ヨーロッパ映画『ミスター・ノーバディ』の監督ジャコ・ヴァン・ドルマルの2015年の映画が、日本公開。
今作『神様メール』はゴールデングローブ賞の外国語賞にノミネートした作品。
自分はこの監督の作品は初めて見る。
批評の平均点のmetascoreは80点(批評数は5)と高得点。
内容は、神様とその娘が喧嘩したことをきっかけに、人間界に降りることを決心した娘のエマが、新たなる神の使いとして、新たなる使徒を見つけ、世界を救おうとする話。
始まりはエマが人類に寿命をメールで一斉送信したところから始まる。
それは神様が人類を思い通りに操り不幸にして楽しんでいることの証明で、そんな悪意ある神の行動に怒りを感じたエマが、母である女神と兄であるキリストの言葉を信じ、新たに6人の使徒を見つけ、自分の新約聖書を生み出すことで奇跡が起きるということ。
無作為に選んだ6人を救い神を信じさせることで、世界は変わるというもの。
それを止めるべく人間界に降りてきた神は、己が決めた世界の行き先(不幸な出来事)の報いを受けるように不幸が続く。
邦題は『神様メール』とミシェル・ゴンドリーちっくなポップなファンタジーを思うわせるが、原題は『新・新約聖書』とかなりのブラックユーモアたっぷりなタイトル。
てか後者の『新・新約聖書』を作る作品なので、全然『神様メール』ではないわけで、これは邦題に騙された人結構多いだろうなと。邦題は事象の一を表しただけ。
映画はヨーロッパらしいユーモアたっぷりだけで、かなりの皮肉が効いていて、さらには宗教を超越したような内容で賛否両論かなと思う。
人の残りの寿命を教えてしまうという一つのアイデアから、そこから枝分かれした人類の行動の数々。
寿命がわかることで違う行動をして死ぬ人やら、新たな人生を始める人々。死なないことがわかるから無茶する人などなど、面白いっちゃ面白いが、主題は新たな使徒に福音をもたらすとかで、6人の人々に奇跡を与える物語。その独特な狂ったとも言えるブラックなアイロニーの数々。
ちょっと地に足が付いてない感じはヨーロッパらしいなと思うが、最後の怒涛のオチは完全に置いてけぼり。
「古い価値観を捨てて、なんでもできる未来を創造しよう」という監督のブラックながらも前向きなメッセージは、ちょっと押し付けがましく感じてしまった。
まぁ2016年もキリストが誕生してから経ったわけで、人間の方向もいろいろ向いてしまって、導くべき場所もまた変わりつつあるんだろうな。
何を望んでこの映画を見たのか自分でもわからなく、置いてけぼりになってしまった。
神様の顛末とか結構笑えたが、愛嬌で乗り切った気もする。違う映画を観ればよかった。
得点
物語の面白さと上映時間 6/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 8/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 6/10
音楽 7/10
俺の趣味 6/10
64点
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