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◎【83点】ヘレディタリー/継承【映画館推奨】◎

製作

2018年アメリカ映画

出演

トニ・コレット
・リトル・ミス・サンシャイン
・アバウト・ア・ボーイ
・シックス・センス
おとなの恋には嘘がある
アレックス・ウルフ
・ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル
・パトリオット・デイ

ガブリエル・バーン
ユージュアル・サスペクツ
ミラーズ・クロッシング
・エンド・オブ・デイズ
・スティグマータ 聖痕

あらすじ

現代のアメリカ郊外。
グラハム家は、ミニチュア模型アーティストのアニー(トニ・コレット)とその旦那のスティーブ、そして16歳の息子のピーター(アレックス・ウルフ)と13歳の娘のチャーリーと祖母のエレンの5人家族だったが、祖母のエレンが死去。

家族を失った悲しみに包まれるグラハム一家だったが、
この家族には、辛い過去があった。
エレンは生前は解離性同一性障害で娘のアニーたちとの仲は最悪だった。
アニーもまた一時期夢遊病は発症、父は精神疾患で餓死し、兄のチャーリーも精神を病み自殺をしてしまい、とても暗い過去を持っているが、
スティーブは彼女を献身的に支えていた。
お婆ちゃん子だった娘のチャーリーは個性が強く、自由奔放で13歳にもなって舌を鳴らしたり物思いにふけて、不思議な工作を行ったりしている。
その中では、ピーターは普通の少年だったが、アニーとは確執があり、昔は喧嘩も多く、そして夢遊病の最中に殺されそうになったやばい過去がある。

そんな矢先、祖母の死により精神状態が悪くなったアニーは、街のグループセラピーに参加。
娘のチャーリーは、おばあちゃんの幻影を見たり、家族に不思議なことが起き始める。

そんな矢先、友人とのパーティーに参加したいピーターは妹のアニーを一緒に連れていき面倒を見ることを条件に友達のパーティーに参加。
しかしそこでアニーは、元来ナッツアレルギーを患っており、うっかり食べたチョコレートケーキで症状が発症。
急いで病院に連れて行こうとマリファナでハイになってるピーターは車を高速で運転するが、そこで息苦しくなったチャーリーは、窓から頭を出してしまい、車道の柱に激突し、死んでしまう。

ピーターはそれを家族に告げないまま、自分の家に帰り部屋に戻っていた。

翌日、立て続け位に肉親を失ったアニーは発狂、もともと険悪だったピーターとアニーの仲は更に悪くなってしまう。
またもグループセラピーに参加しようとした彼女だったが、そこで同様に肉親を最近失ったジョアンと出会う。
同様の状況に苦しむジョーンと親しくなったアニーは、彼女に降霊術を教わり。。。。。

2018年12月1日劇場鑑賞121本目



ネタバレ感想

2018年No.1胸糞ホラー映画!!

パンフレットを読んで、本作の話をするのに切っても切れないのがアリー・アスターさんの
初長編監督ということ。
もともと映画芸術を学んでいた彼だったが、複雑な家庭環境で育ったようで、
その鬱屈した精神状態の日々や家族に対する怒りなどの葛藤を独自性として、
彼の映画作品に反映させ、これまで複数の胸糞短編映画を製作し、一部の界隈で話題になっていたようで、
その新鋭監督の初長編映画がやっぱり胸糞だったけど、数多く作られてきたジャンル映画を超越した胸糞悪い閉塞感の強い作品でありながらも、
最高にキレキレな映像や編集、はたまた音楽、そしてサラウンドステレオ効果を巧みに使い、映画体験を至高にした胸糞上質映画が誕生!!

