察:MCUの未来を決定づけた序章】◎

3D映画の終焉の始まり

3Dについてですが、
自分は2Dで見ましたけど
3Dで見るやつは可哀想だ!!
映画の冒頭などは、
正直「3Dの方が良かったかな?」と
思ったのですが、
監督がアクション思考では無く、
ドラマ思考であること。
これが中盤以降の3D要素の
論点の決定的になります。

監督はそんなの無視して、
普通に映画撮ってます。
ただ冒頭はちょっと
意識されています。

その理由は、
冒頭がフルCGから始まるからです。
厳密にはソーが落ちてきて、
ナタリー・ポートマンたちの
車にぶつかる所から始まるのですがね。

物語はソーの世界のできごとに
フラッシュバックするのですが、
その世界がほとんどCGなのです。

それがうねるようにカメラ動かされたりと、
そして場所が変わっても
しばらくは異世界=CGの世界が
広がり続けるので、
そういう意味では3D要素は
ありますが、
そこが本作の上り坂でしかないので
厳密なハイライトではないので、
まさにおまけです。

中盤以降はソーの人間性のドラマ面に
スポットを当てているため、
それが3Dで浮いたら
そりゃあアカデミー賞ものですが、
そんなことはマイケル・ベイぐらいしか
出来ないと思っています。

構成に問題ありか?

さてそういうわけで、
本作はフラッシュバックから始まるが、
それが重要だったとは
全く持って思いません!!

そもそも構成自体単調で
落ちてくるまで描いたら、
激突した後に物語は戻って、
普通に話は進むのですがから。
その構成は正直疑問です。

始まりから神の世界で良かったのでは?
それともアメリカの田舎町が
舞台であることを強調したかったのか?
そこが問題です。

王朝骨肉ものスキィ!

さてさて話は神の世界になりますが。
ここがね、正直驚いた。
ソーというキャラクターは
傲慢であるということは
前情報から常識的に
備わっていたのだが、
「ロキ」というキャラクターは
知らなかった。

彼が弟でソーを妬んでいることは
映画が始まれば気がつくけど、
そして王位などの問題が
出てきたりとするのだが。

ちょっと待てよ。
これってシェイク・スピアーの
原作の中でこういう話なかったか?
そう思った。
全く持って知らないのだが、
「リア王」とこういう
内容では無かったか?

そのままソーは弟の策略により
地球に追放されてしまうのだった。
正直想定していた映画とは
違うではないか。
もっとこう。ヒーロー映画じみた
はつらつで無難な映画を
想定していたのだが。

正直自分はこういう北欧王朝的で
骨肉の争いは大好きだ!!(笑)

見ていて気がついたのだが、
そのロキがソーよりも
魅力的ではないか!!
ロキの正体については劇場で
確かめてほしい。
ただ彼は魔法使いである。

その王朝的概念を近年の
「英国王のスピーチ」のように
美術スタッフが作った背景や
既存の街などを用いる事無く、
本作では幻想的にCGで描いている。

そしてその王朝的な物語を導いているのは
シェイク・スピアー系の出身の
ケネス・ブラナー監督が
骨格を作っているのだ。

正直言って、
これは良いものを見てしまった。
とんだ掘り出し物映画じゃないか。

そこからも物語は
色んな要素を巧妙に混ぜている。
例えば地球の舞台が、
ニューメキシコという
アメリカの下の方の真ん中、
ロサンゼルスや
ニューヨークの間の間、
挙げ句にラスベガスも遠く、
メキシコに面している。

田舎で荒野が続いて乾燥している。
それが神の世界との
対極を成した世界観だ。

そんな田舎でソーは
内面の問題に初めて直面する。

イギリスの貴族が
アメリカの真ん中の荒野に
置き去りになっているのだ。
面白いじゃないか。
だがソー自体は
完全にテキサスな野郎だ。(笑)

だが正直ソーが
すぐにハンマーを見つける件には、
失望したのだった。

なんだもう力取り戻して、
大暴れってわけね。

ですが筆者の思考は
制作側に操られていただけだった。
ソーはそこで初めて
父親によって挫折を味わうのだった。
筆者は泣いてしまった。(笑)

そんな堅苦しい要素や
骨肉の争いだけが本作の全てではない。

神の世界のソーの友達は
のんきなのだ。(笑)

つまり彼らはコメディ要素担当として、
そのままの衣装で田舎町にやってくるのだ。

これは面白い。
自然なコメディだ。
正直上手いと思う。

そこからは既存のヒーロー映画と
絶望仕切って一皮むけた
ソーの人間ドラマが繰り広げられるのだった。

だが正直力を取り戻して
本編が終わると思ったら、
ロキの意外な行動なども
あって驚かされたり、
ソーの驚愕の選択など。
またオーディンとロキのやり取りなど
ドロドロした人間ドラマや、
エピローグの神の世界など、
正直多くの見所の詰まった
一辺倒では行かない
サンプリング映画になっていた。

MCU作品の単体作品の方向性をこの時点で決めたのではないか?

大量生産され始めた
ヒーロー映画の中で埋もれる事なく、
色んな要素をねじこんで
個性をキープしたやり方は
好評されるべきだと思えた。

その他にも、
序盤の氷の世界に行くあたりは、
ロード・オブ・ザ・リングを
意識しているようにも思えた。

ただ全体的には多くの要素を
組み込み過ぎて大雑把でもあるが、
主人公がそういう
キャラクターなので全部良しとしたい。

またロキのキャラクターなのだが、
これも既存の映画である
「G.I.ジョー」のコブラと
かなり酷似していると思う。
あれはちなみに
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが
やってたけど、こっちと同じで色白。
またずっと暗躍している点では
似ているし、
妬み的な感じで
悪の道を行く点など
細部まで似ていると思う。
でも骨肉の争い感は
非常に良く出てたので、良し!!

筆者的には納得の
行かな過ぎる要素がある。
それはナタリー・ポートマンだ。

彼女はソーと恋に落ちるのだが、
その理由が全く明白ではない。
ソーは地球の女という
今までに見た事がないものに
好奇心や不慣れな環境での
支えなどがあって、
そういう意味では
強い気持ちがあると思う。

だが彼女の演じたジェーンは
つい最近の彼氏と別れたばかりで、
ソーに恋して挙げ句に、
ソーと逢えなくてもソーを一途に思い、
ソーとの再会の為奮闘するという
ことになるのだが、
ナタリー・ポートマン演じる彼女には
全く説得力が無い。
それだったらダーシーの方が、
妙な説得力あると思う。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.6/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8.5/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 9/10

82点

思った映画とは違い、
それでいて充実した映画になっていた。
正直言って2011年上半期では
一番かもしれない。

いや過大評価かもしれないけど、
この映画大好きです。
悪役が魅力あり過ぎ。

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