2013年137本目 11月28日劇場鑑賞
2013年12月3日追記
「質は最高だけども個人的に退屈だった。」
あらすじはこちらからです。
ジブリの最新作見たよー。
ディズニーとメンチ切って殴り合っても、引き分けに持ち込めると思われる、日本のアニメ制作会社スタジオジブリの最新作の『かぐや姫の物語』を全然見たくなかったけども見ました。(その時点でこの文章おかしいのだが)
近年のジブリは若手監督が主導していましたが、本作は宮崎御大将の信頼できる仲間の高畑勲監督の作品。
しかし高畑監督の作品は好業績を出せないという前例が多々あるわけです。
また『風立ちぬ』と同年に公開という異例のビジネススタイルで行われたので、ジブリ作品二本も見たくねぇよと思っている人も少なからずいると思うので、興行不振は今回も逃れられないと思われる。
まぁー実際絵が書けないと言われている高畑さんの監督作品。
例年通りちゃんと公開延期し、2013年11月に無事公開した。
本作は、『となりの山田くん』同様に水彩画を感じさせる独特のタッチで描かれる作品で、しかも原作を日本最古の物語『竹取物語』としたかなりの意欲作。
最早ビジネスの概念を無視し、自分のやりたいことをやる高畑監督のビジョンは、やはり尊敬に値するし、10年以上監督をできなかったのも納得できる。ちゃんと普通のアニメの3倍くらいセル画書かせたらしい。
駿の仲間ということも考慮し、お金も稼げないのにまだこんな凄いことをやれるんだから高畑監督ほど恵まれている人もいないのかもしれない。
鑑賞前後に、『となりのやまだくん』を鑑賞していれば、より本作も味わい深いものになるだろうが、あの映画の評価や成績を考えるとそれをしない人も多いと思う。なんか変な映画だったことしか覚えていない。過去にTVで見た時は、なんか異世界やわーと思った。
本作を鑑賞して思ったのは、原作を『竹取物語』にするクリエイター魂への尊敬。
絵をそれにぴったりな水彩画チックにしたことへの畏怖。
この2点だけだ。
いわゆる、極端に言えば、よく見かけていたテレビ番組『にほん昔話』の最高の質の劇場化作品と考慮すれば、いいんじゃないかな?と思う。
しかも上映時間も2時間30分もあるんだから、その豪華さは、脱帽だ。
正直言えば、映画館で見る価値はない。
大スペクタクルとは無縁な。非常に地味で、そして味わい深い作品ではあるのだが、見ていて飽きてしまった事実は隠す必要などない。
エンタメとして面白さは、妙な絵の違和感が顕著(帝のあごの長さが異常)。
またキャラクターの特に、翁の顔などの巧みな表現は非常に興が深い。
しかし、それが大衆向けといえば、もちろん違う。
原作は皆が中学の古典の授業で触れた作品であるので、皆が知っているのだが、その古典に良い思いでがあるかどうかも問題だ。古典ってだるかったよな。急に勉強させられるしさ。
しかしどこか古典文学への入り口になりつつあると考慮すれば、それはそれでやっぱりジブリの功績は素晴らしい。この映画見て、「古典おもしれえやん」って言ったらジブリの成果は人の価値観を容易に変えている、ファンタスティックだ。多分この映画海外受けは最高だろうなー。
ただ日本での映画料金を考慮すると無駄にしたと捉える人も多いはず。500円くらいが適正だと思われる。
まぁーだけどもかぐや姫の表情の冷酷さなどの違和感とか考えて、アニオタや文学オタ、ジブリオタはウハウハしていると思うけども、
大スペクタクルエンタメオタや映画狂は、なんや退屈な映画やねー。程度だと思う。
そんな人の一番の盛り上がりはラストの月の住人の登場かな?
終盤などのかぐや姫の心情描写はオリジナルだと思われる。
空飛んだり、走ったりと空想描写もあるある。急過ぎてビックリしたわ!
物語の内包するテーマ考察
なんでかぐや姫なんだろうとかやっぱりオレは思った。
そりゃ企画としては非常に面白い。新しさを逆行して、最古を現在のアニメブームに衝撃を与えていると思う。
でもそこに精通するテーマってなんだろうか?まあーカタルシスの問題ですよ。
考えると結構面白くて、翁とかぐやの思考のズレと、平安時代の人間と現代の人間の考え方とのズレとかも面白いよ。
平安時代では、女性の立場が低く、女性の幸せは良い身分の人と結婚と考える翁。
しかしかぐやの考えでは、心の豊さこそ人間の喜びであると最後にこそわかるが、翁の行動により徐々に生きるのが苦しくなって、最後には月に強制送還になってしまう。まぁー人それぞれの感性で、幸せってなんだろう?ってなるけど、古き良き日本にあった田舎の生命のパワーの一部として、人間という生物として生きることの幸せと、社会の一つとして生きる苦しみと、本当の幸せとは?
とか考えさせられるようなものもあるけども、かぐや姫は、その答えを見つけるけども、それはつかむことができぬまま、異世界に帰るわけですね。
原罪とか罪と罰とかあるけども、それとどう向き合って、どう生きていくか、十五夜に月に帰る必要のない私たちは、考える余地と行動する期間があるので、みなさん頑張りましょう。
でもこれ最終的に恋愛要素も盛り込まれているのか?平安時代の生きづらさ。今という時代に生きる喜び。まぁーかぐやのお付きの人は完全に現代人だよねw
あと思ったのだが、月というか天界ってやはり死後の世界だよな。
あの羽衣を着れば、地上での穢れを全て忘れることができる。
つまり死んで無に還れるってことだよな。
それ仏教徒の教えとかさ、天国とかの概念だよな。ダンテの7つの地獄とか?
だったらおれは、地獄に堕ちること希望するわ。
辛い事も苦しいこともうまくいかないことも山ほどあるというか実際おれの人生泥舟ですが、それでも何もかも感じれずに無なるって、何より一番怖いし寂しいことかもしれない。
それは完全な穢れだと思うけどもさ。
やはり無こそ死だよな。
そんな深いとこにこの映画はちゃんとたどり着ける。
それでもやはりかぐやの魂は重力に惹かれたように最後地球を見て、無に還ったはずなのに涙を流す。
かぐや姫の心は最後まで報われないのでした。(勝手な予想)
それを教訓として、死や現実の自由さ、生きづらさの違い、そういう何か感じれたなら、この映画のもとはとれているだろうけども、映画見ている最中は退屈でしたよ。
あれ?おれむっちゃ良いこといった?
まぁー色んな要素を内包してちりばめている作品なので、人によっては語りがいはあるでしょう。
でもおれは退屈だった。
家で突っ込みながら見たいタイプの作品だった。
「帝!あご!あご長いよ!」
一緒に見てた彼女が、あごを触りだしたので、笑ってしまった。
「お。伊集院光!やっぱり日本昔話大好きだから抜擢されたかな?」
「地井武男さんの遺作としては最高じゃねえか!!深田恭子のエスパードラマ思い出すわ…。」
やっぱり当時の成人って13歳ぐらいだったのかな?
平安時代を舞台にした作品って、なんか懐かしいなぁーって思った。
歴史は深いのー。
得点
物語 6/10
キャラクターの魅力 8/10
監督の映像や俳優への演出やビジョン 10/10
音楽 8/10
俺の趣味 3/10
63点
まぁー個人の趣味では80点以上にもなりうる作品。文句は受け入れる。
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