「いや。おれ、タンタンに思い入れないですから。」
2011年アメリカ制作
製作
スティーブン・スピルバーグ
(SUPER8/スーパーエイト)
ピーター・ジャクソン
(第9地区)
監督
スティーブン・スピルバーグ
(プライベート・ライアン、シンドラーのリスト、E.T.、ジョーズ、レイーダース/失われた聖櫃)
予告編
あらすじ
ある所に1人のジャーナリストの青年タンタンがとそのペットの犬のスノウィーがいた。
タンタンは野外フリーマーケットで精巧な船の模型が売られていたので、素敵だったので、それを購入するのだが、買った直後にその模型が欲しいという怪しい奴らが二人も来たが、タンタンは断ったのだ。
家に帰って、船を飾るタンタンだが、犬と猫が喧嘩を始めて船は犠牲になってしまい破損してしまう。
その夜、タンタンの家にフリマで船を買い取ると言った男の一人が訪ねてくるが、彼はタンタンの目の前で殺されてしまう。この事件の鍵が船の模型にあると考えたタンタンは、その船について図書館で調べる。あの船の模型は財宝を積み海賊に襲撃され沈没したユニコーン号の模型だった。
家に帰宅したタンタンは自宅が荒らされているのに気づきユニコーン号の模型が盗まれていることを知る。
タンタンはもう一人の購入希望者であるザッカリンが怪しいと思い、スノウィーと共に彼の邸宅へ。
侵入したタンタンたちは、そこにユニコーン号の模型があるのを知るのだが、その模型は自分のとは別の模型だった。
途方に暮れるタンタンだが、帰宅して部屋を調べてみると、ユニコーン号に隠されていた宝の地図を発見する。ザッカリンの狙いはこれだったのだ。
しかしその地図を無関係なスリに財布ごと盗まれ、挙げ句に悪党達に捉えられ、船に連れてかれたタンタン。
見知らぬ船で目覚めたタンタンは命の危機を感じ、違う船倉へ脱出したのだが、そこにはその船の本来の船長であったハドック船長がいたのだが、彼は完全にアルコール中毒者で意識がはっきりとしていない様子だったが、協力してそこから脱出を試みる。
2011年12月1日鑑賞
感想
スティーブン・スピルバーグ3年ぶりの監督作品と挑戦。
スティーブン・スピルバーグがついに、フィルム撮影から離れデジタル撮影に初めて乗り出し、挙げ句にアバター同様の技術を用い、3DCGアニメ作品として、スピルバーグの20年越しの映画化のベルギーの漫画「タンタンの冒険旅行」の映画化作品がついに日本公開。
映画大国アメリカでは12月23日に公開されるため、珍しく世界的には日本の上映はかなり早い。
てかやはりスピルバーグ初のアニメ作品。しかも初のデジタル作品というわけで相当挑戦的な映画になっており、見る側にも挑戦を強いられているのかもしれない本作。
監督作品としても2008年の『インディー・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国』以来の作品となり、近年では、完全に製作総指揮ばかりやっていたスピルバーグだったわけです。
一応本作以外にも12年初頭には『戦火の馬』がアカデミー賞を狙うべく存在しており、そうとう『タンタンの冒険』に入れこんでいたのが実感できる。
製作は勿論相当入れこんでいたスピルバーグと以前からCG作品の可能性を追求し多大な功績を残してきて、スピルバーグに『タンタン』の方向性を助言したピーター・ジャクソンが共同製作をしている。
筆者もそれなりに期待していたわけで、運良くIMAX3Dで鑑賞したわけですが…。
原作を愛している前提。
実際筆者は、『タンタン』というものをどちらかと言えば、知らなかった。
ベルギー発のバンドデシネとして成功した作品であり22巻程もある人気作品で、未完のまま作者がこの世を去るという日本で言う『ドラえもん』級の作品のようだ。
スピルバーグは本作を知らなかったが、『インディー・ジョーンズ』が『タンタン』たあまりにも似通ってると批判された為、それを手に取った際、本作を知り映画化を熱望したようだが、なかなか折り合いがつかず20年が経った今、その映画化にふさわしい技術を巧みに利用し、映画化したようだ。
というわけで、このタンタンですがね。
うん。微妙。
なんと言うか、やはり原作を知っているのが当然のようで、主人公が何者なのか一切明かされることなく、映画は唐突に幕を開けるわけです。一応タンタンが活躍した新聞などが、ざっと出たりするわけですが、出る程度でして、もう既に物語りは展開するわけです。
つまりは「原作知っている前提、むしろ愛してる前提」で映画は展開する。
馴染みのキャラクターがついに映像化され、むしろ最高品質のCGで現れることに多くのファンはうなるという図式だ。
いや。おれ、タンタンに思い入れないですから。
あと残っているのは、『インディージョーンズ』に比較されるように、事件が起こり大冒険への幕開け。ノンストップで繰り広げられる物語り。勿論上映時間は1時間40分程なので、当然だ。
謎の船長と出会い、コミカルなスピルバーグ風にアクションを盛り込み、少し滑稽に、それでいて難解に。どこかで見たような物語を繰り広げ、大掛かりなアクションをCGで再現し、最終的には、なんだかよくわからない決闘をコミカルに描き、物語は次回に続く?
