★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
1995年アメリカ映画
監督
ブライアン・シンガー
・X-メン
・X-MEN: フューチャー&パスト
・スーパーマン リターンズ
脚本
クリストファー・マッカリー
・ミッション:インポッシブル/フォールアウト
・オール・ユー・ニード・イズ・キル
・ザ・マミー/呪われた砂漠の王女
出演
ケヴィン・スペイシー
・セブン
・L.A.コンフィデンシャル
・アメリカン・ビューティー
ベニチオ・デル・トロ
・ボーダーライン
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
・トラフィック
ジャンカルロ・エスポジート
・ブレイキング・バッド
・ドゥ・ザ・ライト・シング
あらすじ
カリフォルニア州のサンペドロ港。
真夜中、小型船舶の近辺には多数の死体があった。
死体の風体からマフィアの抗争のように思える。
最後の生き残りは死に。船は爆発する。
捜査官のクイヤンはその事件の唯一の生き残りのヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)を尋問する。
ヴァーバルは左手と左足に麻痺を持つ障害者だ。
そしてヴァーバルは事件のことを話し出す。
きっかけは6週間前、ニューヨーク警察で銃器強奪事件の容疑をかけられた元汚職刑事のキートン、マクマナスとフェンスター(ベニチオ・デル・トロ)の強盗コンビ、爆弾製造を請け負うホックニー、そしてヴァーバル。彼らは何かしらの事件があると容疑者の候補に挙げられる常習犯だった。
今回の事件は彼らは白だったが、これをきっかけにマクナスは宝石強奪計画を彼らに持ちかけ、見事に実行する。
現在、船舶爆発事件の生き残りのハンガリーのマフィアは、悪夢にうなされるようにカイザー・ソゼとぼやく。
この事件の犯人は、巨大犯罪組織のボスであるカイザー・ソゼが関わっている。
ヴァーバルは複数の事件を成功し、調子に乗っていたがなんと自分たちがこうやって犯罪をすることもカイザー・ソゼが仕組んだことだった。
キートン、マクナス、フェンスター、ホックニー、ヴァーバルはそれぞれが過去にカイザー・ソゼの仕事に泥を塗っていた共通点があった。
その復讐も兼ねて、彼らにハンガリーマフィアを襲撃させて薬物を盗ませようとするのだが。
それにビビったフェンスターは殺害され、キートンの恋人が人質状態になり、襲撃を実行することになるが。。。
2018年10月16日amazon prime video鑑賞106本目
ネタバレ感想注意!
ブライアン・シンガー出世作!
こちらも世界的に評価の高い映画『カイザー・ソゼ』です。
あ『ユージュアル・サスペクツ』です。10年ぶりぐらいに感想。全然覚えてなかった。
1作目でクリストファー・マッカリーと組んでサンダンスグランプリという華々しいスタート飾り。(なぜかIMdbでの評価は悪い)
監督2作目で、この評価で、次作はサクッと滑りましたが、その後2000年には『X-メン』を監督し、MCUの始祖とも言える『スパイダーマン』よりも前の元祖マーベルコミック映画の新時代を築くわけですが、まぁそれでもアメリカンコミックの映画化からは程遠い、特撮紛いなコスプレ変態キャラたちがシリアスに頑張るというなんかちょっとずれた映画だったのですが。
それでもその後も『X-MEN2』を監督し、自身のマイノリティである同性愛者として、周りから差別的に扱われてきたマイノリティとアイデンティティを映画に昇華させて、X-メンシリーズのフランチャイズ化を大成功させた偉大な映画人ですが、その後大好きなスーパーマンをリメイクしたけどもカイザー・ソゼの陰謀によりか、ノスタルジー追求しすぎて、全然面白くない映画にしちゃって、その後もノスタルジー追求した結果、またもX-メンでカムバックしてくるというこの監督一体何が得意なんだ!!といまいちつかみどころのない監督だなと思う。
脚本はクリストファー・マッカリー
近年トム・クルーズと仲良く映画撮ってる変な映画監督のクリストファー・マッカリーがアカデミー賞も受賞しちゃっとかの本作。
実際のところのパルプのような内容の本作、嘘か真か?と有耶無耶な感じがかなりセンセーショナル。特に終盤のドヤ顔が見えてくる風呂敷の素早い巻き方には一気に引き込まれるが、それ以上に近年の『アウトロー』での電話を掛け直した後もう一回かけて殺害予告したり、『ミッション・イン・ポッシブル:フォールアウト』と『アウトロー』で最高のカーとバイクアクションを作ったり、探偵映画風に仕立て上げたり、『ツーリスト』っていうクソ映画を脚本したりとヘンテコ感が強いイメージだが、デビュー自体はとても華々しいんだな。『ザ・マミー』でトム・クルーズことセテパイに「アドベンチャー魂はどこに行った」って言わせるだけある。ちなみに本作でもカイザー・ソゼで劇中で30回は言わせてると思うで、この頃から平常運転だったと思われる。ありがたい。