家族の不仲を超越する悪夢

本作はスタート時点では、精神的な問題を抱える家族のさらなる悲劇という超胸糞を平然とやってのける、そこに痺れる憧れる状態の映画。
どんだけ家族関係最悪なんだよと感想書く上で同情せざる追えないアリー・アスター監督。
それでも映画製作者としては有能すぎるわけですが。。。
その不仲を超越する展開が突如出てくる。
それはグループセラピーの参加者のジョーン。
この人の良さそうなおばさんのせいで、家族はサイコホラーから悪魔ホラーへとシフトしていき、悪夢はもっと具体的にそして映画的に映える
最悪のホラー映画へと昇華していくのが、やっぱりすごいなと思う。

継承

と言いつつも、映画の最終盤に近づくことでこの悪夢全てが、一番最初に死んだ祖母のエレンによって仕組まれていたことが判明。
まさかのゴシック悪魔びっくりホラーから幾重にも張り巡らされたトラップによってどん底に陥る家族を描くサイコ悪魔スリラーだったことが
映画に終盤に進むごとで判明していく、
あの時のあれや、最初期からのあれは全てここにつながるのだった。
例えば娘のチャーリーの舌を鳴らす癖やらおばあちゃんの不審な行動、お母さんの夢遊病の意味、壁にきざまれた文字、死んでしまった父と兄などなど
その全てが「継承」のための伏線だった。

そういった幾重にも巡らされた事象をうまく回収してゲテモノ悪魔ホラーとして作り上げた監督の技量はやはり凄まじく、
内面の葛藤の過去と映画的なシナリオの緻密さ、映像、その全てが最上級の胸糞へと昇華する。
そりゃメタスコア87点観客評価7点台っての納得だわ。

最後の最後の胸糞オカルト展開含めて、面白いなぁと思う。

演技半端ね。

祖母の策略に精神的にも翻弄されるアニーさんことトニさんの顔芸は凄まじく、

via GIPHY

映画の悲劇的なジェットコースターばりの終盤の展開の顔やら、野獣化してピーターを追い詰める動きの数々、終盤のいままで見たことのない
くびぎこぎこなど、凄まじい演技を見せてくれる。

また胸糞の象徴のチャーリーを演じた少女はまだ若いのに10歳でトニー賞受賞の天才子役と、すごい映画にふさわしいすごい人起用している。
フレッシュなピーターは近年だと『ジュマンジ』のリメイクで主人公を演じたが、それ以外にも『パトリオット・デイ』で若きテロリストを演じたりと、演技の幅がやっぱり広くて、終盤のとんでも演技で見ているものを震わせる。

via GIPHY

鳩の首ちょんぱに電柱にドーンに首ぎこぎこ

もうねそれ普通やらないだろを生々しくやるその心意気、すごかったなぁ。何度か目を伏せたわ。

via GIPHY

編集がいい

久しぶりに独特だけどスタイリッシュな編集を見た。
冒頭のオープニングからの切り替えやら、
時間の切り替えで同じ構図のまま昼やから夜に変えたり、ベッドで座った構図から学校に座った構図に切り替えるなど、
なかなかキレキレのセンスを映画に盛り込んでいてやばい。
一概に胸糞映画すぎて辛いってわけでもなくて、合間合間に映画的な面白さをふんだんに盛り込んで見やすくしている。
撮影も墓での地面にショットが潜っていくのもすごかったな。

映画の音の使い方がすごい

映画内で序盤から不快な音であるチャーリーの舌鳴らし、これが印象的にずっと使われる。
ホラー映画にはぴったりで、後ろから聞こえるようにしたり、右から聞こえるようにしたりと、
そういう不意なステレオテクがやばくて、
映画を見ることのカタルシスを高めてくれる。
映画館でぜひ見て欲しい。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 9.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 9/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

83点

ミニチュアなどの美術も凝っていたが、それが映画的に具体的に踏み込んでくるというよりは、胸糞への追加要素な気がしたのが惜しいなと。

via GIPHY

あれもいろいろすごかったな。
多分Blu-rayとかは買わないが、面白い映画が見たい!!って人はぜひ見て欲しい映画だったと思う。
あとお父さんが完全に巻き込まれ系だったのでかわいそう。

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