正直、話は相当面白くなかったと思う。元々子供向けコミックの丁寧な映画化が伴ってか、やはりそもそも本作は、子供向け、もしくは家族向けの作品であると思う。
また上映時間1時間40分とスピルバーグ作品にしては初期の頃並みの短さ。(CGとしての弊害か?)
そこに素晴らしいドラマがあるわけなどは、無く。そもそも主人公と思われたタンタンは冒険の案内役でしかなく、葛藤は一切ない。どちらかと言えば主人公は、ハドック船長であり、彼の謎の設定が凄まじく謎だ。うん。謎だ。
またタンタンを含め登場人物が全員うざいというなかなかの設定で、しかもそれがめちゃめちゃ精巧に作られた人間で、ほとんどデフォルメされていない。
それだったら、実写で良かったのでは?と本気で思うし。
そこを追求すれば、面白いスピルバーグの個性的なアクションの構図も実際は実写で見たかった。
CGだと二次元でしかなく現実的ハラハラ感が一挙に減ってしまうと私は思う。
挙げ句に、物語の焦点がなんだかんだで適当なので、ラストバトルはバカっぷりが凄い。
そういう部分を気にならずに見れるのは、やはり子供だと思うので、子供だったり、映画があまり好きでなかったりするならすっごくオススメの映画。
しかしデフォルメの少ないCGアニメというのは、なかなか辛い作品だなぁーとまじまじ思う。
興行通信社の発表する週間ランキングで上映回数が上位に関わらず成績が下位なのを見て取れるように、本作は日本では大コケしている。初日からこけていたので、なんか凄い。
そういえば、本作を配給している会社?が『ランゴ』と同様で、『ランゴ』もコミカルさよりもよりリアルにむしろ気持ち悪くデフォルメしたアニメ作品で、それもちょっと私は苦手だったので、もしかしたらそこと自分が愛称悪いのかもしれない。
むしろCG作品にしたら滑稽さが増しただけだったような。(笑)
しかし一応海外。特にヨーロッパ圏内では大ヒットしている作品なので、やはり原作を知っていれば、原作の味を知りつつ、スピルバーグの素晴らしい冒険性が調和した。素晴らしいアニメ作品なのかもしれない。
正直、私もそういう評価もあるんじゃないか?と思いもう一度鑑賞しようと思ったが、辞めてしまった。なんかごめん。
3Dは早く終われ。
IMAXでやや前目で鑑賞したんだけど、もしかしたらこれが原因だったのかもしれない。
正直3Dは結構凄かったのだけど、これやはり一番最初に見てしまうのが、字幕であり、一番飛び出ているのも字幕これが弊害になっていたと私は確信できるし、IMAXの公開は字幕のみだったようだし。その字幕を見ると画面全体を見る時間が少なくなってしまい、スピルバーグは意図的に3Dを遊ぶように導入し、また映画内に多くの情報を入れこんだようで、なかなか素敵なボケもかましたりしているようだが、IMAXの中段前方よりで見た事はかなりのミスだったようだ。
つまり本作を鑑賞するなら3Dの吹き替えでしかも全体が視界におさまる程の段でなおかつ3Dが楽しめる距離であることが望ましい。
実際再鑑賞しようと思っていたものの、やはり話がいまいち面白くないというのもあって、断念しましたごめんなさい。
でも今でももう一度見たいなぁー。と思っている。
ビックリフジツボ!!
そういえば、脚本に『ショーン・オブ・ザ・デッド』『スコット・ピリグリムVS邪悪な元カレ軍団』のエドガー・ライトが参加して、双子のクソうざい刑事役には、『ジョーン・オブ・ザ・デッド』から共演しているサイモン・ペグとニック・フロストのコンビが演じていて、『007慰めの報酬』のダニエル・クレイグとピーター・ジャクソンの盟友アンディー・サーキスがザッカリンとハドックを演じているわけで、勿論モーションキャプチャーだったりして、全く違う人物になれるという次世代の映画を体現したりしていたり、エドガー・ライトが頑張ったりしていますが、そういう挑戦や技術の導入ばっか目に入った感じです。
得点
5点
同時に『ラブ&ドラッグ』と『ラブアゲイン』を見たのが行けなかったのかも。
オペラ歌手の件とか含めて子供向けは確定。
早くしないと打ち切りあるので、見たいなら早く見るべき。
原作の予習は少なからず必要だと思います。
コメントを残す