ケビン・スペイシーが出てきたら多分一番悪い奴と言う通説を生み出した映画
もうケビン・スペイシーが出てきたらそれだけで、一番悪い奴と言う通説を生み出した元凶は本作『カイザー・ソゼ』だ。
いやもうケビン・スペイシーが出たらそれだけで、スポイラー、ネタばれ。
この後にも『セブン』でもケビン・スペイシーが『カイザー・ソゼ』として出てくるので、印象は一気に濃くなる。
でも今作以降、ケビン・スペイシーがクソ悪い奴っていう大どんでん返しの映画は『ラスベガスをぶっつぶせ』とテレビゲームの『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』ぐらい。
なんだかんだ感動系やいい奴系も演じているけど、『モンスター上司』とか『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のイメージが強いからか、
嫌そもそもがダークな人間に見えるんだよなぁ。
結果現実世界でもまさかの同性愛者で挙句パワハラセクハラを過去に行いまんま『モンスター上司』だったケビン・スペイシーは、
ショウビズ界での自身のイメージをそのままに残し引退してしまった。
なんとも悪い奴だった。
正直『ダークナイト』の冒頭15分を100分にした映画
摩天楼を舞台にしたシーンなどもあり、よく呼ばれる悪い奴らが寄せ集められて、最高に悪い奴『カイザー・ソゼ』の噂話に踊らされているうちに、皆殺しにされてカイザー・ソゼのみが勝利する。
まさしく『ダークナイト』でのジョーカーの登場シーン。
いやこの感想の書き方よくないんですけどね。結構似てるんですよね。
でどっちすきかっていうとやっぱり『ダークナイト』。
だってこの映画それしかないじゃないですか。
ノーランを彷彿させる広角や構図を意識したショットの数々
映像の趣向もそのシーンに近いとこあって、
摩天楼のビル街を移すシーンとそこからのエレベーターのショット。
このショットすっごい気持ちよかった。
そこからのエレベーターの天井から出て鮮やかなボディーガードの殺害も見事。
また冒頭の面通しのシーンも気だるい雰囲気のやつらが照明が点灯してつくとこなども見事なショットが多い。
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ただすっごく上手く低予算で撮られてて、基本的には会話の多いドラマ映画。
終盤では銃撃戦が若干あるけども大事なのは思いも寄らない裏切り者がいるというシーンであって、派手さではなく裏を書く行為。
終盤の大どんでん返しも見事なので、隅々まで脚本が機能しているんだなと改めて思うし、それを上手くブライアン・シンガーもドラマ映画としてまとめあげていてすごい。
ケビン・スペイシーは全体的にうざったいが、最終盤の嘘泣きシーンと最終盤のけろっとするシーンのギャップが凄まじく、助演男優賞受賞は納得。
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またベニチオ・デル・トロの出世作でもある。なかなかひどい扱いだったが。
主役のいない映画
また序盤からヴァーヴァルの語りで進行し、絶妙に主人公を不在にしている映画でもあり、
終盤まで見てようやく本作の主人公が、ヴァーバルだってわかる構成も見事だし、なんで主人公が不在かって感じるような空っぽな葛藤のないドラマ映画になっているかというとそれが、ヴァーバルの嘘の話だからであって、それはそれで納得だし、シナリオがうまいなって思う。そしてこの映画がある種のパルプ小説のような永遠の空っぽな娯楽映画であって、最後の残るのはやはりケビン・スペイシーが出たら気をつけろということ。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.7/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 5/10
・キャラクターの魅力 6.8/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 7.5/10
73点
音楽がミステリーを煽るノワール調。
スケール感の小ささも合間って、面白いには面白いが、誰にでもオススメしたくなる映画ではないが、
見終わってしばらく『カイザー・ソゼ』って言いたくなるから、クリストファー・マッカリーの脚本テクは秀逸。
常に良くも悪くも少ししたら忘れてしまうような変なインパクトをいつもくれる。
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