「トニー・スコットはやっぱり疾走感のある物語を撮るのが上手いよね。」
2010年アメリカ制作
監督
トニー・スコット
(トゥルー・ロマンス)
出演
デンゼル・ワシントン
(アメリカン・ギャングスター)
クリス・パイン
(スタートレック)
イーサン・サプリー
(バタフライ・エフェクト)
予告
STORY
アメリカにあるペンシルバニア州で鉄道会社で起きた実際にあった事故をもと作られた映画。
いつものように出勤をしてくる鉄道員たち。
その中でもベテランのたまり場にやってくる一人の男がいた。
彼の名前は、ウィル・コルソン(クリス・パイン)彼は本日から会社に入社したのだが、もともと彼の家族が地元では有数の権力者で、コネ入社にあたる、その背景を勿論ベテランたちは知っていた。
そしてその中で彼の指導係なのが勤続年数30年のフランク(デンゼル・ワシントン)だ。
新米車掌とベテラン機関士として貨物を運ぶ二人は、重い空気のまま仕事に向かうのだった。
それと同時刻、多くの荷物を運ぶパワフルな電車が運行されたが、その搭乗者は勤務態度に問題があった。
一部故障の見られたその列車だが、問題無く運行出来ると思った二人は、列車を発進させる。
だが進行先にトラブルがあったので、運行中ではあるものの勝手な判断で、機関士が降りてしまい、それを解除するが、列車はブレーキをかけてはいたのだが、システム的な問題で、ブレーキは解除されてしまい、もとの操作であった「最大加速」に切り替わってしまう。
無人列車化してしまったその列車は二人の制止を振り切り、そのまま走り出してしまうのだった。
そしてその列車の積み荷だったものが、非常に良く燃える薬品であったことが判明し、また想像以上のスピードが出ていることも発覚、そしてある地点で脱線してしまうと計り知れない災害が起きる計算になってしまったのだ。
解決策を試行する鉄道会社だが、そのほとんどが失敗に終わり…。
そして訓練にも近い状況のウィルとフランクは、その列車にすれ違い自身の大事な人達に危機が迫っていることを感じるのだった…。
2011年1月11日鑑賞
感想
また電車の映画かよ。なんか全く似たような映画09年にもあったなぁー。あれは超つまんなかったなぁー。
えーと確か、あれにもデンゼル出てたな。あれ。この色彩調ってあれ。もしかして。
うわー。また監督トニー・スコットだよ!!
でも何だこれ、なんか以前より面白そう感が強いぞ。
×××
というわけで、見ましたアンストッパブル。
以前だったら、ソーシャル・ネットワークが世界で一番見たい映画だったのに、それの公開が遅過ぎて、アンストッパブル公開時期には、アンストッパブルが一番見たい映画に代わっていました。
そんな日本の配給は全員足の小指を棚にぶつけて、さりげなく骨折してしまえ!!と本気で願っているhis(0809)です。
とりあえず、トニースコットは電車にでも取り憑かれてしまったのだろうか?
最初はそう思ってましたが、サブウェイとは、真逆の
主演:電車
に迎えた、前作の失敗を見直したかのような潔い
モンスター映画
になりました。(まぁモンスター映画としての出来映えは賛否両論だと思いますが、その部分の指摘はおいておいて。)
その観念は冒頭から全快で、とりあえず大音量で電車がうなるという、なんともウケール展開をしてくれました。映画館のスピーカーには丁度良い轟音だったと自分は思います。
それ以降はひたすら電車が速度が上がって行くという普通の暴走列車ですが、彼が持っていたのが、事故にあったら大惨事な装備品でした。
でーそれが一応
実話!!
という設定がありまして、その所為で全てがリアルに感じで、普通の映画でも緊迫感や衝撃感が1.5倍増しになっている譲歩付き。
その天然のモンスターに立ち向かうのは?
というのが普通の映画ですが、あくまでも、実話ベースの物語ということで、ヒーローの活躍は終盤までお預け。(むしろ誕生自体もお預け)
そこで丁寧に、モンスターを所持する会社などのうやむやや、被害への対処だとか、そういう面を詳しく描いたり、また二次災害が引き起こしたりと。
一見モンスター映画ではありますが、流石にB級映画では無いので、それに関与した人間たちのドジっぷりが冴え渡って、更に衝撃な状況に観客を落としてくれます。
自分的にはその辺りからやっぱりベテランの人達が作る映画は単純では無いなぁーと。単純な映画に複雑さを上手く織り交ぜられてて非常に面白かったです。
そしてようやく主演のおっさん達が活躍するわけですが、ここに関しても面白いと思いました。
一応今作はダイ・ハードなどのヒーロー映画みたいになっておりますが、マクレーン以上に今作のキャラは平凡で、ヒーロー要素皆無です。
そんな彼らがヒーローに変わるのは、「大事なものをまもりたい。」という単純な要素になっているわけです。
そんな中年の凡人が暴走列車と戦う怒濤の展開まで、一気に描くことに成功したわけです。
いや、そもそもトニー・スコットの映画って勢いがあるから面白いものが多いと思うんです、以前のサブウェイはそう意味では失敗だったと思います、自分的には彼の最高傑作はタランティーノが脚本したトゥルーロマンスで、アホが突っ走っちゃう最高さが、本作の電車が突っ走っちゃうのと同じで、疾走感がある映画でこそトニーのお家芸が堪能できると思います。
その面では、リュック・ベッソンよりも上だと思う。
ただ彼の映画には問題もありますよ。
それはデジャビュ辺りから初めてた、映像を青系とオレンジにするのと、ズームなどを使ってカメラの機能で遊ぶような感覚で撮る手法。
今作では、個人的にはそう言った、映画から切り離されて、テレビドラマ的、または現実感を増大させる演出は成功だと思います。
そもそも本作はテレビニュースから全体を把握するシーンなども多用されているので、シンプルな映画例えるなら、彼の兄リドリー・スコットの映画とは逆行しているとも思えますが、違う方向であっても上手くまとまっており面白いことに変わりないと思います。
個人的には、暴走電車中心にしてその他のキャラの描きの時間の比重がとても上手かったと思い、本作の事故映画の描きとして大成功していると思います。
警察とか消防車とか超無駄な野次馬とかの配置っぷりが巧妙です。そこがベテラン監督の映画としてのボンクラさとは一線を書いた出来なんだと思います。
オチについては、正直意外だったけど伏線もあったし、有りだと思います。実話だしね。(笑)
得点
9点
なかなかの良作。
でも個人的に人が一人死んだのがショック過ぎ(しかも会社の所為で)だったけど、実際の事故では死亡者はいなくけがは一人いたけど、大部脚色された話になっているみたいだ。
まぁー面白かったので良いよね。
あとこの映画の製作はやっぱり難航したみたい。だって前作のサブウェイの成績酷かったしね。
でも本作は評論家受けはどちらかと言えば良いけど、成績は不況だからサブウェイと変わらないみたい。まぁー年間ランキングを見るとかなり上になりますが。
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