監督
クリストファー・マッカリー
(『アウトロー』)
いつからかおじさんが汗水垂らして、頑張る!!
おじさんアクション映画になってしまった!!
トム・クルーズも53歳と、そろそろ落ち着いたラブコメやヒューマンをやっても文句も言われそうにないのに、生涯現役!!を感じさせてくれるアクションキレキレのトムのスパイ映画の新作でもちゃんとトム・クルーズとして大活躍してくれた!!
『ナイト&デイ』以降のネタという神話の道を進むトム・クルーズがツボにはまってしょうがない病になってしまった私としては、まだトム・クルーズが頑張ってアクション映画に出てくれて、しかもそれがシリーズを重ねることでどんどん面白くなっていく『ワイルド・スピード』じゃなくて『ミッション・インポッシブル』の新作というわけで、もう最高。
日本でも海外でも『ジュラシック・ワールド』の大進撃のせいで影に隠れがちだが、シリーズとトム・クルーズ作品としては大成功を収めたと言われている本作。
全米もようやく年老いて脂の乗ったトム・クルーズのコメディエンヌとしての魅力にようやく気がついた。
要するに時代がトムに追いついたのだ。
監督は、『アウトロー』でトム・クルーズをかっこよくも面白おかしく素敵な探偵に描いてくれた、クリストファー・マッカリー。
どうやらトムの演技派SF映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の脚本担当だったクリストファー・マッカリーを見つけて引き抜いたようだ。
あれだけ自分を魅力的に描いてくれたんだから、制作として選ばずにはいられないよなそりゃ。
というわけで、ブラッド・バードというアニメーターから脚本家系の映画監督にバトンタッチした本作。
話の流れは、前作から完全に続いているところがなぜか新鮮。
前作でメンバーに加わったジェレミー・レナーも続投し、官職としてトムをサポートする側に。
話の流れとしては、IMFがCIAによって吸収されるという消滅の危機。
さらにトムことイーサンを罠にかけて、味方にしようとする犯罪組織が登場。
そいつをずっと追いかけていたイーサンだったけども、そのシンジケートのメンバーは行方不明になったIMFの諜報員で構成されており、イーサン大ピンチ!!
と『007』に匹敵するような犯罪組織の登場で、シリーズ最高の面白さは固かったわけです。
思えば、ほとんどが悪を背負ったかんじの勧善懲悪の世界だったシリーズに骨太な悪と言い切れない悪が登場したわけです。
そいつの正体はネタバレになってしまうので、言えないですが、今作の悪役の作りはシリーズ最高だったと思うし、すごく魅力的だった。
特にその悪役の最後が序盤のシーンと結ばれていて、すごくかっこよかった。
このシリーズであんなにクールなショットが拝めるとは思えなかった。
それがCGじゃない等身大のアクションだから本当に最高。
最初からクライマックス!!
ポスターでおなじみのシーンは最初に登場。
これ生身で本当に飛行機にぶら下がっているシーン。しかもトムがだよ。
本当にすごい。
またカーアクションの運転はほとんどがトムが担当。しかも隣にサイモン・ペッグを乗せたまま。
バイクアクションがすごい!!
これ本作の見どころ!!
すごい速さで超危険!!なのにトムのちょっとコメディエンヌな感じも相まって素晴らしい!!
特にトムのファッションのダサさが最高です。等身大感がすごく感じる。
ちなみにその直前にトムが死にそうになって、そこから復帰して意識朦朧としているのに車運転して暴走するワイルド・スピードが面食らう内容です。
おじさんだらけですごい!!
トム・クルーズ 53歳
サイモン・ペッグ 45歳
ジェレミー・レナー 43歳
ヴィング・レイムス 56歳
というそろそろ官職についた方がいいんじゃないの?
と不安になる中高年なのに、現場でバリバリ命張っている。
ちょっと動きも緩慢になって人間性でその場を乗り切る系のベテランな彼ら、もはや茶目っ気さえも感じる。安定感のある彼らだけども終盤のサイモン・ペッグの危機にはかなりハラハラしました。
ちょっとバディ映画要素も増してきて、サイモン・ペッグがかなり出世。
ジェレミー・レナーがコメディの立ち回りをしたりと俳優の使い方に味があっていい!!
皆勤賞のヴィングさんも今作大活躍だしウィーアーファミリーでした。
ファム・ファタールがすごい!!
敵なのか味方なのか?
無名のレベッカ・ファーガソンがトムと敵を欺く目的不明の女エージェントを好演。
トムも翻弄されてしまうし、まだ無名で若手なのに、素晴らしいアクションを披露し大活躍。
本当にどっちつかずだし、無駄にトムとも色恋沙汰にならないあたりも素晴らしい。
特にラストの別れでキスをしないのも最高。(トムがまだ妻を思っている感があっていい。)
ローグ・ネイション
国の無いスパイ。
今作の敵のことだね。
なんか凄まじくメタルギアっぽくね?
総評
CG少なめのおじさんトム・クルーズが、汗水流しながらも行き当たりバッタリで任務を遂行する。
終盤の交渉は俺様映画すぎるように思えるが、ブラフの可能性もあって変に奥深く。
むしろトム様なら暗記しているでしょとなんか納得してしまったり、スパイ映画としてハイテク機器目白押しだったりと安定感の中にも骨太な展開も多く、非常に楽しめた。
ただ個人的には前作の方が全体的にカット割りなどが見事だったように思えるが、スパイ映画作品としては、たまらないかっこよさもあるし、トム・クルーズの脂の乗り具合がいいし、早く新作も見たくなるわけです。
得点
物語の面白さと上映時間 8.5/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 8/10
キャラクターの魅力 10/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 8.3/10
音楽 8/10
俺の趣味 8.5/10
86点
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